PiXMiX 5th Anniversary LIVE 2022年10月22日(土) 新宿ReNY
東宝芸能所属のアイドルグループ「PiXMiX」が2022年10月22日に、新宿ReNY(東京都新宿区)で結成5周年を記念したライブ「PiXMiX 5th Anniversary LIVE ~まだ、旅の途中。ReNYには君がいる。~」を開いた。ステージでは新曲「今宵、この指とまれ!」を元気いっぱいに初パフォーマンス。青いサイリウムを揺らすファンに、リーダーの大谷美咲(19)は「未完成のパーフェクトガールズが、いつか完成する日まで、ずっとそばにいてくれたらと思います」と呼びかけていた。
2017年に結成され、2019年10月23日にシングル「その先へ」でメジャーデビューを果たした少女たち。冒頭では、6人でスタートを切った5年前からこれまでを振り返る映像が、舞台の後方に設置されたスクリーンに流され、節目のライブの始まりを盛り上げていた。
赤いトップスとデザインが目を引くジーンズで登場した⼤⾕の歌で始まった「ソーダトニック」では、同曲のミュージックビデオと同じ、ビタミンカラーの衣装に身を包んだ4人がステージに登場。ボーダー柄のミニワンピースに身を包んだ武内愛莉と、オレンジ色のショートパンツ姿の桐島⼗和⼦は、その美脚でもファンを魅了した。レモンイエロー柄の和泉芳怜は、弾ける笑顔を見せ、会場が一気に華やいだ。
「ピクミクパーティー!5周年バージョン!」と大谷が叫んだ、2曲目は新体制になって歌詞を新たに書き直した「ピクミクパーティー! 5th Anniversary ver.」を投下。「パーティーは終わらない!」とシャウトする4人に合わせて、声の代わりにサイリウムが呼応するように大きく揺れていた。
アップテンポな「学園スローモーション」では、ペアダンスから、4人揃いのダンスへと展開するなど、ダンスでも観客をくぎ付けに。銅鑼が響く中華風のメロディーが印象的な「你们好!~ニーメンハオ~ 」では、キュートさを封印し、攻めのダンスでファンをあおり続けていた。
額にふき出した汗をぬぐった大谷は、最初のMCで「新宿ReNYにお越しのみなさま、ありがとうございます。5周年記念ライブ、成長した私たちの姿を見てください」とあいさつ。和泉は「私たちが東宝芸能のアイドルとして、初めてステージに立ったのが新宿ReNYでした」と感慨深げにコメント。武内は「緊張がすごくて、メンバーと目が合うたびに、『やばい。やばい』と言っていました。昨日からずっと緊張してる。いつもステージに立つと(緊張が)吹き飛ぶのに、今もしているの」とそわそわした様子を見せていた。
和泉が「私のPiXMiXの推し曲」と紹介した「Raise the sail!」では、右手を突き上げて跳ねながら熱唱。ベルが響くイントロが、ホリデーシーズンを感じさせる「クリスマスココア」では、愛しい相手を思う切ない気持ち、楽しくてたまらない気持ちなどを、歌はもちろん、その表情や仕草でも表現。歌やダンスと共に向上した表現力で、聴き手を切なくさせた。
桐島と和泉が残ったステージでは、気になる相手に思いを告げられない少女の切なさをつづった「コイワズライ」を2人だけでしっとりと歌い上げていく。ツインボーカルで展開することで、それぞれの思いが際立ち楽曲の世界観がダイレクトに迫ってくる。桐島と和泉が手を合わせて回りながら歌う場面では、互いを鼓舞するようにうなづくなど、心情が伝わるパフォーマンスを見せていた。
同曲の終盤には、和装衣装に着替えた大谷と武内が桐島らとバトンタッチ。指ハートを作りながら、「チョコレート・リグレット」を歌い、ファンをノックアウトした。高い歌唱力を持つ大谷と武内の美しいハモリは圧巻のひとこと。見せ場の後に、大谷らと同じ衣装に着替えた和泉らが2人に合流すると、大谷、武内、桐島、和泉が横一列に並び「思いを届けたい」と歌詞に願いを込めていた。
桜の花びらが舞う中でイントロが奏でられた「青き桜」では、信じる気持ちを持つ大切さを、歌い上げていく。大谷が「♪誰にも邪魔させない」と決意を込めると、フロアで揺れていたピンク色のサイリウムがブルーへと変化。成長していく少女たちを優しく見守るファンの温かい気持ちが会場に広がっていた。
4人が一度、楽屋へと下がった時間には、メンバー1人1人に、一問一答をする映像をスクリーンで上映。「器用か不器用か」と問われた和泉は「手先は器用だけど、人としては不器用」と回答し、会場から笑いも。「出身地は」と問われた武内は、「生まれたところですか?」と、天然ぶりを発揮し、会場を和ませていた。「マイブーム」を聞かれた桐島は「赤ちゃんの動画を観ること」とデレデレになっていた。「作詞をする上で大切にしていること」を聞かれた大谷は真剣なまなざしで「みんなに何を伝えたいか」と真摯に回答。新しいチャレンジに、フロアから拍手が起きていた。
