森大輔、HIKKA&久保田利伸ツアーメンバーとともに約8年ぶりとなるワンマンライブを開催!親密な空気感の中で音楽を楽しんだ夜

ライブレポート | 2026.04.15 18:30

森大輔 The LIVE with Band feat. HIKKA
2026年4月1日(水)duo MUSIC EXCHANGE
【Musicians】Chris Coleman(Dr) / Gakushi(Key) / オオニシユウスケ(Gt) / 森多聞(Ba)

シンガーソングライターの森大輔がワンマンライブ「森大輔 The LIVE with Band feat. HIKKA」を4月1日(水)に東京・duo MUSIC EXCHANGEで行った。

近年は他アーティストへの楽曲提供やプロデュース、鍵盤奏者としてのライブのサポートに加えて、舞台やミュージカルの音楽制作に注力していた森大輔。ソロのシンガーソングライターとしてのワンマンライブは、なんと2017年7月29日に東京・shibuya WWW、8月4日に大阪・umeda TRADで開催された「森の音楽会 第十回〜D列車で行こう〜」以来、実に8年8ヶ月ぶり!! さらに、本公演は、久保田利伸の40周年を記念した全国アリーナツアー「Big up! “Supreme”」に森とともに参加しているChris Coleman(Dr)、Gakushi(Key)、オオニシユウスケ(Gt)、森多聞(Ba)からなる“with Band”に、コーラスとして、事務所の後輩であるシンガーのHIKKAを加えたスペシャルなバンド編成でのライブにもなっていた。この情報だけを聞くと、期待が膨らみすぎて現場に緊張感が漂いそうなものだが、開演直前には、気心の知れたミュージシャン仲間が集った楽屋から大きな笑い声が漏れ聞こえ、観客からは拍手が起こるという場面もあり、場内は音楽を楽しむには最適な親密でリラックしたムードで包み込まれていた。

オープニングを飾ったのは、未発表のフュージョンナンバー「No Limits!」。森がフロアの響きを確かめるようにキーボードを弾き始めると、そこにベースとドラムが加わり、HIKKAが歌う<There’s no border! There’s no Limits! We go the Limit!>というライブの始まりにふさわしいコーラスとともに、高揚感に溢れたバンドサウンドが広がっていった。観客からは自然とクラップが沸き起こる中で、あなたの中にある美しさを忘れないで欲しいというメッセージを込めた「Beauty is yours」、満面の笑顔で高らかに愛を歌い上げる「愛の言葉」を披露。グルーヴを湛えたヴォーカルと軽やかでタイトなバンドサウンドにオーディエンスはゆったりと体を揺らし、久しぶりの森のステージをしっかりと楽しんでいた。

「今日は僕がやりたかった8年間の思いをたっぷりと曲に込め、たくさん話もしますので(笑)、最後まで楽しんでいってください」と話したあと、「ちょっと雰囲気を変えまして。1stアルバムに入っていた曲ですが、この編成でやるとまたスペシャルなものになるだろうなと思います」という言葉から、90’s R&Bのムードが漂う切ないバラード「一度だけ」へ。さらに、パーカッシブなアコギと二人だけのミニマムな編成で歌声を届けた「フルムーン」、森とHIKKAの歌声が、まるでデュエットソングのように有機的に絡み合った「Night Aquarium」と、枯葉や海、月と心象風景が重なる曲を続け、森の奥深いヴォーカル表現を堪能できるパートとなった。

ヴォーカリストからソングライターへ。ここからは、森の音楽の多様性に触れるともに、ワンマンライブを行ってこなかった8年間を振り返るような時間が設けられた。新体制になったKing & Princeの髙橋海人にヒアリングしながら作ったというR&Bナンバー「Pain」では、コーラスワークもしっかりと構築されたサウンドの中で大人の恋の痛みを表現。舞台音楽と主題歌を担当した檀れい主演の舞台「恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より~」の主題歌「恋、燃ゆる」(氷川きよし)では、男性目線の歌詞を森が、女性目線の歌詞をHIKKAが歌うことで、お互いが思い合いながらも実らないというやるせなさを倍増させた。胸がギュッと締め付けられる思いを届けると、この曲の途中でHIKKAがセンターに移動。森が提供したHIKKAのオリジナル曲「My friend」では、森の伴奏でHIKKAが伸びやかな歌声を響かせ、離れ離れになってしまった友達とずっといたかったという、痛みにも似た感情を丁寧に紡いでいった。

