“去年は初めての47都道府県ツアーをやって、もう51歳だから体力的にどうかなって思ってたけど、我々が考えてる以上に各地でたくさんの人が来てくれましてね。どんどん免疫力が上がる体験をさせていただいて、今日もこうして元気にコンサートできてます。ありがとうエビバデー! 年末は『NHK紅白歌合戦』にも出られて、すごく大きく歌えて嬉しかったです”というMCを経て、代表曲「今宵の月のように」もここで演奏された。二部を締めたのは、最新曲「Easy Go」。命燃やすような「RAINBOW」をも更新する、51歳には明らかにハードなアップナンバーだが、含蓄のある、決して簡単じゃない“Easy”“レッツゴー”の叫びは“さらにドーンと行くぜ!”を体現していて胸がいっぱいになった。
間奏でメンバー紹介を含むセッションタイム(各自のソロ+石森とヒラマのギター応酬+宮本の濃すぎるスキャットなど)へ突入した「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」、18人がノリノリでエネルギッシュに迫り来る「so many people」と、クライマックスを迎える三部。宮本は“パワーもらってるぜ!”と言わんばかりに胸を叩きながら歌う。エレファントカシマシにはヒット曲がふんだんにあって、根強い人気の隠れた名曲があって、なおかつ新曲も抜群にカッコ良いのがよく分かる。
宮本のアコギ弾き語りで「涙」をしっとり聴かせたあとは、本ツアーのタイトルにもなった待ってましたの「ファイティングマン」! ステージ後方から“THE ELEPHANT KASHIMASHI 30th ANNIVERSARY”のバックドロップがせり上がり、改めてリスタートを誓うように4人で爆音をブチかまして、力強く本編を締めた。
“いい顔してるぜ、エビバデー!よく見えないけど(笑)。ドーンと行こうぜー!!”と何度も何度も繰り返し伝える宮本を筆頭に、ライヴバンドとしての凄みを発揮しながらたくさんの生命賛歌を届けてくれたエレカシ。ベストアルバム『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』では“30周年、30曲、3000円”を謳っていたが、この日は“30周年、30曲、3時間”。それでいてアニバーサリーを忘れ、シンプルにいつものエレカシを堪能することもできた。アンコールは“今の季節にぴったりだと思う”と前置きした「四月の風」。偉大なバンドはどの曲を最後にやっても絵になるんです。宮本の男泣きに感涙!
かくして有終の美を飾った、今がキャリア最高のエレファントカシマシ。このあとは『VIVA LA ROCK 2018』など各種フェスへの出演、23枚目のアルバム発売、新たなツアーも決まっている。31年目の彼らも目が離せない!
SET LIST
【一部】
1. 3210
2. RAINBOW
3. 奴隷天国
4. 今はここが真ん中さ!
5. 悲しみの果て
6. 星の砂
7. i am hungry
8. 夢のかけら
9. 風に吹かれて
10. ベイベー明日は俺の夢
11. 昔の侍
12. さらば青春
13. 笑顔の未来へ
14. 桜の花、舞い上がる道を
15. ズレてる方がいい
16. 今を歌え
17. 風と共に
18. ガストロンジャー
19. 俺たちの明日
【二部】
20. 男餓鬼道空っ風
21. この世は最高!
22. RESTART
23. 夢を追う旅人
24. 今宵の月のように
25. Easy Go
【三部】
26. あなたのやさしさをオレは何に例えよう
27. so many people
28. 友達がいるのさ
29. 涙
30. ファイティングマン
ENCORE
四月の風