Photo by 三浦大輝
CANNONBALL
2025年8月10日(日)11日(月祝)さいたまスーパーアリーナ
【8月10日出演(五十音順)】クリープハイプ / Saucy Dog / SixTONES / sumika / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / 04 Limited Sazabys / マカロニえんぴつ / マキシマム ザ ホルモン / 緑黄色社会
ヘッドライナー級のアーティストがずらりと並んだ、この新しい夏の屋内フェスは、アリーナスタンディング/スタンドS指定席/スタンドSS指定席/注釈付スタンドS指定席の4種類のチケットを販売し、初日は完売、両日で50,000人が参加した。各地でフェスが開催されている、8月の第二週末の新しいフェスとは思えぬほどの、多くのオーディエンスが集まった。
なお、このフェスには、アリーナの最前エリアの参加者2,000人の、全アクトごとの入替制(事前申込で整理券を発行する)が導入された。
以下、その1日目のレポをお届けする。
朝10:30からのトップバッターが、いきなりマカロニえんぴつ。という事実からも、ラインナップの豪華さがわかると思う。
このフェスの主催のひとりである鹿野淳が挨拶し、マカロニえんぴつを呼び込むと、いきなりステージ前方の左右いっぱいに炎の柱が上がり、入道雲、海、山、ひまわり、滝などの夏の風景が矢継ぎ早に映し出され、最後に花火が打ち上がって、そこに名前が現れる──という、このオープニングの演出は、全アクト共通だった。
そのマカロニえんぴつは、「ハートロッカー」と「レモンパイ」と、人気曲の連打でスタート。その2曲を歌い終えたはっとりは、「CANNONBALL、第一回目の、めでたい初開催の日のトッパー。これはありがたいですよね。ただ、『2025』とは書いてなかったから、来年どうなるかわからないね」と軽くいじりを入れ、「みなさんの盛り上がり次第じゃない?」と参加者をあおる。
中盤の「なんでもないよ、」ではサビをオーディエンスに預けて、その歌声に耳を傾けるはっとり。後半では「歌える?」「もうちょっと出るんじゃない?」とアジテーションし、どんどん大きくなるシンガロングに「いい感じ!」と喜ぶ。
「じゃあ次、もっと一緒に大きい声で歌えるんじゃない?歌いてえだろ?」と、「洗濯機と君とラヂオ」でさらに大ボリュームのシンガロングを引き起こした上で、炎とレーザーが飛び交う「星が泳ぐ」を経て、ラストは、最新曲の「静かな海」で締めくくった。
01.ハートロッカー
02.レモンパイ
03.リンジュー・ラヴ
04.恋人ごっこ
05.なんでもないよ、
06.洗濯機と君とラヂオ
07.星が泳ぐ
08.静かな海
二番手は、「Mela!」の最初のアカペラ部分を、長屋晴子が「今日このCANNONBALLのヒーローになりたいの」と歌ってスタートした緑黄色社会。同曲の「La la la, la la la」のところで、「歌える?」とシンガロングを求めたり、「今日は室内なんだけど、暑いじゃん?恒例にしてることがあるんだけど──」とみんなに乾杯を呼びかけてから「サマータイムシンデレラ」に入ったり、常に全力でオーディエンスを巻き込んでいく。
本番の前に、このフェスのスタッフが挨拶に来た、「初めてなので緊張している」と言っていたが、その緊張が、ワクワクしているような感じで、こっちも楽しくなってきた──というMCを経てのラスト2曲は「恥ずかしいか青春は」と「花になって」。ステージの前は火柱、後ろは3面巨大サイズのLED画面に花火や花が映し出される、という、スケールが大きくて華やかな演出が、この2曲と見事にハマっていた。
01.Mela!
02.illusion
03.サマータイムシンデレラ
04.つづく
05.PLAYER 1
06.恥ずかしいか⻘春は
07.花になって
「CANNONBALL初開催、まぜてくれてありがとう!予算がえぐい!オープニングであんなどっかんどっかん火が出るの、初めて見ました。マカロニ(えんぴつ)から炎が出てたの?リョクシャカちゃんも?焼き野菜じゃん」
と、うまいこと言って笑いを取った、三番手=04 Limited SazabysのGENは、そのあとも「LEDでかい!レーザーもすごい色が変わる。これが日テレの予算か」などと、演出の豪華さに触れる。
「days」から「Finder」までにたて続けに4曲やってオーディエンスを沸騰させ、MCで笑わせ、最新EP『MOON』収録のJUDY AND MARYのカバー「mottö」から始まる3曲でまた沸騰させ、MCでまた笑わせ──と思ったら、今年は戦後80年であることや、先日参院選があったことにも、さらっと言葉にしたりする。
ラストは『MOON』からの「magnet」で、もう一度オーディエンスに火を付けて終了。ものすごい体感速度の9曲・35分だった。
04 Limited Sazabys Photo by 三浦大輝
04 Limited Sazabys Photo by 三浦大輝
01.days
02.monolith
03.knife
04.Finder
05.mottö
06.Galapagos
07.midnight cruising
08.Keep going
09.magnet
10.Remember
続くSaucy Dogは、地元にいた頃の恋の終わりを描いた、初期の名曲「いつか」でスタート。
LED画面を消し、照明は白一色。先ほども書いたような、オープニング演出のど派手さと真逆のシンプルさである。その効果か、石原慎也の歌とバンド・サウンドが、よりクリアに、より強く、よりまっすぐに、こちらに届いてくるように感じる。
「優しさに溢れた世界で」の後半でボーカルをオーディエンスに託し、「雷に打たれて」でも大きなシンガロングを引き出す石原慎也。「歌えるかー!口パクでもいいんだよ!」と叫んだラストの「Be yourself」まで、その姿勢は一貫していて変わることがなかった。
フェスのまんなかに、ライブのまんなかに、自分たちではなくオーディエンスが立つようにする。それを「意識して」ではなく「自然に、あたりまえに」やっている。Saucy Dogがそういうバンドであることを表している7曲だった、と感じた。
01.いつか
02.優しさに溢れた世界で
03.雷に打たれて
04.夢みるスーパーマン
05.現在を生きるのだ。
06.スパイス
07.Be yourself
最初にも書いたが、このフェスはアリーナスタンディング/スタンドS指定席/スタンドSS指定席/注釈付スタンドS指定席の4種類のチケットがある。で、スタンドのお客はアリーナに入れないし、アリーナのお客はスタンドで座ることができない(座席指定制なので)。というオペレーションにしたのは、ホール内だけでなくロビーや通路も含めて、できる限り混雑を減らすためなのだ、ということが、会場を見て回ってわかった。
たとえば飲食。スタンディングエリアの人しか利用できない「お休み処」という飲食エリアが設けられている。スタンド席には、200レベル (いわゆる2階/以下同)・400レベルにそれぞれ飲食店が出ていて、400レベルにはテーブル席がある。そして300レベルには、キッズ・ファミリー限定のお休み処も用意されている。
特に「ああ、なるほど!」と思ったのが、500レベル。ホールの外は360度ぐるっと窓&通路になっているのだが、ちっちゃいイスを無料で貸し出すことで、その窓に向いて食事ができるようになっているのだ(写真参照)。めんどくさらずに最上階まで上がれば、チケット完売超満員の屋内フェスとは思えない、のどかでピースな光景が広がっている、という。
同じく、アリーナエリア専用の「お休み処」でも、イスやシートの無料貸出が行われていた。
















