G-FREAK FACTORY主宰「山人音楽祭 2024」、赤城・妙義・榛名の3ステージ、マエパ、MCバトルも復活し、5年ぶりの完全開催!熱狂の初日をレポ

ライブレポート | 2024.10.17 19:00

Dragon Ash

その堂々としたステージングに神々しささえ感じたOPナンバー「Entertain」に会場中が歌声を合わせ、ど頭から強烈な一体感を生み出したのは、赤城ステージのDragon Ash。Kj(Vo&Gt)が「飛び跳ねろ!」と煽り、会場を揺らした「Mix It Up」でライブを急加速させると、「Fly Over feat.T$UYO$HI」、「ROCKET DIVE」と続き、フロアをぶっ掻き回す。The BONEZ同様、意外にも山人初登場となるDragon Ashだが、あまりに違和感のない赤城ステージの立ち姿やオーディエンスの熱狂ぶりに、この出演が誰もが待ち望んだ必然であったことがよく分かる。「夏が終わっちゃうぜ!」と、夏の終わりギリギリに滑り込んだ「For divers area」で、サンバのビートに合わせて全力で歌い踊り騒ぐと、「百合の咲く場所で」のイントロに大きな歓声が起きる。そして僕は「百合の咲く場所で」をBGMに後半の展開が見れないことを悔やみながら、妙義ステージへと向かう。

山人MCバトル×戦極MC BATTLE

同時刻、妙義ステージで行われていたのは、妙義ステージの復活により、5年ぶりに開催された山人MCバトル×戦極MC BATTLE。バンドマンに無茶振りしてMCバトルをさせるなど、ここでしか見れない貴重な瞬間と数々の伝説を生んできたこのステージ。会場に着いた時には、山人MCバトル×戦極MC BATTLEの1回戦、真っ只中だったのだが、オープニングアクトとして、NAIKA MC×茂木洋晃のバトルが行われたことを後から聞いて、「見たかった!」とショックを受ける。しかし、戦極MCバトル代表であり、この日は決勝でMC☆ニガリをやぶって優勝したDOTAMAと、妙義ステージに登場したアイカワヒトミの対決という、超レアなバトル目撃出来たので、良しとする。見たいアクトのタイテかぶりは、フェスあるあるだし、フェスの醍醐味!MCバトルの決勝まで見たい気持ちをグッと堪えて、今度は榛名ステージへと急ぐ。

プッシュプルポット

榛名ステージでは、石川県金沢市の4人組ロックバンド・プッシュプルポットが、ライブの真っ最中!茂木に『山人音楽祭』に呼んでくれた理由を聞くと、「ファンだから」とひと言答えたとMCで話していたが、とにかくパワフルでアグレッシブなステージと明るくキャッチーな楽曲は、ものすごい求心力を持っていて、この日のライブの盛り上がりっぷりを見ても、初めて観る人たちの心をガッツリ掴んでいたのがよく分かった。ひたすら明るくハイテンションなライブ展開も良いが、グッときたのが、「13歳の夜」からのライブ後半戦。「出会ってくれてありがとう。また生きて会いましょう」と告げ、シリアスなテーマを気持ちいっぱいに歌う「13歳の夜」が、バンドや人間味の部分にグッと深みを与えて、続く、「生きていけ」が十分すぎる説得力をもって響く中、ラストは「最終列車」で勢いよく駆け抜けてフィニッシュ。初めて観る人の心にしっかり残り、『山人音楽祭』に大きな爪痕を残すライブだった。残念ながら、途中からしか見れてないけど……。

Age Factory

ライブハウスのような雰囲気を持つ妙義ステージの特性を活かして、まるでワンマンのような世界観を構築するライブに驚かされたのは、Age Factory。青白い光が射す、仄暗いステージに登場した3人。1曲目「Blood in blue」が始まり、「山人行ける?歌おう!」と呼びかける清水英介(Vo&Gt)に大歓声が起きて本格スタート。激しく鋭く攻撃的、かつ丁寧に。照明も効果的に使用して、彼らにしか出来ないライブを作り上げていった。「全然足りないんだよ!」と挑発して始まった「Shadow」を歌い終えると、拳を突き上げて応えていた観客から「もっと来い!」と逆挑発。「よし、行こうか?」と清水がニヤリと笑って「CLOSE EYE」が始まり、重厚なサウンドと感情むき出しのボーカルを食らわせて、「これが俺の気持ちや」と告げる流れなどは、シナリオがあったんじゃないか?と思うほどの神展開。さらに胸を締め付ける「向日葵」から、「みんな同じ景色に連れて行きたい」と始まった「TONBO」のシンガロング、ラスト「SONGS」で会場中が拳と掛け声を上げて生み出したエンディングまで。まるで一遍の映画を観たかのような、美しい流れと充実感のある満足度の高いステージだった。

