
5th EP「人には言えない恋ばかり」リリースツアー“あなたを忘れず歌ばかりツアー2026”
2026年7月12日(日)千葉LOOK
記念すべきツアー初日の1曲目、最新EP収録の新曲「2002」を歌い終えると、矢口結生(Vo&Gt)が会場を埋め尽くす観客に気合いと興奮に満ちた表情で告げた。
ペルシカリアが、7月1日にリリースした、5th EP『人には言えない恋ばかり』を携えて、全国28箇所を回るリリースツアー『あなたを忘れず歌ばかりツアー』を開催。ツアー初日となるワンマンライブの会場となったのは、これまで数多くのロックバンドがツアー初日の会場に選び、伝説のライブを作り続けてきた、インディーズロックバンドの聖地・千葉LOOK!
開演時間となり、SE「オー・シャンゼリゼ」と大歓声に迎えられてステージに登場した4人。ドラムを囲んでステージ上で円陣を組むと、ドガジャーンと音を合わせて始まった「2002」の渾身の歌と演奏からは、4人のツアーに賭ける想いや気合いがビシバシ伝わってきたし、超満員の観客が埋め尽くすフロアからは、その気持ちに応える熱い拳と熱唱する声が上がった。ド頭から熱気が渦巻く千葉LOOKの光景は、数々の伝説を作ってきた往年のロックバンドたちのツアー初日に決して劣らないものだった。
「歓声の先」、「右手」と続き、勢いを増すばかりの4人と熱気溢れるフロア。狭い会場だからということもあり、躍動感ある中村達也(Dr)のドラム、どっしり支える中垣(Ba)のベース、アグレッシブなたいぴょん(フルギヤ)(Gt)のギターと、それぞれの放つ強烈な個性や熱量をいつもより近く感じることが出来るし、それらがひとつの塊となってぶつかってくる音塊の破壊力もハンパない。
初日がソールドアウトしたこと、ライブハウスで出会ってくれたことへの感謝を告げたMCから始まった「離愁」では、「一緒にライブやろうぜ!」と矢口が観客に呼びかけて、前へ前へと観客が一気に押し寄せる。“ペルシカリアはたくさんのオーディエンスに向けてでなく、一人ひとりに届けようと本気で思っている”ということは、3月の渋谷クアトロワンマンのレポでも書いたが。「これは自分の歌だ!」という気持ちで歌ってるであろう観客、一人ひとりが熱唱する姿を見ると、その想いがしっかり伝わっていることがよく分かる。
さらに「風道」、「PiN」でフロアを掻き回すと、「どうしたって」に観客が歌声を重ねる。「一緒にライブやろうぜ!」という矢口の呼びかけに応えるように、オーディエンスも含めて全員がかりでライブを作り上げていくこの状況こそ、今回のツアーでペルシカリアがやりたかったことなのでは?と想像していると、「情けない」の曲中に矢口の語りが入る。
「いろんな悔しい思いをしてきたけど、上がらない拳を数えてばっかの日々だったけど。今日、ライブを見てくれて、同じ1日を作ってくれて、ありがとうございます! 今日はただお前に歌う!!目の前の拳に歌う!!目の前で期待してくれるお前と一緒に歌う!!」
目の前にいるお前に向けてそう告げると「俺はそんなお前らが!」と叫び、♪本当に好きだよ!と歌って想いを届けた矢口に、観客が大合唱で応えるシーンは本当に美しかった。さらにMCでは「俺がロックバンドに求めてる、“一人じゃないよ”って言ってくれる……これは物理的な一人じゃなくて、“こんな人間は俺だけじゃない”って思わせてくれる音楽。それが俺だったら出来ると思う、今日だったら出来ると思う!」と言い放ち、「俺はいつだってあなたの心を全力で目指して歌います!!」と宣言した矢口。
そんなMCを聞きながら、おせっかいなほどオーディエンスに寄り添い、一人ひとりの側にいてくれるペルシカリアの音楽が、千葉LOOKによく似合うと思ったし、今日のライブが誰ひとり、置いてけぼりにしないものになることを確信した。
MCの後は、最新EP『人には言えない恋ばかり』収録の新曲「初恋じゃないから」を披露。矢口のギターイントロからバンドインして、寂しさや切なさを帯びた声で語りかけるように歌を届けると、高ぶる感情を表現するように激しさを増していく歌と演奏。当たり前ながら、生の歌や言葉やサウンドが音源以上にダイレクトに心に響き、ドキドキが止まらない。
続いて、夕焼け感ある照明に照らされた矢口の弾き語りでメロウに始まったのは、同じく最新EP収録の新曲「風邪」。語りかけるというよりは、あまり外に出すことのない頭の中の思考をひとり言のように語るこの曲に、矢口の「一人じゃないよ」の言葉を思い返して、共に口ずさむ観客を見ながら「いま、まさにこの曲を聞きながら、愛する人の姿や自分の考えや言動を当てはめて聴いているのだろうな」と想像した。
