神はサイコロを振らない Hall Tour 2025 "Lovey Dovey City”
2025年9月5日(金) Kanadevia Hall (TOKYO DOME CITY HALL)
2月11日に、初の日本武道館を成功に終わらせ、6月9日に結成10周年、7月17日にデビュー5周年を迎え、6月13日(金)サンシティ越谷市民ホール 大ホールから始まった、9都市10公演のホールツアー『神はサイコロを振らない Hall Tour 2025 “Lovey Dovey City”』。そのセミファイナルにあたる、8都市目・8&9公演目が、この2本である。
以下、その9公演目=9月5日(金)のレポだが、これを書いている時点で、ファイナルの公演=9月13日(土) 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場は、まだ行われていない。
なので、ネタバレを気にされる方は、ここから先は読まないよう、お願いいたします。
※以下、セットリストや演出のネタバレの記載がありますのでご了承ください。
とはいえ、このDI:GA ONLINEでは、初日=6月13日(金)サンシティ越谷市民ホール 大ホールのレポも、「ネタバレありにつきお気をつけください」な内容で、アップされているのだった。
こちらです。≫ 神はサイコロを振らない、「音楽でみんなとイチャつきたい」――アニバーサリーイヤーの愛と感謝を届ける、ホールツアー初日をレポート(セットリスト掲載あり)
なので、普通に書いていくと、内容がそのレポとかぶってしまう。
たとえば、4月18日にリリースされた「Lovey Dovey」のMVで、メンバーが乗ったオープンカーが最後に到着するダイナーを模した、ステージ・セットが組まれていることとか。
一回目のMCをはさんでの4曲は、これまで音源化されていなかった「Smoke」を含む、今年リリースしてきた「Reproduce」楽曲(過去の未配信曲を改めてプロデュースしたもの)が、固めて演奏されるブロックになっていることとか。
その次のブロックの8曲目「タイムファクター」からは、サポート・キーボードのDevin Kinoshitaが加わる、とか(昨年11月に行ったビルボードライブの時に依頼したら、とても良かったのでこのツアーにも参加してもらった、と柳田周作が紹介した)。
13曲目の「巡る巡る」まで終わったところで、柳田周作が光る刀を振り回してメンバーをひとりずつ斬る→ピストルを持った警官に追われて逃走→ステージセットの最上段に現れて「ちょっとだけかゆい」をヘッドセットマイク&ダンス付きで歌う→下りて来たところで警官に撃たれてこと切れる──というコーナーがくり広げられる、とか。
というあたりは、いずれも、基本的に、初日と同じ構成だった(初日は、吉田がステージのセンターまで連れて来られて襲撃を受けるという形だったが、この日は3人とも順番に光る刀で切られた、というような、ディテールの変化はあったが)。そりゃあそうですよね。同じツアーなんだから。
ただ、初日と違ったところもあった。たとえば、セットリスト。中盤の2曲が「スピリタス・レイク」と「遺言状」だったのが「タイムファクター」と「六畳の電波塔」になったり、初日では3曲目に披露された「巡る巡る」が13曲目に移動したり、というふうに、いろいろ変わっていた。
さて。ここまで書いたことの内容によって、以前からこのバンドのライブを観ている方なら読み取れると思うが、神サイにとって、初めてのことが多いツアーだった。
で、本人たちがそうしたかったから、そのような「初めて」をいくつも導入したことが、伝わってくるツアーでもあった。
たとえば、ステージセットを組んだのも、神サイにとっては、初の試みだろう。前述の寸劇コーナーも、言うまでもなくそうだ。
巨大な白いクロスがふわふわと舞ったり、ものすごい量のレーザー光線が飛び交ったり、ステージ後方が4枚の巨大なLEDパネルになっていて、そこにバキバキのグラフィックや歌詞が映し出されたり──というような演出があるのが、大会場でワンマンをやるようになって以降の、神サイのステージだった。
で、それらの演出は、メンバーの発案ではなかった。と、言い切れるのは、「巨大白クロス&レーザー光線」があった2021年5月30日のZepp Tokyoの時、MCで、「現場に来るまで知らなかった。すごくない?」と、柳田周作が言っていたからだ。要は、スタッフが考えて、やってくれていた、ということですね。
で、そのような、先鋭的でかっこいい演出ありのライブを続けてきた、ということは、本人たち的にもそれがOKだった、ということだろうが、2025年2月11日の日本武道館で、その方向でのステージは、いったんやりきった。もっと違うことも試したいし、新しい表現のしかたにも挑みたい。というのが、今回のツアーだったのではないか、と思う。
で、その新しい表現のしかたが、「さらに先鋭的な」とか「さらにラジカルな」方向ではなくて、さらに親しみやすくて、さらに人肌で、さらに聴き手との距離が近い、言わば「圧倒する」というより「同じ時間を、同じ場を共有する」ものになっている、そんな方向にも進むことができる、というのは、とても正解なのではないか。10周年で5周年で、初の日本武道館ワンマンを成功させた後に、神サイが進む道としては。
そう感じた、このツアーを観て。
セットを組んだりして、神サイにしてはポップな感じでやっていることに対して、ツアーを回っている間に、なんでこんなポップなセットでライブをやるのか、と、めちゃ言われた。むかつくぐらい言われた。ちゃんと理由あるんだって!
と、後半のMCで柳田周作はこぼしていたが、大丈夫ですよ、そう言ってきたほんの一部の人以外は、観た人みんな感じ取ってくれていると思いますよ、その理由を。
と、伝えたくなった。で、次のツアーも、よりいっそう、楽しみになった。
SET LIST
01.Lovey Dovey
02.1on1
03.揺らめいて候
04.Smoke
05.煌々と輝く
06.秋明菊
07.アーティスト
08.タイムファクター
09.六畳の電波塔
10.目蓋
11.スケッチ
12.What's a Pop?
13.巡る巡る
14.ちょっとだけかゆい
15.桃色の絶対領域
16.告白
17.夜間飛行
18.Baby Baby
19.LOVE












