ポルノグラフィティ、デビュー25周年を締めくくる横浜スタジアム2Daysで「これからも一緒にこの解放区を大切に進んでいこう!」

ライブレポート | 2024.09.24 12:00

そして、「ヒトリノ夜」からいよいよラストスパートに突入。曲のサビでは観客の大合唱が起こり、パワーアップしたバンドサウンドとともに会場に大きな一体感が生まれる。そのバンドグルーヴに支えられ、伸びやかな岡野のボーカル、滑らかな新藤のギターが巧みに絡み合いながら、「Jazz up」の熱く濃い空間が築かれていく。
そんな場内の熱気は彼らのライヴで不可欠となっている「ミュージック・アワー」でピークに達し、ステージと観客の一体感が圧倒的な恒例の振り付けで果てしなく盛り上がっていく。渾身のボーカルと演奏、そしてエネルギッシュなライヴパフォーマンスに大きな歓声が寄せられる。そして、ビートに合わせた手拍子で始まったのは「アゲハ蝶」。フォルクローレ調のサウンドが夏の夜空に見事にマッチし、ラストのコーラスを観客全員が歌う中、岡野が力を振り絞って歌う姿が鮮やかな印象を残した。

岡野昭仁(Vo)

新藤晴一(Gt)

いよいよ本編最後となった楽曲は、このライヴのテーマでもある「解放区」だ。
「素晴らしい歌声をありがとう。みんなにとってこの空間が心の解放区になっていますか?わしらにとっても君らとこうやって過ごす時間が最高の解放区になっています。今日はどうもありがとう!」(岡野)
25周年シングルとして3月にリリースされたこの曲は、単純に希望を語ることが難しくなってきた時代であっても聴いた人の指針になってほしいというメッセージが込められたナンバー。自分たちの偽りのない気持ちを届け、メンバーがステージを去った後には「わしらにとってポルノグラフィティとは あなたにとってポルノグラフィティとは また答え合わせしよう」というメッセージがヴィジョンに映し出された。

熱烈なアンコールにこたえてステージに登場したメンバー。ここで、岡野の口から9月1日の因島公演の模様が全国の映画館で11月8日、9日、10日に上映されるという、嬉しい発表が行われた。
このあと、メインステージからアリーナ席後方のサブステージへと移動。2人が左右に分かれて乗っている特別仕様のリリーフカーの前には、「昭仁丸」「晴一丸」と書かれた大漁旗がそれぞれ掲げられ、客席の至近距離を通ることもあって、あちこちで声援があがる。

そして、サブステージでは新曲「ヴィヴァーチェ」を披露。強いメッセージをシャープなサウンドで伝える、気合の入ったナンバーが爽快な後味を残してくれた。曲を終えてサポートミュージシャンを紹介した後、岡野と新藤がファンに感謝の言葉を一言ずつ述べていく。
「ここにまだ立てるのは新記録を打ち立てた気分。これからも自分たちなりの新記録をみなさんと更新していきたいと思います」(新藤)
「今日は25年で一番いい歌が歌えました。20周年の東京ドームからここまで山を登っている感覚があったけど、頂上に登って最高の景色が見えています。今後も頂上でいい景色を見続けられたらと思います。みなさん、まだ力は残っていますか?でっかい花火を打ち上げよう!」(岡野)
その言葉に鼓舞された観客がいっせいにタオルを回す「Ohhh!!! HANABI」で再び熱狂を生み出し、最後はタイトルそのままに次々に花火が大量に打ち上げられ、横浜の夏の夜空を派手に彩った。

再びリリーフカーでメインステージに移動した2人は、ラストの「ジレンマ」を演奏。最後の曲にふさわしい、余力を残さない岡野の熱唱、新藤のキャッチーなソロなど、全力で走り抜けたこの日のライヴを象徴する曲と内容だった。
「あんたら、最高じゃ。あんたら、マジ最高。だからこそあんたら、胸張って行け!だからこそあんたら、自信持って行け!最高の記念日になりました、ありがとう」(岡野)

客電が点灯し、会場を見渡しながら名残惜しそうにゆっくりとステージを歩く2人。余韻に浸りつつ、これでライヴが終了と思っていると、なんと、メンバーにも知らされていなかったというサプライズが用意されていた。
25周年のセレモニーがアナウンスされ、岡野と新藤にはカップが手渡され、ビールの売り子がサーバーからビールを注ぎ、ウグイス嬢の音頭で乾杯をするという、スタジアムならではのこだわりの演出が。岡野の飲みっぷりに歓声が上がるという、ライヴではまずありえない微笑ましい場面が見られたのも、彼らならではの愛され方といえた。

そして、マイクを通さず会場に挨拶したあと、がっちり握手を交わした2人。その様子はスクリーンにアップになり、ファンからはひときわ大きな歓声が上がっていた。
ファンとともに歩み続けたことで見ることができた25周年の光景。次の30周年ではどんな光景が見られるのだろう。この先も確実な一歩を重ね、きっとさらに高い頂上に彼らはいるはずだ。そんな光景を見てみたい。

SET LIST

00.おいでよサンタモニカ
01.ネオメロドラマティック
02.メジャー
03.アポロ
04.狼
05.OLD VILLAGER
06.FLAG
07.カメレオン・レンズ
08.シスター
09.愛が呼ぶほうへ
10.むかいあわせ
11.ギフト
12.THE DAY
13.螺旋
14.Zombies are standing out
15.今宵、月が見えずとも
16.ひとひら
17.ヒトリノ夜
18.Jazz up
19.ミュージック・アワー
20.アゲハ蝶
21.解放区

ENCORE
01.ヴィヴァーチェ(新曲)
02.Ohhh!!! HANABI
03.ジレンマ

「因島・横浜ロマンスポルノ'24 ~解放区~」セットリストプレイリスト
因島:https://filtrjapan.lnk.to/rp24_inTW
横浜:https://filtrjapan.lnk.to/rp24_ykTW

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