夏木マリ&斉藤ノヴ インタビュー!今年も”世界音楽の日”に「One of LoveプロジェクトGIG」開催!

インタビュー | 2016.06.03 12:00

[左:斉藤ノヴ、右:夏木マリ]

[左:斉藤ノヴ、右:夏木マリ]

夏木マリと斉藤ノヴが進めている、途上国の子供たちと、働く女性たちを支援する「One of Loveプロジェクト」は、その活動の一環として、毎年「世界音楽の日」である6月21日にGIGを行っているが、今年は東日本大震災から5年ということもあり夏木マリ、華原朋美、シシド・カフカ、土屋アンナ、LiLiCoの5人のコーラスユニット「and ROSEs」を結成。ゴスペラーズ安岡 優の曲提供&プロデュースで「紅のプロローグ」を6月8日にリリースする。このプロジェクトの成り立ちから今年の6月21日のことまでうかがった。

インタビュー/兵庫慎司
撮影/近藤宏一

──そもそも最初は、夏木さんがおひとりで支援を行っておられたんですよね。

夏木 はい。知らない3つの国の子どもたちに、団体を通して支援していたんですね。エルサルバドルとエチオピアとバングラデシュ。その子たちに会いたいと思うようになった頃に斉藤と知り合って、楽器を持って音楽の旅をしようということになりました。色々視察をした結果、斉藤と友人たちと一緒に「One of Loveプロジェクト」を立ち上げました。

斉藤 僕も色々思うところがあり……。

夏木 それで話し合って動き出したんですけど、2011年に東北の震災があって…私たちが支援したパソコンで震災のことを知り、3月12日にそのパソコンで支援先の彼らがメールをくれたんです。『私たちの支援どころじゃないでしょう、今は東北を支援してください』と。私たちが初年度に寄贈したパソコンで、字が読めなかった彼らが、1年間勉強して字が読めるようになり、メールをくれたということが、私たちにとっては意味がありました。今回の「紅のプロローグ」は、震災から5年となり、東北への復興の想いを届けたい、ということで創りました。

──これだけ活動を続けてきたことで、わかってきたことなどはありますか?

夏木 たとえば、歌を歌う時は、自分のメッセージを伝えたいと思って歌うでしょ。こういう活動もそれと同じで、本当に自分の心をちゃんと伝えないと、人は動いてくれないんだな、っていう。形は違うんだけど、歌と一緒だなあと思っていてね。形だけでやっていたら、誰もついてきてくれないので。本当に、あの子供たちがひとりでも多く元気でいて、いい将来を迎えられたらいいなあ、という思いが私を動かしているんだと思うんですけど、それをみなさんにお伝えするのが、私とノヴさんなんです。「One of Loveプロジェクト」に参加してくれるアーティストも、増えてきて──。

斉藤 ありがたいよね。そこで、自分たちでちゃんとアーティストの方々に説明するようにしていて。事務所マターじゃなくて。間に人が入ったり、ものが入ったりすると、その分、透明感がなくなるわけです。僕らがちゃんと、納得してもらえるまでお話しして、というのは心がけていますね。そうするとすごく伝わるというか。それがうれしいですね。

夏木 だから、「One of Loveプロジェクト」をスタートしたことで、自分たちがすごく勉強しましたね。社会の勉強とか、世の中のこととか、海外のこととか、教育のこととか。勉強させていただいている、それがすごくありがたいな、と思っていますね。

夏木マリ

──毎年6月21日に「One of Loveプロジェクト」のGIGをやっておられますが、過去に出演されたヴォーカリストでこのシングル「紅のプロローグ」を作られたんですよね。

夏木 はい、2013年に参加してくれた4人と、and ROSEsというユニットを結成したんです。この4人の女性アーティストの歌を聴いて、彼女たちと本気でハーモニーをしたら、何か大きな力になるんじゃないかな、と考えて。それで、ゴスペラーズの安岡 優さんに曲を書いていただいて。

──レコーディングはいかがでした?

夏木 安岡さん、すごくディレクションが上手ですね。

斉藤 ボーカルのね。

夏木 私たちは、コーラスっていうとハモるようなイメージがあったんですけど、『全員がメインです。それぞれがソロを歌うように歌ってください。それが5つ集まった時に、力強い、いい歌になるから』と。ゴスペラーズもそうなんですって。だから、全員がワンコーラス全部歌ってみて、誰がどこを歌うか、オーディションしてもらって。自分のメロディのようにコーラスを歌って、それがハモりになるという、そういうやりかたで。最初はみんな不安だったみたいで、『コーラスなんてできない』とか言ってたんですけど、最終的には楽しく終わって、力強いものができて。安岡さん、最高でした。

──ノヴさんはプロデュースには関わらず?

斉藤 はい、彼にまかせたので。『ああ、ディレクション、うまいなあ』と思いましたね。それでサウンド的にも、なるべく5人のハーモニーがきこえるように、あまり楽器の音を入れず、本当にシンプルに……この「One of Loveプロジェクト」を立ち上げた時の最初のメンバー、ichiroと、チャボ(仲井戸“CHABO”麗市)と僕の3人だけで、オケを作って。5人のハーモニーが、コード感だとかメロディだとかになるように、という意向を伝えてお願いして、僕らはいちプレイヤーとして参加して。そしたらすごくいい感じになったので。最後の歌入れが終わった時は、もう拍手でしたね。

斉藤ノヴ

──これはいつレコーディングしたんですか?

