G-FREAK FACTORY主宰「山人音楽祭 2024」参加者すべてが一丸となってつくり上げた2日目をレポ

赤城ステージでは、ROTTENGRAFFTYがライブ真っ最中。会場に近づくにつれて轟音とともに強烈な熱気を感じ、肌感だけでその盛り上がりっぷりが分かる。「THIS WORLD」で大いに沸かせた後のMCでは、G-FREAK FACTORYとの思い出や深い関係性を熱く語ったN∀OKI(Vo)。「そんなG-FREAK FACTORY、俺は大好きなんや！同じローカル代表、頼もしくて、ライバルで、同士。今後とも命尽きるまで、よろしくお願いします!!」と熱い想いを告げ、溢れるほどの愛を込めた「アイオイ」はガツンと胸に響いた。ライブ終盤、「踊り狂え！」とフロアをぶっ掻き回した「D.A.N.C.E.」から、「次がラストや、後悔と余力は残さず！分かってるやろ!?」と煽って会場中の大合唱で始まった「金色グラフティー」と続く怒涛のクライマックスは、天井知らずの盛り上がり！『山人音楽祭』への敬意を表すとともに、ライブハウス最強バンドの凄みをしっかり見せつけた。

『山人音楽祭』は19年以来の出演で、今年は赤城ステージでのライブが決まっていた高木ブーだったが、開催直前に怪我をしてしまい、この日は無念の出演キャンセル。茂木の強い希望により、代役として登場したのはTOSHI-LOW！高木ブーの雷様コントを真似ながらも、あまりに本格的かつ、似合いすぎで怖すぎる緑の鬼の格好で登場したTOSHI-LOW。茂木が「ブーさんが、ブーさんが……」と、勘違いするようなトーンで電話してきたという笑い話から、「人間の生き死には慣れてるつもりでいたんだけど。去年、一番ため息をついた人の歌を歌います」と神妙に語り、弾き語りで歌い始めた曲はThe Birthdayの「愛でぬりつぶせ」。続いて「今夜」をしっとり歌い上げると、「満月の夕」で山人たちの合いの手を煽って会場に一体感を生む。……と、ここまでは鬼の格好をしてる以外は、普通に素晴らしいアコースティックライブだったのだが。「最後に」と歌い始めた「帰り道」が四星球「クラーク博士と僕」に変わると、「ちょっとちょっと！」と四星球の北島康雄が登場してから急展開。「８時だョ！全員集合」の転換時のアノ曲が流れ、高木ブーの等身大パネルを持った四星球と茂木以外のG-FREAKメンバーがはっぴ姿で登場。そして、四星球のライブでは写真しか見ることの出来なかった、茂木扮する“どんだけマン”が降臨！どんだけマンの活躍に会場が失笑で包まれる中、最後はみんなで「いい湯だな」を歌って大団円。高木ブーの勇姿が見れなかったことは残念だが、他では絶対に見ることの出来ない貴重なライブだったし、『山人音楽祭』への出演を楽しみにしていたという、高木ブーがリベンジを果たす日を心待ちにしたい。

続いて榛名ステージに登場したのは、『山人音楽祭』初登場となるSCAFULL KING。昨年11月、４年ぶりとなるワンマンライブを開催。いま彼らを見たい欲求が最高潮に高まってるであろう山人たちの期待で、開演前から熱気に満ちた会場。大歓声に迎えられてメンバーが登場すると、「SAVE YOU LOVE」でライブの幕が開いた瞬間、ブチアガるフロア。パワフルでグルーヴィー、それでいて軽快なバンドサウンドと高らかに響くホーンサウンド。６人が所狭しと歌って踊って飛び跳ねるアグレッシブなステージは、テンション上がらないわけがない！アップテンポな楽曲たちに、山人たちが拳を上げてシンガロング、ジャンプを合わせて会場を揺らしてとお祭り騒ぎの会場。さらにLOW IQ 01も乱入して、その賑わいに拍車をかけると、「NO TIME」で始まった後半戦も飛ばしまくる。ラスト「IRISH FARM」は、会場中が拳を上げて大合唱。笑顔と幸福感に満ちた最高にハッピーな空間となった。

