ASKAの最新ツアーを収録したライブ映像作品『ASKA Premium Concert Tour Wonderful World 2023』が、9月27日(水)にリリースされる。Blu-ray+LIVE CD(2枚)という3枚セットで、収録は5月25日の東京国際フォーラム ホールA。ツアー終了からまもない発売となるのは、「ツアー終了後に最速でリリースしたい」とのASKAの要望があったからだ。旬の歌をフレッシュな状態で届けたいということだろう。
当日のステージでも、“今届けるべき歌を歌う”というASKAの意志と信念を強く感じた。コロナ禍が明けつつある中で、困難を乗り越えてきた人々を、音楽で解き放っていくようなライブとなった。SawanoHiroyuki[nZk]とのコラボレーションが実現した最新曲「地球という名の都」や最新アルバム『Wonderful world』収録曲から初期の名曲・レア曲まで、様々な年代の曲が自在に並ぶ構成で、ソロ35年の流れも見えてくる。展開の見事さに息を飲み、時空を超えてリアルに響く歌の数々に胸が熱くなった。エネルギッシュかつヒューマンな歌声が、観客全員を強く抱きしめていくかのようだった。
今年3月開催となったデイヴィッド・フォスターとの共演ライブの成果も見事に反映。ASKAのルーツも確認できる。ゲストボーカルの宮﨑薫もソウルフルな歌唱を披露した。人と人との絆の強さを感じるライブでもあった。客席との熱き交流、バンドとの絶妙のコンビネーションもASKAのライブの醍醐味だ。音楽とは希望そのものであることも感じた。希望は未来の中だけにあるのではない。過去の中でいつまでも光り輝く希望が存在していることを、ASKAの包容力を備えた温かな歌声が確かに示していた。
ツアータイトルの“Wonderful World”は最新作の題名であると同時に、今回のツアーの本質を象徴する言葉でもあるだろう。世界の素晴らしさを再発見・再認識させてくれるステージでもあったからだ。世界が素晴らしいのは、そう感じられる感性が人間に備わっているからだろう。世界の素晴らしさを察知する感性を活性化してくれるツアーと言えそうだ。世界の素晴らしさ、音楽の素晴らしさを体感できる映像作品になるのは間違いないだろう。必見、必聴、完全限定生産なので、見逃しに要注意。