そして、「フルバンドで歌ったのは人生で初めてで幸せです」と喜びを語ったHIKKAが、「森さんのリアルな女性目線の歌詞が素敵だなと思っています。どうしても歌いたい曲があります」と続け、森が双子姉妹によるR&Bユニット・TWILL(トゥワイル)に提供し自身もセルフカバーをしている「close to you」をカバー。森の伴奏のみで楽曲の世界観にグッと入り込み、1つ1つのフレーズに生々しいエモーションをしっかりと込めていった。さらに、HIKKAの最新シングル「Change」では、バンドがファンキーなディスコサウンドを繰り出して、ライブハウスをクラブへと変貌。3曲ぶりに森がヴォーカルに戻った「日食」ではオルタナティヴR&Bのような音像とメロウなグルーヴで妖艶にも感じるファルセットを聴かせ、ベースが唸るスリリングでセクシーなソウルナンバー「Realize?」では、久保田利伸に「トークボックスをうまく吹ける日本でたった二人のうちの一人」と称されたGakushiがトークボックスを繰り出して、フロアを大いに盛り上げた。

「久しぶりにやった曲でこんなに盛り上がるとは感無量です。歌詞の内容はロクでもないんですけどね」と観客を笑わせた森は、この数年間を振り返りながら、NHK Eテレの子供番組「おかあさんといっしょ」に関わったことにも触れ、「パンはパンでも!?」を即興で演奏。リハーサルでも触ってなかったそうだが、バンドは「Aフラットの4小節ループ」という言葉だけで完璧にプレイし、観客からも大きなクラップが上がった。そして、「子供番組だからといってわかりやすいアレンジにするのではなく、僕自身がカッコいいと思う音楽の良さを子供にも伝えたいと思って書いた、結構、気に入ってる曲なんです」と語ったあと、「おじいちゃんになったあとを想像して、大人が本気で音遊び、歌詞遊びをした曲です」という言葉に続いたのが、昨年、NHK「みんなのうた」に書き下ろした「はじめまして、浦島です。」。童謡の「浦島太郎」をフィーチャーした楽曲で観客とのコール&レスポンスも発生し、フロアには心地の良い一体感が生まれた。ライブはそのままシームレスで果てしない海へと誘う「Our Song」、この日のスペシャルアレンジとなった「Lovin’ You」と濃密なグルーヴのラブソングを立て続けに演奏して観客の体を揺らし、フロアをハッピーなムードに包み込んでエンディングを迎えた。

アンコールでは、バンドメンバーのソロ回しで大きく盛り上がった「on & on & on」で、「Beautiful is yours」と同じく、一人一人のあなたの中に“美しさ”はあるんだというメッセージを届けた。そして、「大好きなメンバーとライブをやれることに喜びを感じていたんですけど、日にちが近づくについて心配や不安に変わっていきまして。これだけのメンバーと一緒にやって下手こけないな、と。でも、それさえも変化していって、今日は感謝の日だなと思ってステージに立ってます」と語り、一緒にステージに立って音を奏でたメンバーやスタッフ、ファンに対する感謝を伝えた。ライブの最後には「原点のスタイル」であるキーボードの弾き語りで「ただ ただ」を一人で歌唱。あなたに出会えて良かったという思い、これらからも長い道のりをともに歩んでいきたいという願いを込めた歌声からは、ボーカリストとして、ライブパフォーマーとしての魅力がダイレクトに伝わってきた。メロディメイカー、作詞家、キーボーディスト、アレンジャー、プロデューサーといずれにしても高い才能を発揮してることに異論はないが、森大輔の生の歌声をライブでもっと定期的に聞きたい! と再確認させられるライブだった。

森大輔 feat. HIKKA@ duo MUSIC EXCHANGE【この春始めたいことは?】

SET LIST

01. No Limits!
02. Beauty is yours
03. 愛の言葉
04. 一度だけ
05. フルムーン
06. Night Aquarium
07. Pain
08. 恋、燃ゆる
09. My friend
10. close to you
11. Change
12. 日食
13. Realize?
14. はじめまして、浦島です。
15. Our Song
16. Lovin’ You
ENCORE
01. on & on & on
02. ただ ただ

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