Hug me!! TOUR
2025年11月21日(金)下北沢 MOSAiC
11月21日、下北沢MOSAiCでパーカーズ〈Hug me!! TOUR〉初日を観た。今春にタクオ(Ba)が正式加入、ついに完全体になったパーカーズとして初の全国ツアーだ。ステージには緑が敷き詰められ、アンプやエフェクターを覆う葉っぱも緑。背後には大きなハートを貫く花とバンドロゴを描いたバックドロップ。なにもかもがフレッシュな、ここが新たなスタート地点だ。
「〈Hug me!! TOUR〉、楽しんでいきましょう。準備はいいですか?」(豊田)
200人入ればいっぱいのフロアに、5人乗ればいっぱいのステージだから、体も近ければ心も近い。1曲目から元気いっぱい、幸せパワーでぶっとばすバンドに、熱烈な手振りと歓声とジャンプで応えるファン。ナオキはジャケットにネクタイ、ねたろとフカツはニット、豊田とタクオもカジュアルなジャケットを着て、みんなお洒落に決めてる。楽しませる気満々だ。
「ツアーへようこそ。初めての人もいると思うので、なるべくわかりやすく、楽しい時間を一緒に過ごせたらと思います」(豊田)
「会いたかったよ」という掛け声に「俺も会いたかったぜ!」と返す豊田。明るい雰囲気の中でどんどん曲は進む。まだ初日なので詳しいセットリストは明かせないが、10月1日にリリースしたばかりの『HUG』からの楽曲はもちろんたっぷりやってくれる。「Hug me!!」や「トマトジュース」など、ライブ映え確約済みの曲はもちろん、遊び心いっぱいの「ASOBO」やエモーショナルバラード「大恋愛」などがどこでどんなふうに演奏されるか、事前に知らないほうがきっと楽しい。ただ一つ言えるのは、「パーカーズは期待を裏切らない」ということだけ。
「みなさん。元気ですか?ワンマンツアーだと僕がしゃべるんです」(ナオキ)
MCナオキが担当するのは、事前にSNSで募集していたアンケート発表のコーナー。メンバーの中で誰が一番〇〇か?というネタでひとしきり盛り上がり、ライブハウスが休み時間の教室みたいな和んだ空気になるのがパーカーズのいつものライブ。曲に戻っても和やかムードの一体感はそのままに、ナオキとねたろが息の合ったツインギターのリフを聴かせたり、豊田がハンドマイクで歌いまくったり、フカツとタクオが時に軽快に、時にどっしり構えたリズムでバンドを支えたり。曲によっては派手な照明やミラーボールを使ったり、SEを使ったり、目と耳に残る印象的なシーンが続く。
「つらい時や高い壁にぶつかった時、パーカーズの音楽が鳴っているライブハウスは、そういうものが全部クリアになって、心の底から笑顔になれる空間を作りたいと思ってやっています。みんなの居場所を全力で作っていくので、これからもよろしくお願いします」(豊田)
明るく楽しいだけじゃない。今まであまり見たことのないほど、ひとつの言葉に思いを込めて生真面目にしゃべる豊田がかっこいい。ツアー初日にこの場所を選んだ理由は、バンド初期からお世話になっていることと、「そしてタクオと初めて会った場所です」と豊田。最強の5人が揃って臨む新たなステージに、これ以上ふさわしい舞台はない。
「マジで出会ってくれてありがとう。心から愛しています」(豊田)
後半はグッとエモみを増して全速力で、パーカーズらしいライブチューンを畳みかけてぐいぐい飛ばす。自分らしくいような!と豊田が拳で胸を叩く。お立ち台に駆け上がったナオキが気持ちのこもったソロを弾く。飛ばし気味のフカツのドラムと、堅実なタクオのベースのバランスがいい。ねたろはいつもニコニコマイペース、見ているだけで楽しい。「最高のツアー初日でした。行ってきます!」と豊田が叫ぶ。ツアー初日ならでは初々しさたっぷりに、ライブは一期一会だと実感させる一本入魂のパフォーマンス。
アンコールでは恒例のフカツのグッズ紹介、そしてファンへの感謝の言葉。バンド史上最大キャパに挑む、ファイナルの1月30日、Zepp Shinjukuへの意気込みを豊田が語り、「マジで来てください!」と呼びかける。バンドの未来を左右する11本の真剣勝負、〈Hug me!! TOUR〉いよいよキックオフ。ファイナルの1月30日、Zepp Shinjukuのステージで5人がどんな雄姿を見せてくれるのか、期待感満点で待っていよう。
