「VIBES BY VIBES」で始まったライブに、どっしりした貫禄を感じて、豪華ラインナップが揃う中、G-FREAKが最終日トリ前という重要なポジションを任せた意味を理解出来た気がした、赤城ステージの10-FEETのライブ。どんなにテンションを上げても、歌って踊って大暴れしても、全てを受け止めてくれるような強さや包容力、寛容さをいまの10-FEETからは感じたし、だからこそ、みんなリミッターを外して全力で楽しめるし、安心して感情をぶちまけられるのだろうと思った。「gg燦然」、「helm'N bass」と最新型の10-FEETが見える新曲たちに続き、♪言葉足らずの～と歌いながら登場した茂木洋晃とTAKUMA(Vo&Gt)がツインボーカルを取る、「アンテナラスト」がより切なく優しい歌で広い会場を包むと、「まだまだいける？」と煽り「その向こうへ」で再び加速。イントロに大歓声が起きた「第ゼロ感」で会場中のオーディエンスをブチアゲると、「ヒトリセカイ」からのラスト「蜃気楼」で広い会場の一人ひとりとしっかり繋がってライブを締めくくる。「蜃気楼」の演奏前、「説明が足りなくても、なぜか不思議と分かり合えるのがライブハウス」と語っていたTAKUMAだったが、それをライブハウスのみならず、フェスという大きな会場で成してしまうのも、いまの10-FEETの凄さ。

そしていよいよ始まった、２日間の大トリとなるG-FREAK FACTORYのライブ。「Too oLD To KNoW」でライブが始まると山人たちのシンガロングが起き、「終わっちまうのか、山人よぉ！」と名残惜しそうに叫んだ茂木。「もうちょっと、ほんの少しだけ力を貸して下さい。もう少しで完走出来んだ」と呼びかけると、山人たちが両手と大きな歌声でその言葉に応える。全員一丸となって完走を目指す準備が出来たところで、「REAL SIGN」、最新アルバム『HAZE』収録の「HARVEST」を披露。＜無くした分だけ手に入れたんだね＞と歌うこの曲に続くMCでは、決して明るいと言えない時代を憂い、ここにたどり着くまでの『山人音楽祭』の苦難を振り返った茂木。TOSHI-LOWをステージに迎えて、「俺たちの歌だ、一緒に歌おう」と山人たちに呼びかけて。万感の想いで歌った「ダディ・ダーリン」はそこに込めた様々な想いや物語、風景を想像させて涙が止まらなかった。「Unscramble」、「らしくあれと」で再び会場をヒートアップさせた終盤戦。今年の『山人音楽祭』を締めくくるラストナンバーは「Fire」。これからも『山人音楽祭』を守り続ける覚悟、そして意地と根性と執念をしっかり見せつけ、『山人音楽祭 2024』の幕を閉じた。

「まだステージ降りたくねぇ、ず～っとやってたい！」と再びステージに戻ったアンコールでは、NAIKA MC、N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)、TAKUMA(10-FEET)をゲストMCに迎えて「日はまだ高く」を披露し、オーディエンスは大興奮！そしてこの日の出演者が集結してのエンディングでは、全員が鬼に扮して「いい湯だな」を大合唱。『山人音楽祭2024』が、最高に明るく楽しい雰囲気の中で幕を閉じた――。

主催者、出演者、観客、スタッフのみなさん、そして地元・群馬の方々。参加する全ての人に熱い想いや特別な気持ちがあって、今年も無事、大成功で終わった『山人音楽祭』。こんな凄ぇフェスが長く続いている群馬が心から羨ましいと思ったし、守り続けてきた主宰のG-FREAK FACTORYに改めて尊敬の念を抱いた。

来年も『山人音楽祭』が無事開催されて、今年を超える最高の体験が出来ますように。心から願いながら「ダディ・ダーリン」を聴いて、今日の平和に感謝することにする。