いれいす Summer Tour 2025 「えびばでぃ - 祭 - FESTIVAL !!」
2025年9月28日(日)Kアリーナ横浜
祭りの和太鼓の音が少しずつ大きくなり、ステージ上のちょうちんの明かりも華やかになるなかオープニングムービーが流れる。“祭りの神様”により、いれいすのメンバーが学生の姿になってしまい、「元の姿に戻るためにはこの夏に9万人との思い出を作らなければならない」という指令が下ったところから物語が始まった。そしてツアーのライブリード曲である「いれサマ！！！！！！！」でライブがスタートする。法被やねじりはちまきのテイストを取り入れた和洋ミックスの衣装に身を包んだメンバー、ステージで突き上がる多数のスパークラー、観客の全力のコールとシンガロングで、盛大にファイナルの幕開けを迎えた。
「夏☆らびゅ☆大作戦」でさらに会場を熱くすると、「のんすとっぷ！L♡VEサマー」ではセンターステージがたちまちやぐらに変貌を遂げる。爽やかで元気のいいロックナンバーに乗せてメンバーも勢いよくタオルを回し、さらに観客に歩み寄った。今回のツアーでは両サイドのモニターだけでなく、ステージ中央にあるメインモニターでもメンバーの表情を映し出していることがほとんどだった。より6人の存在を近くに感じられ、表情を見逃さずにいられる映像演出からも、「広い会場でも僕たちがそばにいると感じてもらいたい」というメンバーの思いが伝わってきた。
メンバー全員による簡単な自己紹介の後は、ないこが「みんながでっけえ声を出せる曲を持ってきました！」と言い、「ぜったいてきしんじゃ！」へ。“推し”へのとめどない愛情が書かれた歌詞とポップなサウンド、メンバーのペンライトパフォーマンス、観客のコールと、ファンの思いにフォーカスした楽曲はさらに一体感を作り出した。その後は「学級崩壊☆ですとろいやー」「愛してるじゃ足りないもん！」「背伸び」とメンバーのキュートな面が感じられる楽曲が続き、ハートフルな「「ただいま」」では作詞者である初兎が曲の最後に「これからも君たちの居場所がここでありますように」と笑顔で呼び掛けると、大きな歓声が沸いた。
ここでいれいすのライブ恒例の幕間映像が流れる。今回のタイトルは「【トーク】学校を脱出せよ イレギュラーミステリー」。祭りの神様により学校に閉じ込められてしまったいれいすメンバーは、脱出するために様々なトークを繰り広げる。「他メンバーに普段は言いづらい好きなところを言え」というお題に対してメンバーの知られざるエピソードが多数飛び出し、仲睦まじい様子を見せた。
続いてはソロ＆ユニットステージのセクションへ。落ち着いたピアノの音色に誘われて一番手として登場したのは初兎で、ドラマチックに展開する「レンズ」をエモーショナルに歌い上げる。りうらは「SELFISH SCREAM!!」でシャウトやがなり、デスボイスといったボーカルだけでなくダンスでもロックナンバーを鮮やかに彩り、-hotoke-はライブへの思いが込められた「いむいむ★エンジェルビーム」を元気と笑顔たっぷりに届けた。そしてこの3名でユニット曲「Deeper codƎ」を披露する。ワイルドなアプローチで観客を大いに沸かした。
初兎
りうら
-hotoke-
ないこはファン心理を詳細に落とし込んだ「今日も明日も明後日もキュン死」を歌唱し、曲中MCでは東京ドームの夢とファンへの感謝と愛を伝えて、さらに観客と心をひとつにする。Ifは爽やかさと熱量を兼ね備えたロックナンバー「未完成モラトリアム」で、青春真っ只中の少年のようにピュアでまっすぐなロングトーンを響かせた。悠佑はメッセージ性の高い「NAKEDANSWER」を披露し、“アニキ”というニックネームに相応しいパワフルで堂々としたボーカルとパフォーマンスで観客の背中を押す。そしてこの3名がステージに揃うと「みんな一緒に歌ってくれますか？」と呼び掛け、ノスタルジックなミドルナンバー「Hello Again」で会場を包み込んだ。会場全員のラララのシンガロングは、消えることのない友情のようにきらめいていた。
ないこ
If
悠佑
幕間映像の後編では「“恋の約束”のラスサビに合わせてファンサしろ」「ツンデレ全開でリスナーへの感謝を叫べ」というお題を照れながらもクリアしていく様子が放映された。いれいすは活動初期よりファンに喜んでもらいたいという思いを最優先にしているが、このツアーは何よりもそれを大切にしている印象を受けた。「僕らでファンを笑顔にしたい」という責任感と信念がありとあらゆる場所に散りばめられたライブは、まさにファンファーストのエンターテインメントである。
