山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~[Day1]
2025年9月20日(土)日本トーターグリーンドーム前橋
連日の猛暑も和らぎ、曇り空ながら秋らしく過ごしやすい気候で迎えた『山人音楽祭 2025』Day1。日本トーターグリーンドーム前橋に到着すると、まずは山人音楽祭の大成功を祈って入場口に設置された、だるまナメで会場写真をパチリコ。だるまのお腹に書かれてるように、2016年からグリーンドームで開催されている、山人音楽祭は今年で10周年。記録を辿ってみたら、参加出来なかった年もありながら、10年前の第1回開催から参加していた俺。決して順風満帆ではない、周年であり執念の10年だったとも言える山人音楽祭の歴史だが。約束の場所といえる聖地・グリーンドームで、記念すべき10周年を一緒にお祝い出来ることを素直に嬉しく思い、ハイテンションで会場内に足を進める。
山人音楽祭に参加したことのある人には説明するまでもないが。普段は競輪場として使用されてる会場の敷地を有効利用して、赤城ステージ、榛名ステージ、野外の妙義ステージと全く雰囲気の異なる3つのステージが設置されたこのフェス。さらに会場に隣接する前橋公園では、数々の催しが行われるミニステージやフードコート、キッズスペースも設置された“MAEBASHI PARK PARTY(愛称:マエパ)”が入場無料で開催中。「今年は山人音楽祭を自由に楽しんで、自由にレポートして下さい」という、ありがたすぎる使命を受けた俺は全エリアをくまなく楽しんで、ファン視点でレポートしようと気合い十分!
Photo by タマイシンゴ
まずは山人音楽祭の開幕をみんなと一緒に見届けようと、観客の期待と熱気の高まる赤城ステージのアリーナで開演を待つ。開演時間となりステージに登場したのは、山人ファンにはおなじみのキング・オブ・前説、NAIKA MC。「めでたく10年目を迎えた『山人音楽祭』へようこそ!」と力強く告げるとフリースタイルをぶちかまし、山人音楽祭の開会を高らかに宣言。大いに気持ちを高ぶらせるOP VTRが流れ、いよいよ10年目の山人音楽祭の幕が上がる!
初日の特攻隊長はENTH。「山人! 俺らをトップに置くってことは、トップから爆アゲってことじゃないですか?」とダト・ダト・カイキ・カイキ(Vo&Ba)がニヤリ笑い、OPナンバーの「SLEEPWALK」から「ムーンレイカー」とド頭から全力でぶっ飛ばすステージに、観客は大熱狂! 急上昇するフロアの熱を浴びながら、「あぁ、今年も山人に来れて良かった」としみじみ感じていると、「7年越し3度目でこの(赤城)ステージに立てました!」と感慨深げに語るカイキ。「着火剤みたいな役割になれればいいなと思ってるんで、ENTHから明日の最後、G-FREAKまでブチアガって下さい!」と告げ、「BLESS」で始まる後半戦を駆け抜ける。着火剤どころか豪火を起こして、特攻隊長の役割を完遂した。
“ライブハウスのそれ”に限りなく近い熱気をムワッと感じる榛名ステージへ足を踏み入れると、榛名の特攻隊長であるKOTORIがライブの真っ最中。ライブは終盤を迎えており、「RED」から「みんなの歌!」と始まった「素晴らしい世界」に大合唱が起きる。巨大なメインステージとは異なる空気感、一体感。どちらが良いじゃなくてどちらも良いし、階段で地下に降りるだけでこんだけ雰囲気の異なるライブ空間があるフェスって、他にないんじゃないだろうか? ラスト、壮大な景色を想起させる新曲「SKY」に地下ながら大空が頭に浮かび、これもまた良いなとやっぱり思った。
KOTORI Photo by 半田安政
続いて向かったのは、野外のMAEBASHI PARK PARTY。去年訪れた際、ここに出店している“もつ煮 王里”のもつ煮込みが、売り切れで食えなくて悔しかったので、「今年は絶対食ってやる!」と意気込んで来店。無事購入することが出来て、一年越しに食べられたもつ煮。これがめちゃくちゃ美味かった! にんにくの効いた味噌だしも美味いし、10cmくらいある長~いもつがゴロゴロ入ってる上に、ぷりぷりで柔らかくてとんでもなく美味い。そりゃあ行列も出来るし、早々に売り切れるわ! フェス飯ってレベルじゃないって!!
お腹も心も満たされたところで、再び榛名ステージへ。「(山人音楽祭に)初めて出させてもらったんですけど、最高じゃないですか!」とSyusaku(Vo)が興奮気味に語ったように、最高潮の盛り上がりを見せていたSKA FREAKSのライブ。「Egoistic Feeling」で始まるや、軽快で痛快なSKA PUNKサウンドで有無を言わさず踊らせて、歌わせて。全員でジャンプを合わせると、会場がゆっさゆっさと揺れる! そして同時刻、妙義ステージではDJダイノジ(大谷)がDJプレイ中。盛り上がり必至の鉄板曲の連発にダンサーが振り付けをリードして、会場一体を歌い踊らせるパフォーマンスはもはや名人芸! と、同時刻にあっちにもこっちにも生まれてた、ピースフルなライブ空間。タイムテーブルを眺めて、「あれも観たいけど、これも観たい」とうぬぬと悩んで。どっちに行こうと頭を抱える状況も多かったと思うが、それもまたフェスの醍醐味。そんな悩みも楽しくて嬉しい。
DJダイノジ Photo by タマイシンゴ
続いて向かった榛名ステージのかりゆし58は入場規制の超満員! 「平和とか調和というのは一人で作れるものじゃないと思った時、この人と一緒に歌いたいと思いました」という前川真悟(Vo&Ba)の紹介で登場したのは、茂木洋晃(G-FREAK FACTORY)。反戦や平和を願う「オリーブ」を二人で気持ちいっぱいに歌いあげると、「感じてることは大体、一緒のこと」とフロアを埋め尽くす観客に語り、だから、みんなで作っていこうと呼びかける。うん、好きな音楽や趣味嗜好はそれぞれ違えど、平和を願う気持ちは一緒。「オワリはじまり」に生きることや日々平和に過ごせることの喜びを実感して、胸が熱くなった。
かりゆし58×茂木洋晃(G-FREAK FACTORY) Photo by 半田安政
「明日は当たり前にやってこない! 燃やせ!!」と、かりゆしと違ったアプローチ(でも、感じてることは大体一緒)で生きること、命燃やすことの喜びやありがたみを伝えてくれたのは、赤城ステージのROTTENGRAFFTY。N∀OKI(Vo)が山人音楽祭10周年に祝福の言葉をかけて、「互いにまだまだ旅は続くぞ!」とG-FREAKにハッパをかけて贈った「マンダーラ」で始まった後半戦。「響都グラフティ」「金色グラフティー」と続き、フロアをぶっ搔き回す熱すぎるステージは最狂で最響で最強!

















