筋肉少女帯、恒例の「#筋少の日」開催! 36周年はまだ折り返し地点、ロックバンド前人未到の70周年超えへ

ライブレポート | 2024.07.03 18:00

「#筋少の日2024」~筋肉少女帯メジャーデビュー36周年!
2024年6月21日(金)豊洲PIT

「あと36年! 行けるよね?」
88年のメジャーデビューから36年! MCの最中、いまなお折り返しとばかりに大槻ケンヂ(Vo)がメンバーに問うと、「行けるんじゃない? 大丈夫でしょ」と橘高文彦(Gt)が迷わず答え、ファンから大きな歓声が上がる。“#筋少の日”と呼ぶ、記念すべきデビュー記念日である6月21日。豊洲PITにて、筋肉少女帯の36周年記念ワンマンライブ『「#筋少の日2024」~筋肉少女帯メジャーデビュー36周年!』が開催された。

真っ赤な照明に照らされたステージに、Emerson, Lake & Palmer「Bitches Crystal」のオープニングSEで登場したメンバー。ジャカジャーンと音を合わせて始まった1曲目は、5月にリリースされた最新曲「医者にオカルトを止められた男」。サイキックアイドルを主人公とした物語調の奇天烈な歌詞や、いまどきのアニメ風MVを最初に見た時は仰天したが。ライブではオーディエンスが合わせる掛け声やクラップに妙な一体感とほのぼのムードが生まれ、意外にもOPナンバーにぴったり。そしてなにより、デビューから36年経った現在も4人が変わらずステージに並び、筋少以外のバンドからは決して生まれない独創的すぎる最新曲が聴けるのが嬉しい。

ヘヴィなイントロが会場の雰囲気をガラリと変えた「心の折れたエンジェル」へ続き、大槻の勇ましい歌声や白いドレスをなびかせてギターソロを奏でる橘高の美しさに見惚れてるとMCへ。「今日は筋肉少女帯メジャーデビュー36周年記念、#筋少の日だぜ!」の叫びに満員のフロアから大きな歓声が上がり、「この勢いで都知事選に出ることにしました!」と調子に乗る大槻。「ノッてるかい? イエ~イ!」とオーディエンスを煽る、大槻の思う“ロックなMC”から「日本を印度に」「してしまえ!」の掛け合いで「日本印度化計画」をぶっ放すと、間髪入れずに「踊るダメ人間」へと続く。

大槻ケンヂ(Vo)

橘高文彦(Gt)

サポートの長谷川浩二(Dr)の重厚なビートに乗せた、内田雄一郎(Ba)と本城聡章(Gt)の息の合ったアンサンブル、楽曲を激しく美しくドラマチックに彩る橘高のギターとサポートの三柴理(Pf)の鍵盤が混じり合いせめぎ合い、完璧な調和を見せる唯一無二かつ鉄壁のロックサウンド。そして、それに負けない大槻の圧倒的な存在感。筋少の代表曲と言える「日本印度化計画」や「踊るダメ人間」で見せつけた、その心震わす凄みや重みや説得力こそが36年の成果であり、現在の筋少の魅力だが。♪ダ~メダメダメ、ダメ人間!と歌声と振り付けを合わせる熱狂的なファンの存在も、36年の成果であり賜物。全員でダメジャンプを合わせてひとつになると、ライブ序盤ながらクライマックスさながらの熱気が会場を包む。

「ベースなんて弾いていられねぇぜ。マイク持って来い!」と荒ぶる内田がメインボーカルを務め、雄々しい歌声を聴かせた「モコモコボンボン」に続くMCでは、早くも次のツアーの開催を発表。10月2日(水)川崎 CLUB CITTA'から始まる『筋肉少女帯 ALL TIME BEST ツアー2024 ~今のことしか書かないで』の日程を告げて、36周年イヤーへの期待を煽ると、「36年、いろんな人へ感謝ですけど、特にこの方には感謝しないといけないと思います!」と「元祖高木ブー伝説」で再びフロアをブチアゲる。続く、「君よ!俺で変われ!」でエモーショナルな歌と演奏で聴かせて、切ないピアノイントロで始まるロックバラード「喝采よ!喝采よ!」で壮大な演奏に高らかに愛を歌い上げて。激しいだけじゃない、現在の筋少の魅力もしっかり見せて、ライブ前半戦を美しく締めくくる。

