日本の音楽シーンを牽引するアーティスト、ASKAが、自身の音楽のターニングポイントとなった、世界屈指の音楽プロデューサーでありソングライター、デイヴィッド・フォスターの楽曲との出会いについて語り、受けた影響を明かす。番組では2023年にASKAとデイヴィッド・フォスターが共演したコンサートのリハーサルや舞台裏に密着。カメラはこの場でしか見られない特別な音楽、特別なステージが生まれる瞬間を捉えた。
また、2024年1月17日(水)にはASKA featuring DAVID FOSTER公演を収録した映像作品『ASKA featuring DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023』Blu-rayのリリースも決定している。
このBlu-rayは、『ASKA featuring DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023』の模様を、余すところなく収録したものである。今回の共演は、ASKAが多大な影響を受けたデイヴィッド・フォスターに対し、彼が直接、想いを伝えたことで実現した。音楽家にはそれぞれの流儀があり、共演というのは難しいことでもあるのだが、これは非常に成功した例だ。
世紀の共演、とはいえ、ステージに現れたASKAはリラックスした口調で客席に挨拶する。やおら歌い始めたのが、シンフォニックな包容力を加味した『SAY YES』。さらに『共謀者』といった、ここ最近のエッジが効いた音楽性も忘れない。『はじまりはいつも雨』は繊細かつ雄大。この楽曲のこれまでのベストの歌唱といっていい。そんな6曲が演奏され、いよいよデイヴィッド・フォスターの登場となる。
このポップス界の世界的レジェンドが中央のピアノに収まると、別の磁場がステージを覆う。最初の共演は『You Raise Me Up』。天晴れな英語で歌い切るASKAの姿を観た瞬間、この夜のライブへの期待が、もう一段ギアをあげる。
ここからは暫し、デイヴィッド・フォスターが日本でもおなじみの代表曲を披露していく。その際、彼自身が書いたスコアをASKAバンドとGet The Classics Stringsの面々が演奏するのだが、あとで本人からお褒めの言葉を頂くほどの名演となる。甘く切ない映画『St. Elmo’s Fire』のテーマ曲などを、デイヴィッドのピアノとともに楽しむ贅沢さ。まさに眼福、耳福であった。
サプライズで登場したのはASKAの娘さんの宮﨑薫。セリーヌ・ディオンの『To Love You More』を、ご本家に負けないスケールで歌い、やんやの喝采を浴びる。
この夜の白眉は『PRIDE』だろう。歌の真ん中にシカゴの『Hard To Say I'm Sorry』をメドレーにした特別仕様である。ASKAはこの『PRIDE』について、デイヴィッドから影響を受けた作品だと公言している。なので一層、感慨深い数分間であった。
再びASKAがメインのステージとなり、ラストの盛り上がりへ。『晴天を誉めるなら夕暮れを待て』のように、アップテンポでありつつメロディを置いてけぼりにしない作品も彼の真骨頂だ。それは『YAH YAH YAH』にも言えるのである。
再びデイヴィッドが登場してからの『僕のwonderful world』は、ASKAのなかでもジャジーな作風。ポップ・ミュージックの名士二人が、同じステージに立った記念日を祝福するかのように鳴っていた。ここまでくると、影響を与えるとか影響されるとかということを越えていた。家路に着くオーディエンスを、そっと送り出した。
(音楽評論家・小貫信昭)
世紀の共演、とはいえ、ステージに現れたASKAはリラックスした口調で客席に挨拶する。やおら歌い始めたのが、シンフォニックな包容力を加味した『SAY YES』。さらに『共謀者』といった、ここ最近のエッジが効いた音楽性も忘れない。『はじまりはいつも雨』は繊細かつ雄大。この楽曲のこれまでのベストの歌唱といっていい。そんな6曲が演奏され、いよいよデイヴィッド・フォスターの登場となる。
このポップス界の世界的レジェンドが中央のピアノに収まると、別の磁場がステージを覆う。最初の共演は『You Raise Me Up』。天晴れな英語で歌い切るASKAの姿を観た瞬間、この夜のライブへの期待が、もう一段ギアをあげる。
ここからは暫し、デイヴィッド・フォスターが日本でもおなじみの代表曲を披露していく。その際、彼自身が書いたスコアをASKAバンドとGet The Classics Stringsの面々が演奏するのだが、あとで本人からお褒めの言葉を頂くほどの名演となる。甘く切ない映画『St. Elmo’s Fire』のテーマ曲などを、デイヴィッドのピアノとともに楽しむ贅沢さ。まさに眼福、耳福であった。
サプライズで登場したのはASKAの娘さんの宮﨑薫。セリーヌ・ディオンの『To Love You More』を、ご本家に負けないスケールで歌い、やんやの喝采を浴びる。
この夜の白眉は『PRIDE』だろう。歌の真ん中にシカゴの『Hard To Say I'm Sorry』をメドレーにした特別仕様である。ASKAはこの『PRIDE』について、デイヴィッドから影響を受けた作品だと公言している。なので一層、感慨深い数分間であった。
再びASKAがメインのステージとなり、ラストの盛り上がりへ。『晴天を誉めるなら夕暮れを待て』のように、アップテンポでありつつメロディを置いてけぼりにしない作品も彼の真骨頂だ。それは『YAH YAH YAH』にも言えるのである。
再びデイヴィッドが登場してからの『僕のwonderful world』は、ASKAのなかでもジャジーな作風。ポップ・ミュージックの名士二人が、同じステージに立った記念日を祝福するかのように鳴っていた。ここまでくると、影響を与えるとか影響されるとかということを越えていた。家路に着くオーディエンスを、そっと送り出した。
(音楽評論家・小貫信昭)