StayLuck presents 浪川大輔 SPECIAL LIVE 激アツ超絶ロックナイト!!、昼夜公演をレポ

ライブレポート | 2023.03.30 18:00

StayLuck presents 浪川大輔 SPECIAL LIVE 激アツ超絶ロックナイト!!
昼公演:フォークアフタヌーン
夜公演:激アツ超絶ロックナイト!!
2023年3月5日(日)品川プリンス ステラボール

2023年3月5日(日)、声優・浪川大輔のソロライブ「Stay Luck presents浪川大輔 SPECIAL LIVE 激アツ超絶ロックナイト!!」が品川・ステラボールで開催された。
本ライブは昼/夜の2回公演だが、チケット前売り分は完売。開催直前まで注目を集めていた本ライブは、何せ昼は「フォークアフタヌーン」という名のアコースティック仕様で、さらにトークをメインディッシュとしたレアな構成で、夜は限界突破必至のロックに特化した本気ライブというのだから、これはぶっちゃけ、ファンにとっても(もしかしたら本人にとっても)生唾を飲むようなドキワク案件なのだ。目撃できずに悔しい思いをした人のためにも、ラッキーに立ち会えた人のメモリーにも、そして浪川大輔のライブを今日知ることになる人にも宛てて、今日の昼夜浪川大輔ライブで何が起きたのかを誠意を込めて伝えたい。

暗転して会場の呼吸が瞬時に整ったのと同時に、春の日差しに等しいほどの爽やかな光が、バンドを照らした。ベージュのチノパンに今回のグッズであるスカイブルーのノンストレスTシャツを軽く捲り、なんとも心地よさそうに椅子に腰掛け、歌い出す浪川大輔の姿があった。曲は「空色追想歌」だ。一人一人に語りかけるような姿勢と眼差しにギャラリーの瞳が緩んでいく。―(ファンと過ごす)この場所が好きだ、と言っている気がした。バンドに灯した黄色いサイリウムに多幸感が満ちていた。

会場である此処ステラボールは、浪川大輔が初めてソロライブをした思い出深い会場でもある。Drのキム兄が、初めて浪川のライブ入りした時の思い出を語った。「ファーストソロライブが確かここで。入る時に信じられなくらいの土砂降りで…!」その流れで浪川が「今日もこれから降るんでしょ!?」と驚愕の一言を放った。雨男伝説は今日も健在らしい。
バンド紹介から早速バンドメンバーにイジリ倒されたところで、ギャラリーからの質問コーナーへと移った。そしてお悩みにもイジられる。全員が、笑う。
メンバーそれぞれが超絶テクを保持しながらにして楽器を持たなくとも何かができる条件で集まったという贅沢なバンド、ノンストレス。ラフなトークと共に会場は驚くほど自然にユートピアと化した。

ゆったりと演出されたライブが抒情に興奮を煽っていく。「No theory」だ。ひらりと浪川大輔が立ち上がり、間奏でフリを会場の隅々にまで届けて回る。普段それぞれの場所で自分の活動を励みに頑張ってきて、心躍らせて集まったギャラリーが期待しているものをちゃんと届けてくれるー浪川大輔は、ノンストレスは、そういう声優であり、そういうバンドだと思う。その優しさをギャラリーはとてもよく知っているし感謝もしている、そんな光景が広がっていた。
ウッドベースを合図に「Alrighat!!」が始まると、待ち合わせていたようにクラップで応戦。この日この場所でしか聴くことがないかもしれないだろう、昼下がりに溶け込む少しジャジーなナイスアレンジが続き、格別なムードで観るものを魅了していた。
コロナがあり、当然のことながら人々が、そして浪川自身も大いに苦しんできた。だからこそ一層にライブへの音楽へのファンへの気持ちが入る…浪川大輔がコロナ禍からの想いを語ると、ピアノが滑らかに走り「マボロシ・ファンタジスタ」を歌い出した。歌詞、メロディ共に多くの人の心を支えている人気曲の一つだ。その流れを力強さに変えて「太陽」へと続いていく。

「想いを込めすぎて重くなってきちゃったから…そろそろノンストレスらしくしていきましょうか!!」その合図で始まったのはゲーム「ストレスしかない ジャスチャーゲーム」。
バンドメンバーが2つのチームに分かれ、観客のジェスチャーを当てていく、というものだ。景品は豪華黒毛和牛。ライブ後の生配信で実食風景を披露するというから、ノンストレスというバンドは体力無視でどこまで親切なのだろうかと思う。集まったギャラリーそれぞれの顔をまじまじと見て、明るくツッコみ合うバンドメンバーたち。自身が罰ゲームを受ける前に不意打ちゴムパッチンをお見舞いしちゃった浪川大輔。ギフトだらけのゲームタイムを経て、ラストソング「ノンストレスナイト」へ向かった。
みんなの声が聞けて嬉しかった!―そう話す浪川の瞳が眩しい。アンコールには「スパイス」、「なりたいありたい」を贈った。
“ちょっとした幸せ”を感じて生きていきたいー浪川大輔は最後にそんなことをサラリと言った。様々な混沌が渦巻く中で、或いは様々な煩悩が渦巻く中で、浪川大輔は人が持つ唯一のモノを照らそうとしているのかも知れない。それは“思いやり”にも似た、誰もが持っているはずの価値あるモノだ。
心弾むような清々しい拍手が響いた。最後は大量の感謝の言葉でシメるノンストレス。見終えた後の人の心に、“ちょっとした幸せ”が温度を持ち、その後言葉を交わすなどした また別の誰かにちょっとしたしあわせをもたらすこともあるのだろう。その連鎖はきっと浪川大輔率いるノンストレスが願っていたものなのかも知れない。
余韻を味わいながら、ほんの少しのインターバルを経て、夜公演へと進む。

SHARE

最新記事

もっと見る