CHiCO、デビュー10周年記念日からソロ1stツアーがスタート!みんなとの絆を“CONTiNUE”していく新たなストーリーの幕開け

ライブレポート | 2024.08.09 19:00

LAWSON presents CHiCO 1st Zepp tour 2024 "CONTiNUE"
2024年8月6日(火)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)

2014年の8月6日に、CHiCO with HoneyWorks(チコハニ)のボーカルとして音楽活動をスタートさせてから10周年、ソロ活動を始めてから1周年を迎えたCHiCOが先日リリースした1stアルバム『CONTiNUE』を引っ下げて初のツアーを開催。いろいろなお祝いが重なる初日の2024年8月6日、Zepp DiverCity(TOKYO)はスペシャルな内容のライブになった。

ステージには、アルバムジャケットをイメージしたような銀紙に包まれた大きな柱がそびえ立ち、ドラムセットのバスドラムのツアーロゴをピンスポットが照らしている。開演を待つ間、場内に1stアルバムの楽曲が流れていたが、FLOWとのコラボ曲「我物語」が流れ始めると、音量が一段と大きくなり、開演を予感したお客さんが手拍子。そのままラストフレーズの「主役は自分のストーリー」でフルコーラス流れた後、今度はオーバーチュアが。バンドメンバーが続々と入場。そして一瞬、暗転すると軽快なポップナンバーの「Noel」のイントロと共にステージ中段に現れたCHiCOが「『CONTiNUE』へようこそ! 楽しんでいきましょう!」。会場のクラップが刻むリズムにのって弾けるボーカルが初っ端から全開。会場中に光る赤いペンライトもリズムに合わせ上下に揺れ、1サビの「ハイ!」も声を合わせる。ステージ中段を元気よく、ピョンと飛び降りた。ラスサビの「ララララ……♪」は会場全体で声を合わせて。

2曲目にはチコハニの「醜い生き物」が。まさかこんな序盤にチコハニの曲を持ってくるとは予想外のセットリスト! スチールギターとドラムが刻むテンポよいリズムに心地よさそうに歌うCHiCO。間奏のベースソロでは、まるでCHiCO自身も弾いているように大きく腕を何度も回した。2コーラス目の「友達」のフレーズではお客さんを指差してニッコリ、腰を下ろし、ひざ立てポーズで歌うなど、CHiCOらしさも。

最初のMCブロックでは、会場に向かって、「みんな、元気~?」と尋ねると、会場から多くのペンライトやこぶしが上がった。「8月6日はツアー初日! そしてデビュー10周年~!」と叫ぶと大きな拍手と歓声。8月6日の午前0時になるとたくさんのお祝いのSNSポストが届いたそうで、「たくさんのメッセージ本当にありがとう」。

また今回のソロ1周年のタイミングで、1stアルバム『CONTiNUE』を引っ下げての初のツアーについて「CHiCOのライブってどんな感じなんだろうな? どうやって作っていこうかな? の第一歩目ということで、一緒にCHiCOのライブを作り上げていきましょう!」

3曲目の「fam!」では「レコーディングでは笑顔多めで歌った」の言葉通りにさわやかな笑顔と歌声。サビの「もう」のところでは、お客さんのコーラスを、耳に手をあてて聴いている表情も嬉しそう。そしてマイクを持つ手を叩き、「Good!」と言っているような。続いてストリングスの小気味いい音色と共に「I feel the bright blue sky」の歌い出しから始まった「TRUE BLUE SKY」もさわやかな歌声。照明も空のように青く。サビではお客さんのペンライトも下から上へ挙げるように振り、ラストフレーズの「青い空に未来を描いていこう」ではCHiCOも青空に届けというばかりに手を上方へ伸ばした。

「真夜中エスケープ」のイントロが流れると、「一緒にジャンプしましょう!」のCHiCOの声に、お客さんが一斉にピョンピョンとジャンプ。カッコよくキメたなと思ったら曲入りで入り損ねて、すぐにリカバーするも歌いながら両方のこめかみを指で押したり、口に手をあてたり、「やっちまった」という仕草も。こういうオチャメなところもCHiCOらしい。でもパワフルなボーカルを響かせ、歌い終わりはロングトーンでかっこよくバッチリ。でもやっぱり悔しかったらしく「ジャンプに夢中になっていたら入るの忘れました(笑)」。

ステージにはバンドはギターのOmmyだけが残ってアコースティックコーナーへ。最初は「寄り道」で、アコギの音色にのって、フェイクを入れたり、気持ち良さそう。生っぽい歌声のCHiCOも違った雰囲気でいい。学生時代の友達との再会を歌った曲で「私たちも10年という月日を経て、今があるじゃないですか? (デビュー)当時の2014年のことを思い出しながら今、たくさん想い出話とかできたらいいなと思っています。そんな気持ちを込めてお届けしました」。そして「次の曲はみんなが驚きそうな曲だと思います。久しぶりに歌います」とチコハニ時代の曲「color」を歌い始めると客席から喜びの声が湧き上がった。お客さんは頭でリズムをとったり、じっと歌うCHiCOを見つめたり。十人十様だが誰にも大切な曲だということはわかる。ギターのアウトロが終わった瞬間、会場中に大きな拍手。「ゆくゆくはアコースティックのワンマンもやってみたいなという憧れがありまして。いつかやってみたいな、やってみたいな、やってみたいな〜」とステージ袖にいるスタッフにプレッシャーを与えるCHiCO(笑)。

