halca、7周年記念ワンマンで、ライブパフォーマーとしての魅力と観客を引き込む力を存分に発揮

ライブレポート | 2025.07.17 18:00

LAWSON presents halca live 2025 playloud -ROAD TO 777 special-
2025年7月6日(日)新宿 ReNY

シンガーのhalcaが、7月6日(日)に新宿ReNYにて、デビュー7周年を記念したワンマンライブ「LAWSON presents halca live 2025 playloud -ROAD TO 777 special-」を開催した。
2018年5月にTVアニメ「ヲタクに恋は難しい」のEDテーマ「キミの隣」でメジャーデビューを果たし、「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~」や「邪神ちゃんドロップキックX」など、数々のTVアニメの主題歌を担当してきたhalca。自身の誕生日である7月7日の前日に企画された約1年ぶりとなるワンマンライブで、彼女は数多くの国内外のライブイベントに出演して培ってきたライブパフォーマーとしての魅力と観客を引き込む力を存分に発揮してみせた。

オープニングを飾ったのは、TVアニメ「彼女、お借りします」のEDテーマで前山田健一が提供した「告白バンジージャンプ」。キュートな歌声とハードなバンドサウンドが共鳴する楽曲で、歌詞に合わせて笑顔でジャンプを繰り返すhalcaに対し、ジャンプ禁止のライブハウスに集まった観客は拳を突き上げ、「オイ!オイ!」と声を上げて応戦。続く「時としてバイオレンス」ではハイキックを繰り出しながらスピード感を上げていくhalcaの熱いパフォーマンスによって観客のテンションが一気に上がっていった。

「7周年です。バンザーイ!」と会場が一体となってダブルアニバーサリーを祝い、「盛り上がる準備はできてますか?」と呼びかけたあと、ポップロック「瞬間最大風速」では<MOMENT>のコール&レスポンスが沸き起こり、文字通りに、“今、この瞬間”を観客と共有。ミラーボールが回ったファンクナンバー「ほんとしょーがない」ではステージ上を所狭しと歩きながらオールドスクール風のラップも披露し、再びシンガロングが巻き起こった「IN THE BRAIN」ではチャーミングなフリを見せていたが、抜けのいいハイトーンにハッとさせられるシーンもあり、halcaの多彩なボーカル表現を体感することができた。

ライブ前半で最も心に残ったのは、コレサワとの直接的な交流から生まれた「君だけ」と、作詞家の宮嶋から「halcaちゃんが普段思ってることを歌詞に入れたい」という要望から生まれた「うそじゃないよ」という、久しぶりの歌唱となった2曲だった。halca自身の恋愛観、心の奥底にある本音が反映された楽曲に対して、彼女はリアルな感情を刻み込むように心を込めて歌唱。その思いがダイレクトにのった歌声には胸を打つものがあり、7年目を迎えたシンガーとしてのポテンシャルがはっきりと伝わってきた。

その後のMCでは、7周年記念ライブのセットリストを考える際に「普段、自分が思ってることや心の動きを汲み取って、自分で相談して、こんな気持ちを伝えたいなという思いで組んだ」ことを明かした。そして、「この春は変化がたくさんありました。ずっとお世話になっていたスタッフさんとの寂しい別れもあれば、新しい仲間との嬉しい出会いもあったんですけど、信じていれば、ずっと元気でいれば、そんな大好きな人ともまた巡り合うことができるんじゃないかなと思います」という言葉から「朽葉色の音」へ。青春の煌めきと儚さで揺れる恋心を爽やかに歌いきった切ないラブソングで物語の世界にグッと引き込むと、クラシカルで美しいピアノの調べを挟み、代表曲「センチメンタルクライシス」では<キミと私>と歌いながらオーディエンスだけでなく、バンドメンバーともしっかりと目を合わせて距離を縮めると、自身が作詞した「weather through」ではずっと応援してくれているファンに向けた手紙を読み上げるように歌って会場全体に幸せなムードが広がっていった。

ここで改めてスタッフやファンに対して感謝の気持ちを伝えた彼女は、「いつか大事な人たちとの思い出を形に残したい。曲にしたいと思ってました」と語り、高校のシネフォト部(映画部+写真部)を舞台にしたTVアニメ「mono」のEDテーマ「ウィークエンドロール」を披露。アコギが刻むビートに手拍子が起こり、<シャララ>という穏やかなシンガロングも発生。そして、カントリーテイストで明るく朗らかな雰囲気に包まれた「Good Luck Waker」を経て、「後半戦、いける?」という言葉とともに打ち鳴らされたのは、頭を振りたくなるくらい激しいロックナンバー「Distortionary」。さらに、北澤ゆうほによるポップロック「BUZZER BEATER」で観客が一斉に手を挙げると、「キミがいたしるし」では<強くなる>と宣言するように観客に拳を見せてパフォーマンス。ここで、「頑張って活動を続けて、みんなと会える場所を作っていくので、これからも応援よろしくお願いします」と声をあげ、ラストスパートへ突入。手拍子と合唱で盛り上がった「恋愛ミリフィルム」から一人一人と目を合わせるように歌った「TTL」、バンドメンバーが躍動した「A・WA・WA・WA」とアップチューンを続け、ライブはクライマックスへ。本編ラストはアニメ「Engage Kiss」のOPテーマ「誰彼スクランブル」。パンクバンドのライブのような熱狂の渦の中で楽曲を共有し、圧倒的な解放感と心地よい一体感を生み出した。

アンコールでは、サプライズでステージに誕生日ケーキが登場し、フロアには観客有志による弾幕が掲げられた。「7年目だからなんとなく想像はしてたけど……びっくりした。あざーす!」と笑顔でお礼を伝えると、インディーズ時代の2017年にリリースされたkzによるクールなエレクトロ「Hail to the world!!」を弾力性たっぷりにパフォーマンス。ここで、オフィシャルファンクラブとYouTubeのバラエティチャンネルがリニューアルしたことを報告。たくさんのお知らせをした後、「いつもなに言ってるかわかんないし、みんなになんなのよって思わせてるかもしれない。でも、伝えたいことがここ(ハート)にいっぱいあって、それを言葉にすることが難しい!だから、私は歌手になった!!」と絶叫すると、会場からはこの日、一番大きな拍手が送られた。そして、最後にデビュー曲「キミの隣」を最高の笑顔とともに観客に届けて、ライブはエンディングを迎えた。メジャーデビューからは7年だが、2013年にオーディションに合格してからデビューまでの5年間の日々も決して無駄ではなかったことをライブパフォーマンスを通して示したステージだった。

SET LIST

01.告白バンジージャンプ
02.時としてバイオレンス
03.瞬間最大風速
04.ほんとしょーがない
05.IN THE BRAIN
06.君だけ
07.うそじゃないよ
08.朽葉色の音
09.センチメンタルクライシス
10.weather through
11.ウィークエンドロール
12.Good Luck Waker
13.Distortionary
14.BUZZER BEATER
15.キミがいたしるし
16.恋愛ミリフィルム
17.TTL
18.A・WA・WA・WA
19.誰彼スクランブル

ENCORE
20.Hail to the world!!
21.キミの隣

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