「もうじき還暦になるんで、そのタイミングでドーン!とやりたいと思ってるんですよ」という、大槻の前向きなMCで始まった後半戦。「ELP(Emerson, Lake & Palmer)が2010年のラストライブでおじいちゃんになって演奏してる動画を見て、感動したんだよ!」とこの日のSEにELPを選んだ理由を熱っぽく語ると、「年を重ねることを見せていくのはロックじゃないと思っていたんだけど、あえて見せていくのもロックなんじゃないか?と思って」と話す大槻に、「武道館がやりたいな」と提案する橘高。「20周年でやった時、“最後の武道館かも分からないな”と思ってステージに上がったんだけど。もう一度武道館に立てたら、“良いバンド人生だったな” と思えるかなって」とその理由を語る橘高に、「いいじゃない、武道館! やってやろうじゃない!!」と大槻が熱く応え、大きな拍手と歓声が上がる。36年目にして、新たな夢が見えたところで始まった曲は「新人バンドのテーマ」。<何年やっても新人バンドさ>と、ここからもピュアな気持ちで熱くデカい夢を持って前へ進むことを宣言する。

内田雄一郎(Ba)

本城聡章(Gt)

美しいアコギの調べにしっとり歌い上げた「蓮華畑」、内田のベースイントロで始まったノスタルジックな「おもちゃやめぐり」とライブでは珍しいレア曲が続くと、「定番曲もやりつつ、久しぶりの曲もやって、お得だなぁと思います。ほら、豊洲って遠いし、雨も降っているし。そんな中、みんなが来てくれたのが嬉しいんですよ」と、ファンへの感謝を照れくさそうに告げた大槻。会場中がペンライトを突き上げて<内面!内面!>の掛け声を合わせた「くるくる少女」で橘高と三柴が激しく美しい掛け合いを魅せ、ファンクでグルーヴィーな「ムツオさん」でオーディエンスを踊らせると、本編ラストとなる「50を過ぎたらバンドはアイドル」へ。「36周年をみなさんと共有出来て、良かったです!」の大槻の言葉通り、みんなでペンライトを振って“PPPF”を合わせて、幸福感溢れる空間を共有する中で本編を締めくくる。

アンコールでは、突き上げるビートに重厚かつ華やかなサウンド、気迫に満ちた歌声とシャウトで「イワンのばか」を披露。全身全霊、残る力を全て出し切るような渾身の歌と演奏にオーディエンスも拳を挙げて全力で応え、最高潮の盛り上がりでフィニッシュ。終演後、エンドSEの「楽しいことしかない」にフロアから自然発生的に合唱が起きるという美しすぎる光景を眺めながら、ひと言ずつ挨拶を残して名残惜しそうにステージを去っていくメンバー。あと36年! ローリング・ストーンズもまだ成し得ていない、ロックバンド前人未到の70年超えに向けて、筋肉少女帯の歴史はまだまだ続く――。

SET LIST

01. 医者にオカルトを止められた男
02. 心の折れたエンジェル
03. 日本印度化計画
04. 踊るダメ人間(四半世紀ver.)
05. モコモコボンボン
06. 元祖 高木ブー伝説
07. 君よ!俺で変われ!
08. 喝采よ! 喝采よ!
09. 新人バンドのテーマ
10. 蓮華畑
11. おもちゃやめぐり
12. くるくる少女(四半世紀ver.)
13. ムツオさん
14. 50を過ぎたらバンドはアイドル

ENCORE
01. イワンのばか

公演情報

DISK GARAGE公演

筋肉少女帯 ALL TIME BEST ツアー2024
~今のことしか書かないで

2024年10月2日(水)神奈川・CLUB CITTA’
2024年10月12日(土)東京・江戸川区総合文化センター
2024年10月19日(土)愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
2024年10月25日(金)大阪・なんばHatch

【Support member】Pf.三柴理 / Dr.長谷川浩二
【チケット料金】8,800円(税込/drink別)

最速先行 ハイストレンジネス・チケットメンバーズ受付
受付期間:2024年7月10日(水)お申し込み分まで
※未入会の方は7月3日(水)までに入会手続きをお願いします
ハイストレンジネス・チケットメンバーズご入会方法などはこちら

RELEASE

『医者にオカルトを止められた男』

『医者にオカルトを止められた男』

2024年5月8日(水)SALE

筋肉少女帯 メジャーデビュー35周年 &『レティクル座妄想』リリース30周年記念盤
  • フジジュン

    取材・文

    フジジュン

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    コザイリサ

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