「アコースティックコーナー、これで終了……ではなく、もう1曲お届けします」と話しているところに真っ赤なアコースティックギターが運ばれてきて「弾き語りをします」。拍手の中で「ツア―中にギターを弾くと宣言していたので、満を持して……緊張するなあ」と話すCHiCOにたくさんの「頑張れ!」という激励の声。ファンの前でギターを弾くのは2018年のチコハニの武道館公演ぶりで、「color」をバンドメンバーと一緒に弾いて以来とのこと。「今回、8月6日ということで今日だけ、デビュー曲をお届けします」とチコハニとしてのデビュー曲「世界は恋に落ちている」を弾き始めた。CHiCOとファンを出会わせてくれた曲を弾き語りで歌ってくれる、こんなに嬉しいことはない。1フレーズごと、心に刺さってくる。CHiCOとの歴史が頭の中を駆け巡った人もいるだろう。アウトロを弾き終わった瞬間、拍手喝采。CHiCOは少しホッとしたような表情で「ありがとうございました……緊張したあ!」最初はバンドの中でやろうかという話があったけど、デビューして10周年でソロとしては1周年、アルバムを引っ下げたツアーということで、常に成長したいろいろな歌声をみんなに届けられていると思うけど、歌だけではない違うものもみんなに見てもらいたいなという想いが今年は特に強くて、ぜひ「セカコイ」を弾き語りしたいですと。配信で練習状況を報告していましたが、私の中ではうまくいった弾き語りでした。もっともっといろいろな楽曲を弾いてみんなと楽しめたら」。なおギターの師匠のOmmyいわく「ちょっと感動しちゃった」。

再びバンドメンバーが戻ってきて、折り返し地点に。アコースティックコーナー後に、「皆さん、まだまだ騒ぎ足りないんじゃないんですか? ツアー初日なのでもっと楽しんでいきましょう! 皆さん、Stand up!」と再び立席をうながす。バンド紹介からの流れで歌うのはルーズなロックチューンの「Noise Cancel」。「失敬なその頭を撃ち抜いて」など物騒な歌詞が並ぶ曲をワイルドに歌う姿がかっこいい。次の「Butterfly Night」は、ピアノの音色にのせ、大人っぽい雰囲気で歌うCHiCO、「Goin Goin」は「た、た、た、大変だ」などの歌詞や様々な要素が入り混じったサウンドのボカロっぽい曲、更に人形のような振り付けど、いろいろなCHiCOが見られるゾーンだった。ちなみに「Goin Goin」のサビはジャンプして、「アイロニー」や「シンパシー」は次からはみんなに歌ってほしいというオーダーも。

「ここから怒とうですが、ついてこれますか? 声出せますか?」と問いかけら歌ったのはチコハニ時代の曲「ミスターダーリン」。イントロからCHiCOの声の「せ~の!」に合せて「ハイ! ハイ!」と声と腕が上がり、盛り上がる。続く「ヒカリ証明論」もチコハニの曲。アッパーなサウンドで、「赤い赤い」の歌詞では照明は赤く、「青く青く」では青く包まれる中、ゴリゴリ突き進んでいくように歌う。そして「もっともっと本気見せて!」と
CHiCO楽曲の中でも激しいロックチューン「SURVIVOR」と「インパーフェクト」。CHiCOにはロック曲が似合うと再確認させた曲で、荒々しく動き回るパフォーマンスを見せる。歌うCHiCOの左右にギターとベースもお立ち台にそろいぶみするシーンも。

「『ミスターダーリン』から怒とうの4曲でしたが……(客席前を見て)は~、は~と呼吸する声もしっかり聞こえますね(笑)」。そうさせたのはあなたですから(笑)。「CHiCO曲はコール&レスポンス多めなので、これを機にたくさん覚えて、一緒に歌いましょう!」。

また「チコハニでの初ライブ前の2014年11月のチェルシー主催の渋谷WWWで行なわれたライブに出演したんですけど、来てくれた方はいますか?」と尋ねたところ、会場から手が挙がり、嬉しそうなCHiCO。「まだ『世界は恋に落ちている』と『color』 と、新曲の『アイのシナリオ』を初披露というタイミングで、人生初のライブだったんです。ライブ前にお腹が痛くなったり、かわいい曲でも「オイ! オイ!」とあおり方も知らないところからスタートで。ライブでは何が正解なのかと、バンドと絡むのはどうやればいいのかなど悩んだ日々もあったけど、そんな私を当時からみんなが応援してくれて、いろいろなお友達に紹介して、広めてくれたからこそ10周年をこんな素敵な場所でライブができました。今日は来てくれてありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。

