編集部:幸樹さん、威吹さん、初めて観に行ったライブを教えてください。
幸樹
初めてお金を出して行ったのは、西宮球場のTHE YELLOW MONKEYのライブでした。高1くらいの時で、いきなりスタジアム級のライブを観たんです。場内の大きな画面に冷凍室の中で演奏しているメンバー達がトラックで運ばれている映像が映って、“へえ、こういう演出なんだ”と思ったらトラックがステージに“ガーン!”と上がって、そこから映像と同じ服装のメンバーが出てきた。スタジアム・クラスのアーティストの演出の凄さに圧倒されましたね。
──その感覚は、よくわかります。その頃は、もう音楽は始められていたのでしょうか?
幸樹
いえ。当時の僕は野球部で、まだ野球をやっていた頃です。
──そうすると、THE YELLOW MONKEYのライブを観たことが音楽を始めるきっかけの1つになった部分もありますか?
幸樹
いや、僕の場合は圧倒されるとやめたくなるタイプなので。“俺には、できないわ”と思ってしまうんです。今でこそ自分ならやれると思うけど、当時はなかなか……。ましてや、坊主の野球部ですよ(笑)。自分がそっち側に行くなんて思えないですよね。野球部が終わってから「1回ライブしてみぃひん?」と声をかけてくれた人がいなかったら、僕はバンドはやっていなかったかもしれないです。
──誘ってくれた方に感謝ですね。
幸樹
本当に。その彼は、結構早く音楽はやめましたけど(笑)。
──威吹さんはいかがでしょうか?
威吹
僕は高校生の時にPIERROTさんの西武ドーム公演を観たのが初でした。学校でPIERROTが好きな友達がいたんですけど、すごくおとなしい子で、普段全然喋らない子なんですよ。その子と一緒に行ったんですけど、初ライブなので僕はどうしていいか分からないというか、ノリ方が分からなくて観ているだけだったんです。でも、そのおとなしい子が突然豹変して、“ブワァーッ!”となって、“ええっ!”という(笑)。それが、ライブよりも衝撃でした(笑)。
──キテますね(笑)。でも、そういう話を聞くと音楽は人の人生を救っているいることを感じます。
威吹
本当に、そう思います。その子みたいな人は沢山いるんだろうなと思いますね。
──間違いないです。PIERROTのライブ自体は、いかがでしたか?
威吹
初めて生演奏で観たので、やっぱり圧倒されましたね。音源で聴いていたギターの音と違うんだなと思ったし。その頃の僕は音楽を始めたてくらいの時期で、すごく刺激を受けて自分もギターをがんばろうと思いました。
編集部:「圧倒されるとやめたくなる」という幸樹さんの気持ちにアーティスト魂を感じました!威吹さん、それは絶対忘れられない!(笑)衝撃エピソードでした。幸樹さん、威吹さん、ありがとうございました!