灯橙あか弾き語りワンマンツアー2023"ひとえまぶたに降る光"
2023年10月29日(日) 下北沢440
拍手に迎えられながら登場し「灯橙あかです、よろしくお願いします!」と挨拶し、透き通るような声で「リピート」を披露する。「手拍子、イケますか?」と呼びかけると、暖かな拍手が鳴り響いていく。「ありがとうございます!」とギターをかき鳴らし、続いて「ピーターパン症候群」へ。その歌声とメッセージがこもった曲に聴き入る観客たちは、曲終わりの1音が止まると大きな拍手を送っていた。
「改めまして、灯橙あかです。よろしくお願いします」と笑顔で客席に手を振る灯橙。続けて、「次の曲は私が大学生の時に作った曲なんですけど」と楽曲が出来上がった背景を話していく。「3マンライブの主催を任されることになって。学校で講義受けて、夕方に講義が終わったら大阪の事務所に行って準備して。終電で帰るっていう生活をやってたんやけど。あれよあれよと部屋が荒れていくわけ。その部屋を見ながら作った曲です」と、「荒れた生活」の演奏をスタート。灯橙の素直な歌詞はまさに当時の様子が目に浮かんでくるかのようだ。さらに、客席からは手拍子も。アコースティックギター1本のシンプルな演奏だからこそ、観客の手拍子も楽曲を作る一部になっている。続けて「喧嘩の後」、「火を吹くふたり」を披露。音数の少ないシンプルな「喧嘩の後」も、強いストロークの「火を吹くふたりも」も歌いこなしてしまうのは、かわいらしさと力強さが共存している歌声があってこそだろう。
ひと息つくと、「このワンマンツアーでは、もっともっとわたしを知ってもらおうと思ってて。身を削って(笑)、そういう話をしようと思います」とMCタイムへ。「器用そうとか、余裕そうとか言われるんだけど、全くそんなことはなくて。超不器用なんですよ。人間関係とかコミュニケーションとか諸々含めて下手なんだけど。顕著に下手くそだなってのが表れるのが、恋愛面で」と、自身の恋愛話を赤裸々に話していく。“最初は自分をよく見せようとするが、徐々に素の自分が出てしまう。反省するけど繰り返してしまう”という誰もが共感してしまう話をすると、実は今年の春に失恋してしまったことを告白。「そんな私が失恋の曲を3曲選んで持ってきました。反面教師にしてください。(笑)」という曲振りで「愛情表現」、「心置き」と披露していく。3曲目は「1週間前くらいに出来た新曲をやります」と、出来立てほやほやの「煙草とオレンジ」を優しい声で歌い上げ、会場を魅了していった。
「10月10日に新曲がリリースされました」と笑顔を見せた灯橙は、「自分でもびっくりするくらい、曲を出さないってことがメンタルに来ていた1年でした」と心境を吐露。「曲を書いて出すってことが私にとって重要なことなんだろうなって、すごくよくわかりました」と語り、小説『今夜、死にたいきみは、明日を歌う』の主題歌「今夜、死にたいと思った。だから、歌いたいと願った。」を歌っていく。さらに「抱きよせても」、「灯‐Tomoshibi‐」と披露し、“灯橙あかワールド”を広げていく。
続けて「内面を知ってもらえる話をする」と宣言した通り、中学生時代に友人たちの心ないイジりをうけ、心を痛めた体験を語っていく灯橙。「その中学生時代のことを考えながら作った曲で、今日は最後にしようと思います」と、ラストナンバー「ここでしか泣かない」へ。晴れやかな表情で「ありがとうございました」とお辞儀をして、一度ステージを後にした。
アンコールでは、「洗濯の歌」が。心が洗われるかのような美しい歌声を響かせると、「みんなに、ドでかい発表があります!」と2024年1月13日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行なわれるバンドスタイルでのワンマンライブ決定を発表。「将来的に、『初めての弾き語りのワンマンツアー行ったんだぜ』ってみんなが自慢できるようにがんばっていくので、これからも灯橙あかの応援をよろしくお願いします」とメッセージを送り、「今日の私が一番きれい」でライブの幕を下ろした。
01.リピート
02.ピーターパン症候群
03.荒れた生活
04.喧嘩の後
05.火を吹くふたり
06.愛情表現
07.心置き
08.煙草とオレンジ
09. 今夜、死にたいと思った。だから、歌いたいと願った。
10.抱きよせても
11.灯‐Tomoshibi‐
12.ここでしか泣かない
ENCORE
01.洗濯の歌
02.今日の私が一番きれい