夏木 私のアルバム「朝はりんごを食べなさい」(4月13日リリース)のレコーディングよりも前なんですよ。去年の年末に録って、1月にトラックダウン。

斉藤 みなさん、スケジュールを合わせるの大変ですからね。

夏木 奇跡的に合わないんですよね(笑)。あのメンバーを全員揃えようと思うと、大変ですよね。

斉藤 だから早めにお願いして、やっとスケジュールが取れて。でもそこでみなさん、やっぱり『ちゃんと前もって練習してからレコーディングしたい』というのがあるから。だから、曲ができて、オケができて、メロディができてからちょっと時間をとって、それからひとりずつレコーディングに入っていった感じでしたね。

──じゃあライブも……6月21日じゃなきゃいけないわけじゃないですか? そこに全員に揃ってもらう、というのは、大変でした?

夏木 いや、揃います、揃います。毎年その日はもう、みんな空けてくれてますからね。『一生続くよ』って言ってありますから(笑)

──今年の6月21日はどんな感じですか?

夏木 今年もメンバーがすごいですよ。もちろんゴスペラーズも参加してくれるし、and ROSEs、BRAHMANのTOSHI-LOWも。

斉藤 我々のバンドでひとりずつ何曲か歌って、and ROSEsも集まって、ゴスペラーズも出てくれて……っていう構成です。もう、楽しみです。

──で、このand ROSEsの「紅のプロローグ」のレコーディングをして、そのあとすぐ夏木さんの「朝はりんごを食べなさい」をレコーディングして、そのリリース・ツアーに出て……あ、ドラマの撮影もありましたよね?(TBS金曜ドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」出演中。 4月~6月放映)

夏木 ああ、そうですね。

──あの、夏木さんもノヴさんもですけど、年齡を重ねるごとに、仕事とか活動の総量が、どんどん増えていってません?

夏木 そうなんですよ。

斉藤 そうなんですよね

──失礼ですけど、だんだん減らしていってもいい年齡ですよね。

夏木 それがイヤなんですよ。年齡は記号だ、っていつも言ってるんだけど。この年齡だから仕事を減らしていく、っていう考え方がよくわかんないんですよ、私はね。年齡を重ねると声が出なくなるとかよくきくんだけど、年齡を重ねた方が声が出るんですよね、私の場合。だから自分では、今がいちばん音楽の旬だと思ってるんだけど、自分では。去年からライブハウス・ツアーも始めたし。時間がない、体力がないという現実はあるんですけど、確かに分量は増えてますね。

──サイクルってあるんですか?

夏木 私の個人的な中では、春から6月21日までは歌で、年の後半は自分の舞台、「印象派」をやったり、ドラマをやったり、っていうのが理想なんですけど。ただ、ドラマや映画は、いただく仕事なのでね、あんまり自分のペースでは進まないので。だから、時期が歌とかぶる時もありますね。それは確かに大変ですけど。できれば1年中歌だけ歌っていたいんですけど。個人的な夢はそうです……そんなこと言ってると、ドラマの人たちに怒られちゃうけど(笑)。でも、誤解を恐れずに言えばね。自分の舞台と「One of Loveプロジェクト」と歌、その3つを共有するのが理想ですね。

斉藤ノヴ&夏木マリ

 

■One of Love Special Interview動画公開中!
http://www.oneoflove.org/interview.html

One of LoveプロジェクトGIG vol.7 『途上国の子供たちに未来の仕事を贈るプロジェクト』

2016年6月21日(火)赤坂BLITZ
18:30 開場 / 19:00 開演
<出演>
華原朋美/シシド・カフカ/土屋アンナ/夏木マリ/LiLiCo/仲井戸“CHABO”麗市/ichiro/TOSHI-LOW(BRAHMAN / OAU)/ゴスペラーズ
<One of Love Special Band>
末松一人(Gt)/宮崎裕介(Key)/山内陽一朗(Dr)/石田純(Ba)/斉藤ノヴ(Per)

One of Loveプロジェクトとは

夏木マリと斉藤ノヴが中心となり、音楽とバラで途上国の子供たちの教育環境、そしてその母親でもある働く女性たちの雇用整備の向上を目指す支援活動。毎年「世界音楽の日」である6月21日に、プロジェクトに賛同したアーティストたちでGIGを開催!

and ROSEs

華原朋美、シシド・カフカ、土屋アンナ、夏木マリ、LiLiCoによるWOMAN’S CHORUS UNIT「and ROSEs」結成、ゴスペラーズの安岡 優 作詩・作曲「紅のプロローグ」6月8日リリース!
and ROSEs

関連リンク

RELEASE

NEW SINGLE「紅のプロローグ」
(ワーナーミュージック・ジャパン)
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※初回限定盤[CD + DVD]・通常版[CD]