ここからは再びメンバー全員のステージに。「C.O.D」「Place to be」とクールでダークなラップ曲を立て続けに披露すると、「零番街」では花道でダンスをするなどして、実際に道路＝“街”でパフォーマンスするような演出も取り込むことで、より臨場感を持たせた。魅惑的なムードが醸し出される「CiRCUS」では激しいダンスで観客の心を掴み、ラスサビでは悠佑がハモりでさらに楽曲を華やかに盛り立てた。
蝉時雨と風鈴の音が流れると、バックバンドが花火を打ち上がる音をドラムで再現してインストセクションへ。夏の夜を思わせる繊細なプレイから情熱的なサウンドにシフトチェンジすると、会場はたちまち再びお祭りムードを高めていった。するとその音に導かれるように、幕間映像と同じく学生服姿のメンバーがステージに現れ、「Promise」と「愛をありがとう」を2曲連続で披露する。どちらもいれいすの節目を象徴する記念碑的な楽曲だ。6人が晴れやかな表情と歌で観客に向かってポジティブな思いを届け、それを観客が一心に受け取っている光景は非常に眩しい。ファンとの年月を重ねたことで、さらに歌の力が強くなっていることを感じられる熱唱だった。
Ifが「今日来てくれてるみんなや、僕たちのことを応援してくれているみんなには、僕が学生時代に感じた寂しい思いをしてほしくないし、いれいすが君にとって安心できる場所であってほしいと思っています」と告げると、Ifと悠佑が作詞を担当した応援歌「人生謳歌」を力いっぱいに届け、本編ラストを「Stay High!!」で締めくくる。夏の眩しい青空が広がるようなすがすがしい熱気のなか、最後に会場全員でジャンプをすると、大きな拍手と歓声が巻き起こった。
アンコール1曲目の「星降るフェアリーテイル」では6人でアリーナから1階席までをぐるりと歩いて実際に観客のそばへと近づき、「悠久休暇」ではコール＆レスポンスなどで最後の夏を楽しみ尽くすようにテンションを上げ、6人は明日からの英気をファンへと送るように歌声を届けた。これで今年の夏も終了……かと思いきや、今日の模様のダイジェスト映像と集合写真がモニターに流れる。そしてオープニングムービーや幕間映像で話題に出ていた“祭りの神様”がモニターに登場。なんと声を担当しているのは「いれサマ！！！！！！！」などの楽曲をいれいすに提供しているヒャダインであることもテロップにて明かされ、会場は予想外の展開にどよめきのような歓声を上げる。
神様によると「いれいすは無事9万人との思い出を作った」とのことで、いれいすは元の生活に戻ることができた。だが神様は「だが本当にこれで終わりにしていいのか？ やる気！ 元気！ バカ騒ぎ！！ 今年の夏のラストはやっぱりあの曲じゃろ！」と再びメンバーをステージに呼び戻し、本日2回目でありこの夏最後の「いれサマ！！！！！！！」ですべての力を出し切るような全身全霊のパフォーマンスを見せる。観客も喉をからすように合唱し、まさにお祭り騒ぎのラストとなった。
「えびばでぃ - 祭 - FESTIVAL !!」大成功！」「ありがとうございます！」と肩を組んだ6人がマイクを通さずに叫んで頭を下げると、とうとう今度こそ今年の夏も終了……かと思いきや突如モニターには「ここから先は撮影・録音OK」の文字が映し出される。慌てて観客が一斉にカメラを構えると、「いれいすからの超重大発表」として2025年10月9日のいれいす活動5周年記念生配信にて完全無料オンラインライブが開催されることが発表された。夏が終わってもまだまだ次の挑戦と、君と過ごすイレギュラーな毎日が待っている。東京ドームでのワンマンライブの夢を、ファンとともにひたむきに追いかけるいれいすの頼もしさを感じるツアーファイナルだった。
【超重大発表】5周年の感謝と想いを込めて。いれいす完全無料オンラインライブ 開催決定
SET LIST
01. いれサマ!!!!!!!
02. 夏☆らびゅ☆大作戦
03. のんすとっぷ!L♡VEサマー
04. ぜったいてきしんじゃ!
05. 学級崩壊☆ですとろいやー
06. 愛してるじゃ足りないもん!
08. 「ただいま」
09. レンズ(初兎)
10. SELFISH SCREAM!!(りうら)
11. いむいむ★エンジェルビーム(-hotoke-)
12. Deeper codƎ(りうら / -hotoke- / 初兎)
13. 今日も明日も明後日もキュン死(ないこ)
14. 未完成モラトリアム(If)
15. NAKEDANSWER(悠佑)
16. Hello Again(ないこ / If / 悠佑)
17. C.O.G
18. Place to be
19. 零番街
20. CiRCUS
21. Promise
22. 愛をありがとう
23. 人生謳歌
24. Stay High!!
ENCORE
01. 星降るフェアリーテイル
02. 悠久休暇
W ENCORE
01. いれサマ!!!!!!!