大谷が「笑顔になってほしい」と思いを込めて歌詞を書き下ろした、「今宵、この指とまれ!」を初披露する場面では、イントロが流れる真っ暗なステージにメンバーがスタンバイ。歌い始める瞬間に大谷が「まだらしいよ」と止めると、歌う気まんまんだった和泉が「えっ。もうやだ、恥ずかしいー―――!!!!」と上手の袖へ猛ダッシュ。残された3人は、「えっ。待って。待って」とみるみる小さくなる和泉の背中を、「?」の表情で見つめていた。観念して戻った和泉は「こんな新衣装のお披露目じゃなかった。みんな1回忘れてください」と会場に懇願。
仕切り直して始まった「今宵、この指とまれ!」では、大きな白いえりが特徴的な、スカイブルーのミニドレスに着替えた4人が、パニエでふくらんだスカートを翻しながらパフォーマンス。間奏では、「せい、やっ!」と勇ましい掛け声をあげながらジャンプをするなど、かわいさとかっこよさを共存させたダンスで観客をわかせた。
10月19日にアルバム『まだ、旅の途中。隣には君がいる。』をリリースしたばかりの4人。2枚目のアルバムでは、4人体制になって新録した曲もあり、「Bloom」、「その先へ」、「Pump It Up!」と続けた。「飛ばせ!紙ヒコーキ」では、「♪飛ばそう 一緒に紙ヒコーキ」と歌うシーンで、ステージからフロアに向かって4人が折り紙で作った紙飛行機をふわりと飛ばした。コロナ禍で紙飛行機を飛ばすことを自粛していたため、大谷は「久しぶりに紙飛行機を飛ばせました」と満足そうな笑顔を見せていた。
本編の最後に歌った「ノンフィクション」は、大谷が4人体制になった時の思いを歌詞につづった曲。歌唱途中で大谷は何度も声を震わせ、大きな瞳には涙が浮かんでいた。曲の中盤には武内が差し出した手に、大谷、桐島、和泉が手を重ね気持ちを一つに。和泉も泣き崩れそうになりながらも懸命に歌を届けていた。赤い目をした大谷は「この5年間、色々なことがありました。いまみなさんの前でパフォーマンスを出来ていることが、幸せです。私たちは、ノンフィクションをつづり続けて行くので、これからも側にいてくれたらうれしいなと思います」とフロアを見渡していた。
アンコールでは武内がデザインした紺色のTシャツに着替えた4人が「ありがとう!」と言いながら再びステージへ。前進する決意を歌った「Dreamin' Girl」、5周年のロゴが入ったマフラータオルを回した「タオルを回すための曲」では、観客も手にしたマフラータオルなどを回して、応戦していた。
一息ついたMCでは、会場に集まったファンが「デビュー5周年おめでとう! 夢へと続く4人の旅。ずっと、その隣で。(ファン一同)」と書かれた横断幕をプレゼント。「ソーダトニック」の衣装を着た4人をモチーフにデザインした横断幕を見た武内は「待って、めっちゃかわいいんだけど」と会場の後方に掲げられた横断幕を見上げて、感激していた。
MC中には、お笑い芸人のジョイマンから「5周年おめでとう!」とメッセージ動画も流された。さらに「特報」の文字が画面に踊ると、大谷が「えっ!」と仰天。「ワンマンライブ決定!」「2023年3月」の発表に、「ありがとうございます。うれしい!!! ぜひ3月も遊びに来てください!」と喜びを爆発させていた。
うれしいサプライズの後には、4人が5年間を振り返り。武内は「ここまで来るのはアッという間でした。私は(グループに入る前は)ダンスも歌もやったことがなかったけれど、ファンのみんなと目を合わせる瞬間はすごく幸せ。もっと素敵な景色を見られるように頑張って行きたい」。和泉は「私は5年間続けられたものがPiXMiXしかない。色々な習い事も途中で投げ出してしまっていた。でもアイドルだったら、何でも良かったんじゃなくて、PiXMiXだから続けて来られた。これからもPiXMiXを愛してください」と一礼。
桐島は「こうやってワンマンライブを開催できるのも、いつも応援して下さるみなさんのお陰です。ステージには4人が立っているけれど、みんながいて『チームPiXMiX』だと思っています。感謝の気持ちを忘れずに、6年目も頑張って行きたい」。大谷は「5年前にみんなと出会った時は、女子の集団って難しいのかなと思っていた。でもいまは人生の中で一番大切だと感じているものがPiXMiX。ここに賭けるんだという決断が間違っていなかったんだと思うと嬉しい」と5年の節目をかみしめていた。
約2時間のライブ。最後を締めくくった曲は、大谷が「自分の人生を照らし合わせて聴いてほしい」と語った「アンビバレンス」。「♪ねぇ 知ってた、?」の歌詞を、「♪5周年ありがとう!」に変えた特別バージョンで歌うと、ファンはブルーのサイリウムをオレンジ色にチェンジ。銀吹雪の中で「♪I for You,You for Me」と思いを交換し合い、4人とファンが固い絆で結ばれていることを感じさせた。
歌い終えた大谷は、目頭を押さえると「すごく嬉しい。今日は私たちが、みんなに感謝を伝えようと思っていたのに、またみんなにもらってばっかりだった。私たちはみんなのために、諦めずに夢を叶えて行きたい。諦めずに頑張って行きたい」と飛躍を誓っていた。
和やかな空気の中で、ファンから受け取った横断幕を手に、観客と記念撮影をした4人。撮影後には、スタッフからプレゼントされたケーキと一緒に、再びカメラに笑顔を向けていた。
5周年と1日目を駆け抜けた4人は、少女の表情に。声を出すことが出来ないフロアは、代わりに大きな拍手で4人を包み込んでいた。