更に「スキルアップのために始めたCHiCOソロも今年で1周年を迎えて、まだまだ未熟なところもあるし、模索しながら突き進んでいるけれど、まだまだやりたいことはたくさんあります。ソロでもやっていきたいし、チコハニが復活したらチコハニでやりたいこともたくさんあるし、歌を辞める気は一切ないので、これからもよろしくお願いします」と続けると温かい拍手が送られた。

「変わらずに今後も歌い続ける気落ちをみんなに届け続けるという意味で、ツアーのタイトルを『CONTiNUE』にしましたが、その意志を次の2曲で届けたいと思います」と紹介して本編最後に歌う2曲は、CHiCOのソロ活動の幕開けとなったデジタル1st「光のありか」と1stシングル「エース」。「光のありか」のBメロでは「オオオオ」の合唱。CHiCOの歌声にお客さんの声が重なっていく様子はまさにCHiCOの音楽活動そのものを表しているようだった。

アンコールならぬ「CONTiNUE」コールに呼ばれて再登場したCHiCOは「Prelude Romance」を歌った。ゴージャス感があり、開放的になっていくオケにのって、伸びやかに。ラスサビの「ラララ♪」の大合唱に、「いいね〜!」とOKサイン。グッズ紹介や軽いトークをしていたところで、バンドのドラムロールと共に、10周年のお祝いのケーキが運ばれてくるサプライズにビックリするCHiCO。ケーキを中心に、バンドメンバーとお客さんと記念撮影した後に、終演まで我慢できずにクリームをぺろり。「元気出た!」と笑顔。

「10年間、私を応援してくれてありがとうございます。そして私を皆さんの人生の一部にしてくれてありがとうございます。これからも音楽で皆さんのそばにいますので、これからも応援してください。そばにいてください」

もちろん最後まで勢いは緩めず、「エンパシア」、「HiGHLiGHT」とアッパーチューンを続けた。「HiGHLiGHT」ではたっぷりのコール&レスポンスで。最後は「みんなでジャンプしよう!」と自身もステージ中段の階段から飛び降りて締めくくった。バンドメンバーを見送った後には、お客さんとたくさんおしゃべり。そして「今度はデビュー10周年を札幌のみんなと共有してきます」と笑顔でステージを後にした。

アーティストデビューした記念日でありつつ、ソロ初のツアー&アルバム名を冠したライブとあって、開演前のBGMの「我物語」を合わせるとアルバムから全曲披露しつつ、チコハニの曲も歌い、更に自身でギター弾き語りもするなど、アニバーサリーにふさわしいライブだった。

「今日はツアーがスタート日で、まだ魅力が詰まったCHiCO曲がたくさんあるんです。次は札幌ですが、いろいろな公演で、ライブを作り上げていって、みんなと大合唱したり、飛び跳ねたり。最高のライブにできることがこれから楽しみです。他の公演も来てくれる人は一緒に楽しみましょう!」の言葉通り、各地でどんなセットリストになるのか、乞うご期待! CHiCOにとって歌手人生の「続き」の始まりがこの日、新たにスタートした。

SET LIST

01.Noel
02.醜い生き物
03.fam!
04.TRUE BLUE SKY
05.真夜中エスケープ
06.寄り道(Acoustic ver.)
07.color(Acoustic ver.)
08.世界は恋に落ちている(CHiCO 弾き語りver.)
09.Noise Cancel
10.Butterfly Night
11.Goin Goin
12.ミスターダーリン
13.ヒカリ証明論
14.SURVIVOR
15.インパーフェクト
16.光のありか
17.エース
ENCORE
18.Prelude Romance
19.エンパシア
20.HiGHLiGHT

各音楽サービスにてセットリストを公開中!
詳細はこちら

公演情報

DISK GARAGE公演

LAWSON presents CHiCO 1st Zepp tour 2024 "CONTiNUE

2024年8月12日(月・祝) 北海道・Zepp Sapporo
2024年8月17日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
2024年8月18日(日) 大阪・Zepp Namba(OSAKA)

2024年8月31日(土) 愛知・Zepp Nagoya
2024年9月16日(月・祝) 神奈川・KT Zepp Yokohama

<チケットのお申し込みはこちら>
≫ ローソンチケット
≫ ぴあ
≫ イープラス

RELEASE

「CONTiNUE」

1st ALBUM

「CONTiNUE」

(MusicRay’n)
2024年7月31日(水)SALE
※初回生産限定盤[CD+BD]/通常盤[CD]

1stAL「CONTiNUE」発売記念リリースイベント詳細決定!
詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。

  • 永井和幸

    取材・文

    永井和幸

  • 撮影

    江藤はんな(SHERPA+)

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