新曲2曲を立て続けに披露した後、「今年、活動6年目。ただただロックバンドに憧れて、ただただ曲を作っている中で、ライブが出来るようになって。こうやって28本、ロングツアーを回らせていただけること、それに巻き込まれてくれるみんながいること、当たり前じゃないと思ってます。本当にありがとうございます」と改めて感謝を告げた矢口。
「この長いツアーは、カッコいいも悪いも全部、俺だけのもの、ペルシカリアのものに出来ればいいなと思うし。その中からキミになにか受け取って欲しいと思ってる。あなたに向けてライブをやる理由は俺があの時、音楽に一人にさせてもらえなかったように、俺も誰かの居場所になりたいから。そういう場所を作りたいと思ってるからです」
ツアーやライブに賭ける想い、あなたへの気持ちを改めて伝えたところで、ライブは後半戦へ。「たとえばなし」、「17」と自己嫌悪を歌った曲が続くと、「17歳の俺に歌いたいこと、23歳の俺が歌えること。自己嫌悪だけじゃダメだ。だってライブハウスで出会えたんだもん、分かち合えたんだもん。こいつらと進むために歌うんだ」と自身に言い聞かせるように叫んだ矢口。
ライブハウスで出会い、分かち合えた大切な仲間たちの大合唱で始まった「優しい人」で、「優しくなくていい、強くなくていい。ただ、真っ直ぐ生きろ!」と矢口がメッセージを届けると、たいぴょん(フルギヤ)は衝動や感情が押さえきれずにフロアに飛び込み、心も身体もオーディエンスとひとつになる。さらに会場中がアカペラでシンガロングを合わせた「バンドをしている」で、オーディエンスとの一体感をさらに強固なものにする4人を見て、僕はこのツアーが絶対良いものになることを確信していた。
今回のツアーに課せられたテーマをあえて言葉にするならば、6年の活動を経て身も心もたくましくなった4人が、全国にこれまで出会った仲間たちの居場所を作って、「俺もキミも一人じゃないよ」と伝えに行くこと。ざっくりしすぎてるかも知れないけれど、ツアーに臨む上での4人の共通認識はきっとそういうことだろう。そして初日にして、そんな想いが仲間たち(観客)にしっかり伝わっていること、それをちゃんと形に出来ていることがよく見えてきたのだから、このツアーが良いものにならないわけがない。
本編ラストとなるMCで、「これからどんな出会いがあるか分かんないし、どんな苦難があるかも分からないけど、出来るだけ自分を通して、出来るだけ4人で、出来るだけ一人でも多くのみんなを引き連れて。誰のことも裏切らないで、ロックバンドがやれればいいなと思ってます。旅が回れればいいなと思ってます」と意気込みを語り、「いつまで経ってもカッコいいロックバンドを目指して、いつまでもバンドを続けられるように頑張ります!」と宣言した矢口。
「この長ぇツアーを乗り切るためのガソリンを!拳を笑顔を涙をあなたの感情を、オレらに分けてくれ!!」と始まった「さよならロングヘアー」に、感情をぶつける観客が熱い拳を上げて、どデカい歌声を合わせてクライマックスを生むと、勢いそのままに「ショートカット」へとなだれ込んで。本編ラストは最新EP収録、ペルシカリアの最新型と言える「スティーリング・ラブ」。ドライブ感ある演奏に乗せた嘘のない言葉が胸に響く中、新曲ながらしっかり歌詞を覚えてる観客の合唱が起き、美しく本編を締めくくった。
本編終演後、鳴り止まない「ワンモー!」の声に再びステージに登場すると、「リアリティ、ライブ感、ロマン。全部を追い求めてるので、アンコールの曲は決めてません!」と言い放った矢口。観客のリクエストを受けて、メンバーと話し合った結果、「悲しみについて」「ラブソング」「愛情完済日」と人気曲を惜しみなく連続投下。
「悲しみについて」では「みんなの声が聴きてぇ!」の呼びかけに、観客同士が肩を組んで大合唱。<いつまでも歌を歌っていよう 君がそっと帰って来れる様に>と歌い、「君がいつでも帰って来れるような、カッコいいロックバンドになって帰ってきます!」と言い放ち、この日一番の盛り上がりの中で無事、ツアー初日を終えた。ツアーが終わる頃、さらにバンドとしてのたくましさを増して、さらに熱い魂を携えて、さらにカッコいいロックバンドに進化したペルシカリアのライブを見るのが、いまから楽しみだ。
SET LIST
01. 2002
02. 歓声の先
03. 右手
04. 離愁
05. 風道
06. PiN
07. どうしたって
08. 情けない
09. 初恋じゃないから
10. 風邪
11. たとえばなし
12. 17
13. 優しい人
14. バンドをしている
15. タイムオーバー
16. さよならロングヘアー
17. ショートカット
18. スティーリング・ラブ
ENCORE
1. 悲しみについて
2. ラブソング
3. 愛情完済日


















