【長岡米百俵フェス ~花火と食と音楽と~ 2023】 3DAYSレポート(10/8)

ライブレポート | 2023.10.13 16:00

GLIM SPANKY

 つんざくような亀本寛貴のギターで会場に風を巻き起こしたのはGLIM SPANKY。ストレートなロックンロール「Singin‘now」ではボーカル・ギターの松尾レミがハスキーな歌声でファンを圧倒していく。曲の合間には亀本と松尾が向かい合ってギターバトルを見せると場内のボルテージが急上昇していった。「夜の風を感じる曲」と紹介した「こんな夜更けは」ではセンチメンタルなメロディーを奏で、会場をしっとりとした雰囲気で包み込んだ。その余韻を漂わせた中で幻想的な「美しい棘」を投下。観客を心地よく酔わせていた。不穏な鍵盤の音から始まった「不幸アレ」では、深紅のドレスに身を包んだ松尾が「本当の地獄はここからだよ」とオーディエンスを挑発。狂気に満ちた支配欲をテーマにした楽曲で観客を揺さぶり続けた。「今日はラインアップ的にも、ロックのパートは我々だけだと思うんで、ロックをしっかり浴びて行って。ロックロックしていきますんで」という亀本のあいさつ通り、ロックのダイナミズムを感じる楽曲を観客に浴びせ続けていた。

HY

 三線の音に乗せてステージに入ってきたのは沖縄出身の4人組「HY」。ボーカル・ギターの新里英之は「みなさん楽しんでますか。新潟大好きHYです。さぁ、沖縄のあいさつで、みんなの元気な声を聞きたいと思います。はいさい!」と声を出すと、会場から「はいさい!」と返答が。ステージから少し離れたフードエリアに向けても、「はいさい!」とあいさつすると、かすかに「はいさい!」という声が聞こえていた。「今日はみんな大切な人と来ているよね。1人の人は大切な人を思い浮かべて」と始まったのは、「AM11:00」。かけがえない人に思いが届くように。願いを込めた無数の手が空に伸びていた。「沖縄でストリートライブをしていたときに歌っていた」と説明した「Street Story」では、演奏前に新里が「男性はグー。女性はパー。幸せをかき混ぜましょう」とカチャーシーを指導。「僕が『イーヤーサーサー』と言ったら、『ハーイヤー』と応えて」と始まった冒頭では、琉球國まつり太鼓を手にした奏者が、上手と下手から登場。真っ赤な太鼓を勇ましく打ち鳴らし、ゲレンデに沖縄の風を吹かせた。魂を揺さぶるパフォーマンスに、オーディエンスは歓喜し、全力のカチャーシーで応えていた。盛り上がる会場に「新潟大好き!」と笑顔の新里。「新潟の皆さんに支えられて、今年で24年目を迎えます。続けていて良かったのは、自分の心に芽生えた言葉を口にすると、願いが叶うということ」。と大好きな新潟のローカル情報番組「スマイルスタジアム」のオープニングテーマ曲に「きみが笑顔であるように」が選ばれ夢がかなったと嬉しそうに話す。「米や酒がおいしい新潟が大好き、また帰って来たい」と再会を誓っていた。

倖田來未

 スタート予定時刻の15分ほど前から待ちきれないファンが「くぅちゃん」と連呼していたのは、倖田來未のステージ。巨大なスクリーンに過去のライブ映像が流れ始めると、ワンマンのような空気に変化した。ダンサー6人を引き連れて登壇した倖田は、身体のラインがはっきり分かるセクシーな衣装で圧倒。「キューティーハニー」では「ハニーフラッシュ」で声を合わせ、ラッツ&スターの名曲「め組のひと」では鈴木雅之らも行っていた、目元にVサインをする「めッ!」の決めポーズで盛り上がった。「BE MY BABY」など幅広い世代に刺さる楽曲で会場を揺さぶり、ゲレンデをクラブに変えていた。艶がある歌声で引きつけるのはもちろん、男性のダンサーと絡み合うセクシーなパフォーマンスでは、会場から「キャー!」と歓声が上がっていた。MCでは「新潟に来るのは、2017年以来。約6年ぶり。アイラインが長めなんで、倖田來未は怖いと思われがちなんですけど」とうつむくと、会場の「かわいいよ!」の声で笑顔に。声の方向に視線をやると「意外と良いやつなんですよ」と語り会場を笑顔にしていた。最後に歌ったバブルガム・ブラザーズのカバー曲「WON'T BE LONG」では、ステージ左右に伸びた花道に向かい観客のすぐ目の前で歌とダンスを披露。艶やかな姿にハートを撃ち抜かれたアイドルファンがサイリウムを回転させ応戦していた。ステージを終えた倖田は「その、サイリウムをクルクルするのとか、『フー!』ってやつは、初めて聞いたわ。また遊びに来るからね。長岡最高!」と感謝していた。

RIP SLYME

 2日目のトリを務めたRIP SLYMEは、ごあいさつとばかりに代表曲「楽園ベイベー」を七色に輝くステージで歌唱。気持ち良く滑り出したライブの2曲目には3人体制になってから初めて2022年にリリースした「Human Nature」を披露した。「JUMP」ではサポートのおかもとえみとWISEと共に、“全てがプレミアムなみなさん”と、ジャンプで一体に。MCのRYO-Zが「しっかりジャンプをした後は、オレたちとこの曲で繋がってもらっても良いでしょうか。タオルでも、Tシャツでもブラでも何でも良い」と手にしたタオルを回転させながら「JOINT」を熱唱。場内のボルテージはグングン高まって行った。「しっかりジャンプして、『JOINT』で繋がって、最後はバカになってもらって良いですか」と呼びかけると「FUNKASTIC」で会場のムードを最大限まで引き上げた。熱を帯びた聴衆に向け、「夏の思い出をしっかり作って行きましょう」とメッセージを送ると、最後に「熱帯夜」を投下。真夏に舞い戻ったような熱気のまま、この日のライブをピースフルに閉じた。

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