威勢のいいガナリボイスを轟かせながら暇72が登場し、再びソロパフォーマンスパートへ。曲に憑依するような多彩なボーカルで「鏡鬱し」を歌い上げ、「後半戦も盛り上がっていけるか!?」と呼びかける。みことは持ち前の王子様キャラを存分に生かした煌びやかなポップソング「Juliet」で、歌詞に書かれた“君”に観客を重ねて真心を伝えるように柔らかい声を響かせた。LANは爽やかなポジティブソング「Flags」をピュアな歌声で披露。間奏で客席を端から端まで眺めながら腕を左右に振って観客を盛り上げる最中、彼は感極まったのか涙ぐむ。ソロだからこそできるパフォーマンスを重んじた6人それぞれのステージは、あらためてシクフォニがばらばらの個性を持った奇跡のグループであることを印象付けた。
MCで和気あいあいとした空気のなか観客とコミュニケーションを取ると、本編ラストは結成1周年を祝した楽曲「1ST OF ACE」。イントロで銀テープが飛び、メンバーも隙あらば積極的に観客を盛り上げ、ラストまで攻めの姿勢を崩さなかった。
エンドロールが終わるとすぐにアンコールを求める声が客席から湧き、ライブTシャツに着替えて再びステージに戻った6人はエモーショナルなロックナンバー「home」を歌唱する。最後のサビで6人が横並びでしっかりと肩を組み、《ここが俺たちの居場所だって》と歌う様子は、今のシクフォニの結束を象徴する1シーンだった。
6人はあらためてひとりずつ、自身の気持ちを語り始めた。前日の夜にデビューから今までを振り返ったと話すみことは、楽しいことも苦しいことも同じくらいあったと言う。「誰ひとり欠けずに6人でステージに立てたことが誇らしく、うれしいことです」「いつも応援してくれるリスナーさんのおかげで楽しく活動ができています。甘い言葉は得意ではないんですけど……みんなのことが大好きです」と感謝を告げた。雨乃こさめは人前に立つことやダンスに苦手意識があり、緊張で眠れない日もあったこと、ライブ当日の直前まで心が重かったことを明かす。だが動画投稿や配信と並行し、この日のために早起きをして練習を重ねてきたことを振り返り、直にファンの姿を見て多くの人々に応援してもらっていることを実感したと話す彼は、目を潤ませながら「ここに立てて本当に幸せです」「こんなに自分は頑張れるんだとわかりました。いいパフォーマンスができるよう一歩ずつ頑張っていきます」と今後への意欲を見せた。
2023年に7ヶ月間活動を休止していたすちは、メンバーに迷惑を掛けてしまったと自分を責めたことがあったと涙ぐむ。そして「今日もたくさん(歌詞やダンスなどを)間違えました。そのたびに悔しかった。こんなに悔しくなるほど本気で活動ができたんだなってあらためて思いました」「このメンバーとスタッフの皆さん、リスナーのみんなとなら、どこにでも行けると思っています」と充実を噛み締めた。6人の中で最も活動歴が長い暇72は天邪鬼な様子を見せながらも「こんなに立派な舞台に立たせてもらってありがてえなって思うんです。いろんな人が支えてくれて今がある」「こんな俺なんですけど、いつもありがとうございます」と真摯に感謝を告げる。だが客席からの「大好き!」の声に「俺は嫌いだよ!」と返すなど、いつも通りのキャラクターも炸裂させた。
「楽しかった」と感慨深く語るいるまは、結成からの1年半を「何度もライブというチャンスを掴み掛けては掴めなかった日々が続いた」「本当にライブが実現するのか?と半信半疑だった」と振り返る。初ライブで今までに見たことがない景色を見られたこと、ファンと実際に顔を合わせられたことへの感動を語ると、「シクフォニは良くも悪くもめちゃくちゃ素直で、面倒くさいやつらだと思われることもあると思います。だけど誰よりも真摯に活動に向き合っていくことは約束できます」と言い、東京ドーム単独公演への決意を新たにした。涙もろいLANは「初ライブまでめちゃめちゃ待たせちゃってごめんね」「いつも超イキってるけど、僕は本当に何もできないから。今日メンバーが無事にライブができて、みんなも無事に会場に来れて本当に良かった」と噛み締める。その後も「この1年半、死に物狂いで走ってきました。1stワンマンがガーデンシアターなんて(規模が大きすぎて)意味がわからんけど、本当に来てくれてありがとうな。みんな本当にいたんだね」と涙ながらに語った。
最後にメンバーは「全力でタオルをぶん回して」「最後一体となって締めくくりましょう」と観客に呼び掛け、ライブタイトルと同名の楽曲「Desperate Track」で華々しくエネルギッシュに1部を締めくくった。結成1年半で、新たなフェーズに入ったシクフォニ。今後より勢いを増していくことを予感させる、メンバーそれぞれの活動にかける心意気がまっすぐ伝わる約2時間の熱演だった。
SET LIST
01. J0KER×JOK3R
02. SHALL WE GONG!?!? -1st battle-
03. 僕らはその手を離さない。
04. アンダーリズムサーカス
05. d0gmq
06. Rainy Journey
07. Villainous
08. Breaking down
09. SCRaP&ReV0LuT1oN
10. 六幻
11. 鏡鬱し
12. Juliet
13. Flags
14. 1ST OF ACE
ENOCORE
01. home
02. Desperate Track