埼玉発のミュージック&カルチャーフェス『ぐるぐるTOIRO 2016』が、12月10日・11日の2日間にわたって<さいたまスーパーアリーナTOIRO>にて開催される。今回は、『ぐるぐる~』代表の川瀬拓さんが司会を務めるプレイベント、その名も『笹クリでか美 今夜はピロートーク』の様子をレポートしよう。
人前で音読するがはばかられるタイトルを冠した同イベントの主旨は、笹口騒音ハーモニカ、クリトリック・リス、ぱいぱいでか美という、『ぐるぐる~』ではお馴染みの常連アーティスト3組による公開トークショー&ミニライブ。このメンツが揃った時点である程度は予想していたが、ほとんどが絶対に文字に起こせない“ピーーー!”まみれの夜となった。
笹クリでか美 今夜はピロートーク
2016年11月14日(月)新宿NAKED LOFT
テキスト・写真:有賀 誠文
写真:堀清香
笹口騒音ハーモニカ、今後の野望は「とにかく“文化人”」
まず川瀬氏はイベントの趣旨説明に続いて、コラボメニュー“スギムのおっぱいチャーハン”などスペシャルメニューを紹介。意外や和やかな空気が漂う中、最初に登場したのは“『ぐるぐる~』のプリンス”こと、最多出場を誇る笹口騒音ハーモニカだ。かつて自身が率いていたバンド、太平洋不知火楽団として出場していた初期から、唯一オファーされなかったという2011年開催時も会場に行って勝手に演奏したというから、まさに『ぐるぐる~』を代表するアーティストと言えるだろう。
川瀬 (笹口氏の今日のファッションを見て)新しい衣装?
笹口 あ、ああ……(300円で購入したらしい奇妙なピンクのCAPを被りながら)。ちょっと今日、すみません。カメラが入るって知らなくてボロボロなんですけど。さっき5~6時間ぶっ通しでプログレッシブロックを練習してきたので……。
川瀬 ……。ここで笹口さんの出演歴を観ていきましょうかね
笹口 (唐突に)乾杯しないの? 月曜日によく来ましたね(笑)。ありがとうございます、かんぱーい!
<唐突にお客さんと乾杯する笹口氏>
川瀬 (乾杯を受け流し)『ぐるぐる回る』はもう3回出てもらってて、“うみのて”でも出てるし。 ぐるぐるTOIROは3回連続でしょ? ぐるぐるコエドとかレアなイベントも出演と、2010から11飛んで~12、13、14、15、16までと、沢山出てもらって。
笹口 多分ね、2011年は(名前が)書いてないですけど、出てますね。呼ばれなかったから勝手に出てると思います。『ぐるぐる』といえば笹口、笹口といえば『ぐるぐる』という感じで、癒着してますから。切っても切れない……。
川瀬 癒着って(笑)。この写真、どうですか?
笹口 これはバンド(時代)ですね。僕以外みんな悪の道に走ってしまいましたけど…(笑)
川瀬 これはどういう経緯で出たんですか? 僕はこの頃あまり存じ上げてなくて。
笹口 僕も覚えてないっすね。なぜ呼ばれたのか。
川瀬 2010年の『ぐるぐる回る』が、初めて埼玉スタジアムでやったイベントなんですよ。
笹口 その前は?
川瀬 『廃校フェス』って名前で、新宿の元小学校。2010年が『ぐるぐる~』って名前になってからの初めてのイベント。
笹口 ひとりひとりクレーター……じゃない、キュレーターがいて(笑)。その人に抱かれる、お尻をアレすると出られるイベントなんですよ、『ぐるぐる』っていうのは。だから川瀬さんともそういう仲なんですけど、このときも当時のキュレーターに抱かれたんでしょうね。
川瀬 (スルーして、)若いよね、でも。
笹口 そうですよ、まだ何も知らない頃に……ひどいことされて(笑)。「出たいなら言うとおりにしろ」って言われて、ひどい話ですよ。
川瀬 (再びスルーして、)2012年は、うみのてとソロで出てもらって。ほら、カッコいい。
笹口 これ、ヨダレ垂らしてるじゃないですか!!!(笑)。気持ち悪いですね。このとき<2ちゃんねる>に悪口書かれて、すごいなんか錯乱して。しかもバンドメンバーが俺のソロを観ないでGEZANを観に行くとか言ってて。それにブチギレしたりとか、まさに“ぐるぐる回ってる”ときですね、僕の頭が(笑)
川瀬 まあまあ、そんな感じで色々出てもらってて、最多9回! “ミスターぐるぐる”なんですけど、笹口さんにとって『ぐるぐる~』ってどういうイベントですか?
笹口 いや、もうね、日本一のフェスティバルですよ(笑)。『ぐるぐる~』しか呼んでくれないんで、他のフェスはよく知らないです。
川瀬 2010年当時はそんなにサーキットフェスとかってあまりなかったじゃないですか?
笹口 あ、先駆け的な。なんか、ちょっとでも名前が出ないと呼んでくれないですから、それまで地下の地下にいたから分からないですね。ライブハウスに騙されてずっとライブやってましたから。
川瀬 もっと使える話してくださいよ(笑)。なんか印象に残ってることないですか? 僕が覚えてるのは、『ぐるぐるコエド』っていう川越の廃映画館でやってるアコースティックのイベントがあって、そのとき(笹口氏が)ワイン持ち込んで、すごい酔っぱらってて超(時間が)押した、っていうのは覚えてますけど
笹口 そういう雰囲気にさせてくれるっていうのが、『ぐるぐる~』の良いところじゃないですかね(笑)
川瀬 笹口くんといえば『「ぐるぐる~」のテーマ』じゃないすか。
笹口 あれ5億円で作りましたから、まだ50万分の一も払われてないですけど。
川瀬 (笑)。笹口騒音オーケストラは『ぐるぐる回る』のテーマを演るために作られたバンドみたいなもんだもんね。
笹口 そうです、『ぐるぐる~』の箱バンドと言っても過言ではないですから。
川瀬 『ぐるぐる~』と関係ないんですけど、笹口くんって今後の野望とかあるんですか?
笹口 野望……なんですかね……野望……うーん……。ヤバい、ここまでスムーズに喋れてたのに(笑)。とりあえず“文化人”ですね。
川瀬 辻仁成みたいになりたいってこと?
笹口 ……いや、有吉(弘行)みたいに(笑)。ご意見番みたいになっていければと思ってるんですけど、なかなか、あまり面白さが外に出ていない(笑)。みなさん、笹口の面白さをもっと外に出してください。笹口を閉じ込めないで!!! 笹口を解き放て!!!
川瀬 (苦笑)……じゃあ、そろそろ告知して。
笹口氏は12thアルバム「YAOYA」を宣伝し、そのままミニライブへ突入。ぐるぐる回るにはじめて出演した時にうれしくて作ったという名バラード『ぐるぐる回る』を披露してステージを去った。