ゆず、Kアリーナ最終日は弾き語り×フルバンドの豪華ハイブリッドライブ!前人未到のこけら落とし公演を成し遂げる<DAY3>

ライブレポート | 2023.10.11 15:00

ゆず
YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI
in K-Arena Yokohama
DAY3 BEAUTIFUL × FUTARI & ALL STARS
2023年10月1日(日)Kアリーナ横浜

YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama
<DAY1>BLUE×FUTARI のライブレポートは≫こちら!
<DAY2>DAY2 RED × ALL STARS のライブレポートは≫こちら!

 10月1日、日曜日、いよいよ3日目がやって来た。「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」、3日目のテーマは「BEAUTIFUL×FUTARI&ALL STARS」で、テーマカラーはターコイズブルーに近い落ち着いた色合いだ。会場いっぱいに目に優しい色彩が溢れる中、2日目と同様にフルバンドセットで「ヒカレ」からスタートしたこの日のライブ。続く「うたエール」までは昨日と同じだが、その後は二人だけがステージに残り、「贈る詩」「サヨナラバス」と、初日で披露した楽曲を歌うハイブリッド方式でライブは進む。一粒で二度おいしい、つまりこの日のライブだけを見た人は、2日間のおいしいところだけを楽しめるというわけだ。

 どの曲も2度目で経験値が上がったせいか、この日はCS放送で生中継されるので張り切ったせいか、「うたエール」での100人を超えるダンサーたちの圧巻のパフォーマンスも、高精細ビジョンを最大限に駆使した超クリアなライブ映像とアニメーションやCGの演出も、細部の完成度がワンランクアップしたように見える。爽やかなブルーの服に身を包み、3日連続とは思えない猛烈なスタートダッシュで歌い上げる二人の気迫も満点だ。

「今日は弾き語り、フルバンド、両方をぎゅっと凝縮した、最高のライブをみなさんにお届けしたいと思っています」

 ここで早くも、初日のハイライトとなった大作メドレー「響語り」が登場する。ゆずがデビューから25年の間に作った、平和への願いを込めた祈りの歌たちを集め、強いメッセージとして打ち出す試み。「はるか」「Hey和」「1」「虹」「SEIMEI」、そして再び「はるか」に戻るメドレーは、歌詞の内容が有機的に絡み合い、ビジョンに映し出される風景も、戦場、大地、人の暮らし、動物の営み、そして宇宙に至るまで、生命の大きなサークルを描くもの。800台の照明と18本の可動式トラス(照明台)、70台のレーザーが作り出す空間は、巨大スクリーンで3D映画を見ているように壮観だ。

 ここからは再びバンドと共に。サウンドプロデューサー、キーボーディストとして活躍する斎藤有太とバンドメンバー=HIBIKIオールスターズを誇らしげに紹介し、小さい子供から80代まで揃った観客と対話をしながら、なごやかにライブは進む。「桜木町」「タッタ」「夢の地図」と続く曲順は昨日と同じ、2万人の手拍子のリズムに乗って心地よい音のクルーズ。「タッタ」ではホーン隊の3人もステージ前に飛び出して、ダンサーたちと楽しくセッション。「夢の地図」のバルーン転がしも昨日に負けない大騒ぎで、センターステージの先端で北川が観客を煽りまくる。ハッピーなヴァイブスが広い空間を満たす、とても素敵な時間。

 休憩時間のお楽しみ、3日連続の映像企画「ゆずが行く! おすすめスポットin横浜」は今日が完結編で、「日産サクラ」に乗って二人が向かうのはぴあアリーナMMとカトレヤプラザ伊勢佐木。桜木町が最寄り駅のぴあアリーナMMは、3年前にゆずが(コロナ禍のため)映像配信でこけら落としをした思い出の地。カトレヤプラザ伊勢佐木は言うまでもなく、ゆずが誕生した路上ライブの現場、伊勢佐木町の象徴的スポット。「何度もコスり倒した場所」と照れながらも、笑顔で記念写真に納まる二人。いい表情だ。

 変幻自在の照明トラスが幻想的な光を投げかける「REASON」、力強く前進するリズムに乗った2万人の手拍子が頼もしい「君を想う」、北川の吹く鍵盤ハーモニカのあたたかい音色が郷愁を誘う「雨のち晴レルヤ」。センターステージの二人が、メインステージのバンドと呼吸を合わせながら広がりある音を紡ぎ出す。音楽に特化した音響システムを持つKアリーナならではの、包み込まれるような音体験。爆音なのにうるさく感じない、体に優しい音空間が嬉しい。

