5月に2ndシングル「fam!」をリリースして間もないタイミングで制作が始まったんですけど、私がアーティストデビューしてから10周年、ソロデビューして1周年というタイミングでアルバムをリリースできるのは幸せなことだなと思います。
このアルバムの新録曲は2~3週間くらいでレコーディングを終えて、かなりドタバタしてました(笑)。
タイトルを『CONTiNUE』にした理由は、元々アルバムを引っ下げてのツアーがしたいねということもあったので、アルバムとツアーがつながる言葉にしたいなと思いました。またソロ1周年だけではなく、アーティストデビュー10周年でもあったので、今までの10年の間にHoneyWorksと出会ってCHiCO with HoneyWorks(以下、チコハニ)になって、いろいろな方と出会って、たくさんの作品をリリースして、ライブやツアーをやって……という、いろいろな流れを振り返るとRPGみたいだなと。そして私がゲームが好きだからゲームに掛けられたらおもしろいかもというアイデアも受かんできて。チコハニの活動があったからこそ、今のソロ活動があるわけで、まっさらのNEWゲームのスタートではなく、ある程度の経験値を持ったところから始まっているので、「CONTiNUE=続いていく」という意味合いがしっくりくるんじゃないかなと、みんなで決めました。
決めてから「あっ、iが入っている。これは小文字にできるな」と(笑)。
チコハニ時代から現在に至るまでの活動のなかでご縁がある方や憧れてきた方、CHiCOチームで話し合って、「この方の曲はCHiCOの歌声に合うんじゃない?」と提案があったりした中から7組のアーティストさんに楽曲提供をお願いしました。
1st EPの「PORTRAiT」の時、音楽ディレクターの方が「CHiCOさんが今後もライブをしていく上でロック曲は欠かせないと思うんです」と言われて。私自身もソロ活動をしていく中でライブは不可欠なものだと思っていましたが、ソロになってからロック曲が意外となかったことに気付いたので、「ロック曲は絶対にお願いしよう」と。そこで名だたる、かっこいいロックバンドのFLOWさんとSPYAIRさんに、そして違うベクトルでさわやかなロックサウンドをということで、sumikaさんにお願いしました。
ライブそのものを歌うような曲が欲しくて。メッセージ性を強くというよりも、ライブにテーマを置いて、“みんなで楽しもうぜ。この空間を!”という楽曲にしたかったので、「コール&レスポンスができるような曲がいいんです。そしてSPYAIRさんのこの曲のサウンドが好きで」という打ち合わせをして、作詞をMOMIKENさんに、作曲をUZさんにしていただきました。
曲をいただいたら歌詞に英詞が入っていて、チコハニでは全部英詞の曲(「Alive」)はありましたけど、こういう感じで歌ったことはあまりなかった気がしたので、自分の中で新鮮さがありました。そしてSPYAIRさんはお仕事でご一緒する前からいちファンとして好きで。学生の時、カラオケで「サムライハート(Some Like It Hot!!)」をずっと歌っていたくらい(笑)。あのロックさを私も出せたらいいなと思いながら歌いました。
MOMIKENさんとUZさんも立ち合ってくださいました。最初は「まずCHiCOさんの歌いやすいように歌ってください」と言われて歌ってみたら「こういうニュアンスをもらってもいいですか?」とか「試したいことがあるんですけど」など言ってくださって。
「英詞を歌う時に、カタコトで歌うのではなく、自分に酔った感じのロックバンドのノリを出して歌ってください」とか。あと「試してみたいことがあるんですけど、いいですか?」と言ってくださったのは嬉しかったです。「このパターンもいいんですけど、別のパターンも聴いてみたいんです」とたくさん提案してくださったのが印象的でした。しかも私の歌声をお二人がすごくほめてくださって、「歌がうまいから、もっとこれできるんじゃない? と好奇心が沸いてくるのでレコーディング中も楽しかった」とも言ってくださいました。
英詞のところはめちゃめちゃロックな歌い方をしたつもりです。吠えたり、歌い上げたり、腹から声を出す感じで歌っているので。それに加えて、特にDメロはロックバンドにいるボーカルCHiCOをイメージして歌ったので、そこを聴いてほしいです。
バンドの方にも出演していただいて、バンドを背負ってのMVになっています。光と映像で「ピカッ! キラッ!」みたいな(笑)。廃墟の中にプロジェクションマッピングのように映像を投影して、光や映像の演出がある中で、バンド風に撮っていただきました。ラスサビになるとパッと開けていく感じの明暗も注目してもらえたら嬉しいです。
暗がりで映像が投影されるMVは、チコハニ時代に「Marie」で撮影していただいたことはありますが、楽曲もロックですし、歌詞の中に「光」というワードがあったので、ラスサビは1コーラス目や2コーラス目とは打って変わって、すごく照らされてかっこいいので楽しみにしてほしいです。