“熱源” Release tour 『高機動熱源体』
2017年6月1日(木)渋谷 WWW X
TEXT:兵庫慎司
PHOTO:ヤオタケシ
ニュー・アルバム『熱源』のリリース・ツアー『高機動熱源体』の初日。名古屋、大阪、そしてツアーファイナルの東京・リキッドルームはワンマンだが、それ以外の16本はゲストありの対バンツアーで、この初日は9mm Parabellum Bulletが出演。かつてcinema staffと同じマネージメントに所属していた先輩でもある、彼らにとって憧れのバンド、9mmをゲストに招くというのは、かなり感慨深いものがあったのではないかと思う。なお、9mmは5月にニュー・アルバム『BABEL』をリリースしたばかりで、6月からホール・ツアーを回るというタイミング。
最初はゲスト9mm、開演予定時刻の19時きっかりにスタート。周知のとおり、ギターの滝 善充が左手の不調でライブ活動のみ休養中のため、彼の代わりにサポートでfolcaの為川 裕也が加わった編成。
「Discommunication」「反逆のマーチ」「Black Market Blues」とキラー・チューンを連打、そして『BABEL』に続いてリリースされた最新シングル「サクリファイス」へなだれこむという、これ以上ない始まり方に、フロアは、どう見ても9mmのワンマンとしか思えないほどの熱気で応える。
そして、菅原卓郎の「スペシャルだよ? これ。スペシャルなプレゼント」という言葉で、ギターが辻友貴にスイッチ、この日だけの特別編成になる。3人に加わった辻、「ここから全部辻選曲ですから。あれやりたいこれやりたいって言うから」という卓郎の言葉が表すように、喜びとテンパリがごっちゃになってなんだかすごいテンション。力の限り大暴れなアクションを見せながら「Lovecall From The World」から「(teenage)Disaster」まで、4曲を9mmと共にプレイ。
辻が去ったあと、「最初は3曲のつもりだったんだけど、辻が『”teenage”もやりたいです!』って。それはいいんだけど、俺ら(その曲を)”Disaster”って呼んでるから、”teenage”って方にびっくりした」という卓郎の言葉で笑いが広がり、ヤバいくらい上がっていたフロアのテンションがいったんちょっと落ち着く。
しかし、また曲が始まると一瞬にして元に戻る。「ガラスの街のアリス」「ハートに火をつけて」などを連打し、「Talking Machine」でフィニッシュ。駆け抜けるような勢いに満ちながら、どこか余裕も感じる全13曲だった。
cinema staff ライブレポート