
──実はDI:GA ONLINEが今年、10周年を迎えまして。
森&HIKKAおめでとうございます。
──ありがとうございます。アーティストの皆さんに10年を振り返っていただくようなお話を聞かせていただきたいなと思ってます。ちなみに森さんはちょうど10年前の 2016年にインタビューさせていただいていて。つまり、4枚目のアルバム『Music Diner』から10年経ったっていうことになります。
森え? 本当ですか? 時の流れが速すぎますね。そうですか……。
──どんな10年でしたか?
森いや、今、もう10年経ってたことにびっくりしすぎて混乱してますけど(笑)、自分の中で少し考え方を変えた10年間だったなと思います。それまでは、曲を作って歌うっていうことに軸足を置く意識でやってきてたのを、もっと外に踏み出してみたいなと思った10年ではありましたね。
──楽曲提供やプロデュース、ライブサポートに加えて、2017年からは舞台音楽も手掛けてます。
森いろいろやってみた結果、遊びに来てくれる人がいるならやっぱり歌を歌いたいなっていう。そこに、10年かけて戻ってきての今回のライブっていう風にも言えると思います。気まぐれで申し訳ないなと思いつつ、好きなことをやってきた10年だなとは思ってます。
──HIKKAさんは?
HIKKA私は10年前の自分からは想像してなかったことが本当にたくさん起こった期間だったので、私にとっては濃く長く感じますね。ちょうど10年前が、動画を投稿し始めた頃なんですよ。その頃は学生だったし、純粋にただ歌を歌ってて。自分がプロとしてみんなに聴かせる、世界に通用するシンガーになりたいとか思ってたわけではなかった。純粋に歌ってた頃の自分が、今の自分を見たらびっくりするだろうなって思うんですよね。いろんなことがあった10年ではあるので、体感としてはすごく長いんですけど、長いようで短くもある。でも、その期間があるから、今の自分がいるんだろうなっていうのは思いますね。
──今の答えと少し重なってしまう部分もありますが、10年前と現在の自分で変わったところと変わらないところはどんなところですか?
HIKKAいい意味で変わったことというよりも、10年前の自分をもう一回思い出したいなって思うようなことがあって。学生の頃の自分って、本当に失敗を恐れてなかったなって思うんですよ。何かをやりたいって決めたら——例えば海外に行きたいと思った時に、金銭面的に行けないってなっても、絶対に行きたいって諦めなかった。英語弁論大会で一位を取れば行けるっていうことがわかって、そこで、失敗したらどうしようという考えにもならなくて。とにかく海外に行きたいっていう思いだけで英語弁論大会に出た自分を思い出した時に、この10年間ですごく得たものもあるけど、いろんな正解とか、これが正しいかもって思うものを身にまといすぎて、挑戦する一歩がなかなか出せなくなっちゃってる自分もいるなっていうことに気づいて。
──知識や経験が増えた分、少し慎重に臆病になる部分はありますよね。
HIKKAもちろん、得たものもあると思うんですけど、挑戦し続ける感覚は、10年前の私よりも、もしかしたらなくなっちゃってるかもなって思う。それこそ、最近出した「Change」はまさにそういうことを歌ってて。自分が自分の人生の舵を取って挑戦していきたいっていう曲なんですけど、10年前の自分は今よりものすごく大胆で、何にも恐れずに挑戦してたなっていうのを思い出したりしましたね。
森HIKKAにそれを言われたら自分がすごく幼く感じてしまうんですけど。成長してないような気がしちゃった。
HIKKAあはははは。
森ただ、今の話を聞きながら思ったのは、仕事の種類の変化によって、この10年で僕は人と会うことが増えたんですね。それまでは今のHIKKAみたいに、アーティストとしてフロントに立って、周りに自分の意思を示して、自分の進むべき道を突き進んでいく意識がより強かったんです。それ故に、あんまり周りが見えてなかったっていうことにも気づきだして。ここ10年で、いろんなチームに入って、いろんなプロジェクトを進めるっていうような経験をしたときに、自分を頼りにしてくれることや、ふとした時に自分を思い出してくれること、人の気持ちみたいなところにありがたいな、感謝だなっていうのを感じるようになって。だからこそ、ライブをしたいっていうのもあったんですよね。ライブしなくなってからだいぶ時間が経っちゃったのに、それでも「早くワンマンやってよ」って、同じトーンで言い続けてきてくれる人がいるありがたさも感じてて。だから、鼻につく答えですけど、変わったのは、人のありがたさをより感じるようになったことかな。
──あははは。鼻につかないですよ。大事なことですから。
森いいこと言ったみたいな感じにし過ぎましたけど、本心ですね、それが。
──ここから10年後の自分はどうありたいですか? どんな未来像をイメージしてますか。
森どうだろうな?
HIKKA心からの笑顔が溢れている日々でいたいですね。今がそうじゃないってわけじゃないんですが、やっぱり自分が幸せでいることっていうのは一番軸にしたい。そのためにも自分が全力で何かに挑戦することっていうのは自分の中でマストだなと思ってて。たとえ失敗しても、その分、たくさん得られるものもあると思うので、挑戦を全力でして、いっぱい失敗もして、そういう日々を楽しんでいけたらいいなと思います。なので、10年後の未来の自分も全力で何かに挑戦し続けていたらいいなっていうのは思います。
──なんだか、うずうずしてますね、HIKKA さん。
森エネルギーが溢れまくってるよね。だから、思いもよらないステージパフォーマンスになるかもしれません(笑)。ただ、マジで一緒なんですよね、HIKKA と思うことが。今、やってないことをやってる 10年後でありたいっていう。年齢的にももうベテランって言われるぐらいの歳にはなるんですけど、自分でそれをあんまり良しとしたくはないなって思います。「あの人、いまだにあんなことやってんの?」ぐらいの感じでちょうどいいかなぐらい(笑)。それが音楽を生業にした特権かなとも思いますし、年相応でいたいなと思いますね。
HIKKA今の言葉を聞いて鳥肌が立ちました。
森思わぬところで刺さってくれて良かったです(笑)。
──NHK「みんなのうた」に起用された「はじめまして、浦島です。」もユニークな曲でした。
森まさにそんなテーマなんですよね。人生の曲線が右肩下がりじゃなく、上がっていてほしいっていう気持ち。コミカルな歌ではありますけど、あれも偽らざる本音というか、理想ですね。HIKKAの最新曲「Change」共々、ぜひお聴きください!









