ExWHYZ TOUR 2023 xANADU
2023年4月1日(土) Zepp Haneda(TOKYO)
4月1日、「ExWHYZにayuniことアユニ・D(BiSH / PEDRO)が加入する」という衝撃のニュースが流れた。日付が変わったと同時に公開されたインタビュー動画内で、ayuniはグループ加入のオファーを受けた時の心境について「音源とか聴かせてもらって、すごいいいなと思ってたんですけど、ExWHYZには何かが足りないなって思っていて。私が足りないのかって思えたので、すんなり受け入れましたね」と話す。その様子は新メンバーの初々しさよりも、プロ野球の助っ人外国人選手のような逞しさを感じた。そして渋谷では「アユニ・Dはいただきました」と書かれた街頭広告ジャックなどの広告が打たれ、話題は瞬く間に広がっていった。
なんと言っても、この日は東京・Zepp Haneda(TOKYO)でExWHYZのワンマンツアー「ExWHYZ TOUR 2023 xANADU」の初日公演(YouTube Liveでの生配信も行われた)。会場では入場時にayuniも参加したExWHYZのニューアルバム『xANADU』のCDが サプライズで来場者全員に配布された。
開演時間になり場内の明かりが落ちると、篠田ミル・山田健人(yahyel)が楽曲提供をした「xANADU」が流れてステージに大量のスモークが焚かれ、青いスポットライトが煌々と光る中、yu-ki、mayu、midoriko、maho、mikina、now、そして電撃加入をしたayuniが登場。続いて2曲目も篠田&山田が提供したエレクトロチューン「BLAZE」で個々の力強さを見せて、3曲目の大沢伸一(MONDO GROSSO)プロデュースによるレイヴ・チューン「Des Speeching」ではユニゾンとしての歌唱力の高さで魅了した。
yu-kiが「新メンバーにayuniちゃんが加入しました!」と改めて報告すると、会場から大きな歓声と拍手が起きた。ayuniはフロアを見渡し「“あたい”という名のピースが埋まったからには、今日は特大花火をぶちかましたいと思います」と力強く宣言し、MVが公開されたばかりの「FIRST STEP」へ。この曲はnowが作詞を手がけ(作詞家岡嶋かな多との共作)、 久保田真悟(Jazzin'park)がプロデュースを務めた煌びやかなロック・チューン。mayuとmahoが交互にサビを歌唱すると、観客も一緒になって腕を振って一体感を生んだ。
冒頭からキレのあるダンスとポップネスな楽曲「SUPeR SIMPLe」を披露したところで、7曲目はミディアムテンポのR&B「Walk this way」でスキルの高い妖艶なフェイクを活かして、優雅なムードを創出。その後、気鋭のクリエイターKBSNKが手がけたエモーショナルなドラムンベース「メトロノーム」、小気味のよいリズムと幻想的なサウンドが交差する「DIVE」、アーバンポップな「Darling」を歌唱。曲を重ねるたびに、我々は彼女たちの放つ多彩なビートの海へ潜っていった。11曲目「Everything」で、またもや景色は一変。7人が横一列に並び、一灯のスポットライトがメンバーを順に照らす。サビではメンバーと一緒になって手を挙げる観客。フロアにはライトバンドをつけた無数の腕がゆらゆらと動き、まるで青と紫の蝶々が飛んでいるかのようなユートピアな世界を生んだ。
新曲11曲を歌ったところで、mayuがマイクを握る。「ここでお知らせがありまして……今、この瞬間を持ちまして、ayuniっちがExWHYZを脱退することになりました」と報告するとザワつく場内。ayuniも「正直しんどくてたまらない」とは言ったものの「ただ、この人たちと方向性が合わないというか、価値観の違いっていうか。あとLINEの返信の遅さとか……ちょっと色々合わないんで脱退させてもらいますわぁー!」と笑いを誘った。「気づいている方もいらっしゃると思いますけど、今回はエイプリフールの企画でした。(ayuniに対して)忙しい中、レコーディングから振り入れ、MVの撮影までやってくださってありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えると、観客も拍手でayuniを讃えた。
ここで6人のステージに切り替わり、後半戦は高揚感のあるダンサブルな「Shall We」でスタート。<手の鳴る方へ Shall We Dance?>と声高らかに歌いライブのピークをさらに更新した。その後、「Higher」「Secret Secret」「Obsession」を連打して、ラストは「You & Me」で本編を締め括った。アンコールで6人が姿を見せると、mikinaが優しい口調で話し出した。「今日は特別な企画だったけど、こうやってみんなで楽しめたら良いなということを考えてね。私たちも、超楽しかったよね。こうやって楽しいことを一緒に積み重ねていって、私たちだけの時間を作って、それを続けていきたいなと改めて思いました。また会おうよ。最後は……みんなと私たちの曲です」と言って、記念すべきツアー初日は「STAY WITH Me」で幕を閉じた。
そして6人に呼び込まれて、再びayuniが登場。「ものすごくカッコいいですね、ExWHYZは。PEDRO(アユニのソロプロジェクト)ではレーベルメイトなんですけど、これを機に初めてメンバーと深く関わったんですよ。(6人が私を)優しく受け入れてくれて、ずっと温かい心で接してくれて。振り入れも付きっきりで教えてくれて。本当にこの6人が大好きになりました」と言って、mayuは「(ayuniから)人間としてのカッコいいところとかステージのスタンスとか、たくさん学ばせてもらいました。“ayuniプロ”なんですよ。振り入れも毎回巻きで終わるの」とお互いを称え合った。ayuniは「次はBiSHとの2マンを控えていたり、武道館(「ExWHYZ LIVE at BUDOKAN the FIRST STEP」)もありますので、皆さん是非行きましょ!残り1ヶ月で新しくパワーアップした姿を見せてくれると思うので、よろしくお願いします」と檄を飛ばした。
しかし、サプライズはこれで終わりではなかった。メンバーが袖へはけて観客がステージを出ようとしたら、アナウンスが流れて急遽「xANADU」の爆音試聴会を行うことに。ExWHYZの新譜をZeppで堪能するなんて、他では経験できない贅沢な時間だった。観客は「#俺とお前で音源チェック」とつけてリアルタイムで感想をSNSに投稿し、見事Twitterでトレンド入りを果たした。とにかく、何から何までスペシャルな1日だった。
SET LIST
01. xANADU
02. BLAZE
03. Des Speeching
04. ANSWER
05. FIRST STEP
06. SUPeR SIMPLe
07. Walk this way
08. メトロノーム
09. DIVE
10. Darling
11. Everything
12. Shall We
13. Higher
14. Secret Secret
15. Obsession
16. You & Me
ENCORE
01. STAY WITH Me