映画に疎い人でも恋愛映画の金字塔『男と女』のテーマ曲なら、一度は聞いたことがあるだろう。クロード・ルルーシュ監督と作曲家フランシス・レイの黄金タッグによる同作の製作から50周年となるメモリアル・イヤーの今年、デジタル・リマスター版が公開され、関連のイベントが続々開催される。9月6日に、フランス大使館公邸にて、イベント合同記者発表が行われ、ピチカート・ファイヴで知られる野宮真貴がオフィシャル・ソングを熱唱。「『男と女』で女に目覚めた」というオフィシャル・サポーターの夏木マリも登場した。
日本の秋がフランス色に染まる。『女と男』製作50周年記念プロジェクトの目玉になるのは、「クロード・ルルーシュ・イン・コンサート!」。『男と女』デジタル・リマスター版の10月公開を前に、9月20日大阪、21日、22日東京で上演されるシネマ・コンサートは、2014年9月にパリで1度だけ開かれた幻のプロジェクトを再構成して再現。
ルルーシュ監督とフランシス・レイが生み出してきた名作のハイライトをバックに、総勢約60人のフルオーケストラとゲスト歌手が名曲を生演奏する。『男と女』、『パリのめぐり逢い』などはもちろん、パリでは上演されなかった『白い恋人たち』も追加し、全17作品の楽曲で上演予定。
シネマ・コンサートに向け、ルルーシュ監督からは以下のコメントが届いた。「フランシス・レイ、そして私の映画作品のために彼が作曲してくれたすべての楽曲に敬意を表します。素敵なコンサートに参加できないことを、とても寂しく思います。私は日本のみなさん、そして日本という国が大好きですから、このコンサートが日本で開催されることを本当に誇らしく思います。いま撮影中の映画が出来上がり次第、日本のみなさまにご披露するために、来日するつもりです。みなさまにキスを」。
さらにデジタル・リマスター版公開のタイアップや、『男と女』に出演し、作詞と歌を担当したピエール・バルーのサラヴァレーベル50周年関連商品やイベント、ルルーシュ監督最新作『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲』の紹介などが行われた。
そして野宮真貴が登場。「大人のラブロマンスで、恋のときめきと心の葛藤を見事に描いた作品だと思います。若いときに観てもステキですが、年を重ねてもう一度観てみると、その切なさが痛いほど分かる映画です」と思いを語り、8月31日にリリースされたばかりのアルバム『男と女~間宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。~』にクレイジーケンバンドの横山剣とデュエット収録されている、日本語歌詞(訳詞:小西康陽)による『男と女』を熱唱した。
また、続いて登壇したオフィシャル・サポーターの夏木マリが「ぴったりね」と野宮に花束を贈呈し、「『男と女』は女として目覚めた映画です」と挨拶。間宮が「フランスでは大人のかっこいい女といえば(主演の)アヌーク・エーメですが、日本では夏木さんですからね」と返すと、「もう!」と夏木は恐縮しながら、「目指すところですよね。フランスは年を重ねれば重ねるほどブラボーと言われるのが羨ましいですね」と笑った。