最新作「センチメンタルクライシス」は、いま話題沸騰中のTVアニメ『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』のEDテーマ曲として絶賛オンエア中。
取材場所に現れたhalcaは、頬をなでる春風のようにほんわりとしたかわいらしい存在で、歌声同様、話し声も耳にやさしく、聞き手をキュンとさせるような成分を持った声の持ち主だった。2018年「キミの隣」で本格的にメジャーデビューするまでに費やした時間は、じつに5年。その間のリアルな心情が描かれた「Knockin’ on!!」(「センチメンタルクライシス」のC/Wに収録)の話をするときは、悩んでいた頃を思い出してボロボロと泣き、また同じオーディション出身で同期でもあるCHiCOと出会えた喜びや歌手になることを諦めなかった自分を振り返って話すときは「本当によかった」といって嬉し涙を流す。純粋で、涙もろくて、透明感に満ちたhalcaのピュアさ全開のインタビューが心に響いた読者のみなさんは、3月21日、そして4月27日に2ヶ月連続で東京・青山RizMで開催される1st&2ndワンマンライブに駆けつけて、本物のhalcaと向き合って観てほしい。きっと好きにならずにいられなくなるからー。
はい。よろしくお願いします。
じつはこの曲は、歌詞を書いていただいている宮嶋(淳子)さんとデビュー前のお話をしていたときの内容が歌になってるんです。
私は2013年にオーディションを受けて、準グランプリをいただきました。以来、毎週毎週歌のレッスンをして、年に何回かは<ウタカツ!ミーティング>というライブには出演させていただいていたんですけど、デビューは全然見えないという時期が続いてたんです。家族や先生から「そろそろ現実を見たほうがいいんじゃない?」と言われても、周りの友だちの支えでなんとか頑張ってて。小学生の頃は「Knockin’ on!!」2番の歌詞にもある、“なりたいものはなぁに?”と聞かれたら即答できていたんです。小学校の先生に「願い事や叶えたいことは口に出したほうが叶う」と教えられてたので、それを守って「私は歌手になりたい」とずっと言い続けてたんですけど。でも、デビューする1~2年前は「もう諦めたほうがいいんじゃない?」と周りから言われすぎて、自分でも心のどこかで「そうだよな」って思う部分がでてきて、小学生の頃のように自信を持って「歌手になりたい」って言うことができなくなってたんです。
はい。歌詞にあるように「無理だよ」って実際に言われたこともあって、本当に悔しくて(苦笑)。でもそれが「絶対なってやるぞ」っていうエネルギーになったりもして。だから、小学校の先生の教えを最後まで守って、怖かったけど口に出して「歌手になりたい」と言い続けて本当によかったなと思ってます。
私が一番悩んでいたデビューする1~2年前は、友達にカラオケに誘われても行けなくて、断ってたんです。カラオケではみんな流行ってる曲を歌うじゃないですか?その時期は流行ってる曲を歌うことよりも、部屋で自分が昔歌ってた懐かしい曲を好き勝手に、自由に歌って。“なんか…イヤだな”って思ったときは、昔好きだった歌を部屋で歌うことで元気な気持ちを取り戻してたんです。そのとき歌っていた曲は『きらりん☆レボリューション』の曲でした。歌がいっぱい出てくるアニメだったのであのアニメと漫画が大好きだったんです。
でも、私も悔しい思いをしたし悲しい気持ちにもなったけど、もっともっと辛くて苦しんでも願いが叶わなかったという人もいるので。それに比べたら、私の苦しみなんてちっぽけなことなのかなって思うんですけど。
周り(の声)は気にしちゃダメ。何を言われても自分を信じて欲しいです。
周りは気にしちゃダメっていいながらも、そのなかに支えてくれる人がいたからです。だから、周りのマイナスな意見は聞かない。でも、やさしく親身になって近くにいてくれる人のことは信じて欲しいです。自分が辛いときは、その人に頼る。自分ひとりで抱え込んでいたときもあったけど、頼れるところは頼ったほうがいいと思います。私にとっては、それが同じオーディションでグランプリをとってCHiCO with HoneyWorks(以下、チコハニ)としてデビューしたCHiCOちゃんと、事務所のスタッフさんでした。CHiCOちゃんはすごい引き止めてくれたんです。
「あきらめようかな」って相談はしてました。
でも、そこでひとりで決断をしてしまったら、間違った決断をしてしまうかもしれないから。「あきらめようかな」っていうところまできたら、誰かに相談してみる。あのとき、誰にも相談しないで、勢いで「歌手になることはあきらめます」と言ったら、きっと後々後悔してたと思うんですよね。CHiCOちゃんに助けてもらいました。
いまでも泣き虫のポンコツだけど、強くなれたと思います。ふへへ(泣微笑)。