 ここで満を持して登場したのが、昨日の「RED×ALL STARS」で最も熱狂的な興奮の渦を巻き起こしたスペシャルメドレー「ULTRA HIBIKI PARTY」。巨大なDJ台の上でゲストDJのTeddyLoidがターンテーブルを操り、ギンギラのラメ衣装の北川がダンサーたちと共に激しいパフォーマンスで煽りまくる。ステージ後方、暗闇で光るLEDジャケット着たダンサーたちの、一糸乱れぬ動きも壮観のひとこと。ビジョンの中で踊る、ゆず太郎の進化型ロボットYZ-TAROの可愛さも含め、どこを切ってもハッピーの要素しかない楽しい時間。が、実は、YZ-TAROは争いの果てに人間たちが消えた100年後の未来から、平和だった2023年へタイムリープして今ここにいるという設定が、映像で説明されている。初日のメドレー「響語り」とも通じる、たぶんこれが今ゆずが一番伝えたいこと。底抜けの楽しさの中に秘めた、静かな平和への願い。

 ここからは「少年」と「夏色」の二連発で、ゴールラインへ向けて一気に加速。初日はアコースティック、2日目はバンド、3日目の今日もバンドサウンドだが、恒例のチャイム・パフォーマンスで一瞬タイミングが遅れた北川のために、ドラムの河村吉宏がゆっくりとリズムを刻み、二人で目を合わせて大笑いするシーンがあるなど、ライブならではの変化もあってとても楽しい。普段はあまり表情を崩さない岩沢も終始笑ってる。

「俺たちの思いと歌を、この会場に響き渡らせたい。それと同じくらい、いやそれ以上にみんなの思いを響き渡らせたい。『HIBIKI』というタイトルをつけて本当に良かったと心から思ってます」

 昨日と同じくオープニング映像が繰り返されたあと、ラストを締めくくるのは「ビューティフル」だ。北川と岩沢を中心にダンサーたちが激しく、踊り、飛び跳ね、伏せ、再び立ち上がる、ミュージックビデオと同じ完成度の高さをキープしながら、よりアクティブでエモーショナルな圧巻のパフォーマンス。20000人の手拍子がバンド演奏よりも大きく聴こえる。2日目の後半は観客が息を呑むほどの完成度を見せてくれたが、ほぼ同じ選曲の今日はもっと伸びやかで自由度が高く、観客のレスポンスも大きい気がする。これがライブだ。

「すげぇいいのができちゃったから。来月またここでやります!」

 アンコールでは、嬉しい発表が聞けた。1曲目、華やかな“旗振りダンサーズ”をフィーチャーした「Frontier」を歌い終えた北川のサプライズ発表に、20000人の祝福と歓迎の拍手が降り注ぐ。11月18日(土)、19日(日)、Kアリーナ横浜。これは見たほうがいい、いや見るべき価値がある、いや見ないと駄目。

 ラストを飾る「栄光の架橋」の、20000人をリードシンガーにした大合唱の壮大なフィナーレに浸りながら、「誰にも超えられないこけら落としをやる」(北川)という決意は本物だったと実感する。初日のアコースティック、2日目のバンド、3日目のハイブリッドと、様々な表情を見せてくれた「YUZU SPECIAL LIVE 2023 HIBIKI in K-Arena Yokohama」は、ゆずの最高到達点であり、新たな始まりだ。前人未到の道を開拓しながら、ファンと共にもっと輝ける日を目指してゆずの旅は続く。

SET LIST

<SET LIST>
01.ヒカレ
02.うたエール
03.贈る詩
04.サヨナラバス
05.響語り(はるか/Hey和/1〜ONE〜/虹/SEIMEI/はるか)
06.桜木町
07.タッタ
08.夢の地図
09.REASON
10.君を想う
11.雨のち晴レルヤ
12.ULTRA HIBIKI PARTY
(恋、弾けました。/マスカット/奇々怪界-KIKIKAIKAI-/言えずの♡アイ・ライク・ユー/RAKUEN)
13.少年
14.夏色
15.ビューティフル

ENCORE
01.Frontier
02.栄光の架橋

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