TOKYO ISLAND 2025、兵庫慎司が今年も全通レポ!【DAY3:10月13日(月祝)】

ライブレポート | 2025.11.28 12:00

Photo by 堀 清香

「ええ公園やな。スカイツリーも見えんで、こっから」
「flumpoolのファンの人!(と手を挙げさせて)……こんだけ?アウェイや、ほぼ敵や」
「敵と味方だけちゃうから」
「どの顔が言うねん」
「拝んで帰ってください、俳優兼ミュージシャンやから」
「ここにいる人たち、そんなんいちばん嫌いやから」
という山村隆太と阪井一生の掛け合いで笑わせる。と思ったら、「2008年に木が植えられ始めて、17年後、こうして公園になってる。まだまだ発展途上、このフェスも発展途上、flumpoolも発展途上。みなさんも今後かなえたいことがあると思います。デビューした2008年の曲を聴いてください」と、「花になれ」に入ったりもする。
最新アルバムからの「君に恋したあの日から」を経て、ラストは初期のヒット曲「花になれ」。さすが、としか言いようのないステージ運びで、参加者を幸せにしたflumpoolだった。

flumpool ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
flumpool ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
flumpool ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved
flumpool ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

ここ(海の森公園)は埋立地で、1200万トンのゴミの上にできている、という話をサウンドチェックでした上で、「ゴミの上で踊ろうぜ!」「この島の底を抜けさせてみんなで海水浴しようぜ!」などとアジテーションしながら、7曲・35分を駆け抜けるように歌い続けたTele=谷口喜多朗。
中盤の「バースデイ」の頃には、TOKYO STAGE前に詰めかけたファンだけでなく、後方で眺めている人たちも身体を揺らしているくらい、その音楽の魅力が伝播していった。

Tele ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

という、Teleのパフォーマンスと同じ頃。2026年6月13・14日の、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでのワンマンを最後に活動を終了することを、9月27日に発表して以降で、関東エリアで最初のステージが、この日のトリだったSHISHAMO。宮崎朝子&松岡彩とサポート・ドラマーのyuccoは、アイランドカーに乗り、恐竜探検ツアーに出発していた。
出番よりもだいぶ早く会場入りして、このツアーを楽しむことにしたようだ。乗り込むところを見かけたのだが、偶然その場にいたファンが、驚いて泣き出した。でもその子、アイランドカーに駆け寄って握手を求めたりはしないで、ちょっと離れた位置のまま、泣きながら3人に感謝の言葉を伝えていた。こっちまでじーんときました、何か。

©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

昨年の『TOKYO ISLAND』では3日目がまるごと「androp 15th Anniversary day」になって、15周年を祝われたandrop、今年の出番は3日目16:25からのISLAND STAGE。
「ちょうどいい、夕日がきれいな時間になってきましたけども、僕ら皆勤賞でございます」と挨拶。「今ツアー中で、新曲、早くやりたかったんですけど、秋の風景に似合う曲、まさに今日初披露します!」と、5日前にリリースしたばかりの「Magic Hour」を、去年の感謝もこめて、このフェスにプレゼントする。
ラストの「NaNaNa」で大きなシンガロングをオーディエンスから引き出したあとは、最後に鹿野 淳をステージに呼び込んだ。

androp ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

そして、3日間の大トリ、いよいよSHISHAMO、最初で最後の『TOKYO ISLAND』出演である。
サウンドチェックの段階から宮崎朝子、「リハーサルですがタオル回してくれますか!」と、盛大なタオルの高速回転を巻き起こす。そして「恋する」「君と夏フェス」「君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!」と、かっ飛ばしていく。
最初のMCで「初出演でトリを任せていただけるなんて光栄です。東京タワー、見えるんですね」と言うと、松岡彩が「スカイツリーも」と付け足す。「着くやいなや恐竜探検ツアーで、すごい楽しかった。バンドを12〜13年やっていても、こうして初めてのことがあるのに、ワクワクしてます」。そして「新曲をやります」と、「運命と呼んでもいいですか」、次は「ハッピーエンド」と、スロー・チューンを2曲続ける。

SHISHAMO ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

SHISHAMO ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

SHISHAMO ©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

改めて、2026年6月活動終了のことに触れ、「でもあと8ヵ月あって、今日みたいにゴンゴンとライブをやっていきます。またどこかで会えたらいいなと思います」。と、後半ブロックへ突入。「夏恋注意報」「最高速度」「狙うは君のど真ん中」と畳み掛け、オーディエンスを熱狂させた上に、最後にサプライズが待っていた。
ラストの「明日も」を3人が演奏し始めてから終わるまで、それに合わせて花火が上がり続けたのだ。1年前のandropと同じく、3日間の最後の「音楽花火」を、生の演奏&歌で行った、ということである。
活動終了までのカウントダウン中、という特別な状況にあるSHISHAMOのステージを、フェス側が特別な演出で彩った──それはもう、本当に見事で、本当に美しくて、本当に感動的な光景だった。

©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

花火の終わりと共にSHISHAMOの3人が笑顔で挨拶して去ると、入れ替わりに出て来た鹿野 淳が一本締め、3日間のすべてが終わった。
この3日間を通して、多くのアクトが、ごく普通に、来年以降の開催のことに触れた。終演後、フェスの公式サイトにも「また来年、ご一緒できることを楽しみにしています!」というメッセージがアップされたし、SNS等でも来年の開催を楽しみにする声をあちこちで見かけた。
コロナ禍が終わらぬ中で初開催してから4年、言わばそのような「毎年当然行われるべきフェス」として根付いた、ということなのだと思う。だいぶ気が早いが、2026年に関する発表を、楽しみに待ちたい。

©TOKYO ISLAND All Rights Reserved

Photo by 東美樹

公演情報

DISK GARAGE公演

TOKYO ISLAND 2025

2025年10⽉11⽇(⼟)12⽇(⽇)13⽇(⽉祝)海の森公園

[出演アーティスト]
10月11日(⼟)
清春 / シシド・カフカ directs el tempo / SCANDAL / ストレイテナー / SOIL&”PIMP”SESSIONS / DJピエール中野 / Nothing’s Carved In Stone / the band apart / Hump Back / FOMARE / Base Ball Bear  / UNISON SQUARE GARDEN

10月12日(⽇)
打⾸獄⾨同好会 / ORANGE RANGE / ガガガSP / 氣志團 / KOTORI / シンガーズハイ / 四星球 / 超能⼒戦⼠ドリアン / DJ ピエール中野 / Novel Core / Fear, and Loathing in Las Vegas / BRADIO

10月13日(⽉祝)
androp / おいしくるメロンパン / Ochunism / Sundae May Club / SHISHAMO / TK from 凛として時⾬ / Tele / にしな / BIGMAMA / flumpool /メガテラ・ゼロ / Lucky Kilimanjaro
(五⼗⾳順)

INFO

オフィシャルグッズ事後通販受付中
受付期間:2025年11月4日(火)12:00〜2025年11月30日(日)23:59まで
受付はこちら

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

    • ツイッター
  • ステージ写真撮影

    ISLAND STAGE:山川哲矢

  • ステージ写真撮影

    TOKYO STAGE:釘野孝宏

SHARE

最新記事

もっと見る