MAN WITH A MISSION

山人音楽祭初日もいよいよクライマックス。G-FREAK FACTORYを控えて、赤城ステージにトリ前に登場したのは、MAN WITH A MISSION。フロアもスタンドもびっしり埋め尽くされた中、壮大なサウンドと世界観でオーディエンスと広い会場を包みこむ「INTO THE DEEP」でライブをスタートすると、Jean-Ken Johnny(Gt&Vo&Raps)の「思ウ存分カカッテキナサイ!」と余裕さえ感じる挑発から「Emotions」を投下。大げさでなく全員の手が挙がり、ワッと熱気が上がる会場。「Raise your flag」ではオーディエンスと吠え声を合わせて、「Hey Now」ではカウントに合わせて会場中が一斉にジャンプした。和テイストのイントロに歓声が上がった人気曲「絆ノ奇跡」で沸かせて、オオカミたちの期待通り、いや期待以上に大いに歌って踊る山人たち。MCではG-FREAK FACTORYとの長く深い関係を語ると、「コノアト、FOMAREとG-FREAK。群馬ハツ、群馬ヲ愛シテ、群馬ヲ育ンデ、群馬ヲ発信スル超絶カッコイイバンドサンガ控エテオリマス。群馬ガ誇ル最高ノフェスヲ楽シンデ下サイ」と語り、ラストは「FLY AGAIN」で会場中が両手を挙げて合わせ、最高潮の盛り上がりでフィニッシュ。遠慮のない全力のステージに、山人音楽祭への愛とリスペクトをしっかり感じた。

G-FREAK FACTORY

そして、山人音楽祭もトリを残すのみ。楽器隊がステージに上がり、ジャムセッションで抜群の空気を作ったところで、大きな歓声を浴びながら茂木がステージに登場。「G-FREAK FACTORY、始めます」と告げると、「SOMATO」でライブが本格スタート。「乞え-KOE-」に続いて披露した曲は、最新アルバム『HAZE』収録の「YAMA」。<KOされた街 誰もいなくなった>と歌う、この曲の背景にあるのは明らかに『山人音楽祭』が開催出来なかったあの時期。<アイツは腐らなかった 悪あがきさ>と当時の状況を歌い、<行こうぜもっと>と前向きな気持ちで結ぶこの曲を、ようやく完全復活することが出来た『山人音楽祭』で歌えている意味や意義を思うと、胸が熱くなる。MCではコロナ禍で中止になっても、規模を小さくしても、なんとか火を消さずに守り続けてきたことを話した茂木。「この中だけは、信じ合える空間にしたいです」と告げ、願うように祈るように「Fire」を届ける。続く「Too oLD To KNoW」ではそんな願いや想いを受け取ったオーディエンスが歌声を合わせて、「ダディ・ダーリン」では会場中のオーディエンスがスマホライトの光を照らす。その美しすぎる風景を満足そうに眺めた茂木は、「信じ合おうな」と語りかけて微笑んだ。ラスト、「明日もあるけど、来年もやりてぇな」と呟いて始まった「GOOD OLD SHINY DAYS」で明るく前向きにステージを終えると、鳴り止まない手拍子とアンコールの声に再び登場した4人。NAIKA MCを迎えての「KTKZ TO TAIYO」、「アメイロ」で初日をしっかり締めくくり、明日へとバトンを繋いだ。

本文中に名前が出てきていないが、HAWAIANN6やMOROHA、ザ・クロマニヨンズのライブも移動中に数曲だけ覗いていたり、俺が一番楽しんだんじゃねぇかと思うくらい、『山人音楽祭』初日を満喫した俺。夜も更けてすっかり涼しくなった前橋の街を歩きながら、大満足でホテルに向かうも。悔やまれるのが、スワンのカツカレーを食べられなかったこと!あと、これも本文中には出て来ないけど、夕方覗きに行った「MAEBASHI PARK PARTY」で出店してた、王里のもつ煮が売り切れてたことも悔やまれた。ま、それは2日目のお楽しみにとっておくことにして。

G-FREAK FACTORYのMCで茂木が言っていたが、実に入場者の6割強が群馬県民だという『山人音楽祭』。来場時に迎えてくれた高崎だるま、周囲を山に囲まれた風景や綺麗な空気が本当に素晴らしい妙義ステージ。さらにもつ煮など出店に並ぶ地元名物や、G-FREAK FACTORY、FOMAREといった群馬愛溢れる地元アーティスト、そして音楽に熱く真っ直ぐなオーディエンスと、『山人音楽祭』には群馬の良いところがギュッと凝縮されていることを思い出させてくれた初日。2日目も各アーティストのライブはもちろん、群馬のフェスだからこその魅力を存分に満喫したいと思った。

フジジュンの俺的タイムテーブル

公演情報

DISK GARAGE公演

山人音楽祭 2024

2023年9月21日(土)22日(日祝)日本トーターグリーンドーム前橋

■出演者 ※50音順
・9月21日(土)
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / おとぼけビ〜バ〜 / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット / The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV

・9月22日(日祝)
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 / 四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY

■山人MCバトル×戦極MC BATTLE 出場者 ※開催は9月21日(土)
アイカワヒトミ / Amateras / armadillo / MC☆ニガリaka赤い稲妻 / 小池潔宗 / Shamis / DOTAMA / ピラフ星人 / Bendy / 歩歩 / MAKA / ミメイ
DJ:R da Masta / 司会:NAIKA MC

  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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    赤城ステージ撮影

    HayachiN

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  • Kazuya Kohsaka

    榛名ステージ撮影

    Kazuya Kohsaka

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    妙義ステージ撮影

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