フレンズ -Superb TOUR 2022-
2022年7月7日(木) LIQUIDROOM
4人組バンド「フレンズ」が7月7日に、恵比寿LIQUIDROOMで2020 年 1 月以来2年半ぶりのツアー「Superb TOUR 2022」をスタートした。ステージでは前日に発売したばかりのミニアルバム「Superb」に収録した4曲などを中心に新旧織り交ぜた楽曲を惜しみなく披露し、満員のフロアと七夕の夜を満喫した。えみそんは「無事に初日を迎えられて何よりもうれしい。いっぱい練習をして、CDも作って。作っている時も楽しいんだけど、みんなが楽しんでいる様子を見て、ホッとしました。みんながいてフレンズだと思います。(最終公演まで)7カ所を巡れる元気をもらった気がします。嬉しい瞬間をいつもありがとう」と感謝していた。
思い合う織姫と彦星が1年に1度だけ出会うことが叶う七夕の夜。来場したファンを楽しませる演出は、ライブの前から始まっていた。会場入り口には、メンバーと記念撮影できるようにと、4人の写真がパネルになったフォトスポットが誕生。設置されたパネルの横ではファンが思い思いのポーズで撮影を楽しんでいた。
SEが止み、真っ暗になったステージにドラムの関口塁を先頭に、メンバーが登場。最後にえみそんが姿を現すと、大きな拍手が包み込んだ。思わぬ演出で始まったライブに息を飲むフロア。透き通るようなえみそんの歌声に合わせて、気持ちよさそうに会場が少しずつ揺れていく。
「♪あなたならいつでも着信待ってる」と思いを込める「夜は嫌い」では、恋しい相手を思い眠れない様子を表現。繰り返される日常に目覚めた瞬間から「♪あーあまだ眠っていたい」とぼやく「朝が来た」では、えみそんがギターを弾きながら憂鬱な思いを吐露。折れそうな心を“未来のことは分からない”と励ますように響く関口のドラム、長島涼平のベースが印象的だった。
MCでは発売したばかりのミニアルバム「Superb」について、えみそんが「タイトルの意味は最高。超良いんじゃんっていう意味です。4人の最高を集めたCDになっています。最高のものができた」と笑顔。
「Superb」に収録した「U.L.K.」の演奏前には、ボーカルのえみそんが考えたという振り付けを、観客にレクチャー。「振り付けがあります!」と視線を集めると、えみそんは右手を頭上に上げ、「まず、何かをふんわりと掴むように『U』」と振り付けを指南。観客は嬉しそうに手で「U」、「L」、「K」などのサインを作っていた。サムズダウンをしながら揺れた場面では、ライブ前のSEで流れていたダニエル・パウターの「Bad Day」をえみそんが歌うサプライズも。慌てた長島は「ダメ、人の曲だから」と突っ込んでいた。
振り付けの練習を終えた、えみそんは「空いている片手に、スマートフォンを持ってムービーを撮って」と観客に伝えると、新曲「U.L.K.」を投下。「最高の夜を過ごそうね」と願ったえみそんの言葉に応えるように、真っ赤に染まった照明の中で、右手で動画を撮りながら、左手で踊り始めた。ミラーボールが回転する中で、えみそんとギターの三浦太郎の掛け合いも加速。大胆に展開していく楽曲に、フロアのテンションもヒートアップしていった。
熱気に満ちた会場を見渡したえみそんは「フレンズはこれから8年目を迎えます。(みんなと)たくさん思い出を作って行きたい。今日また新しい思い出の1ページが増えました。恵比寿LIQUIDROOM。七夕の夜。一緒に思い出を作って行きましょう」と語ると、一人一人に語り掛けるような温かさで「cruising memories」を歌い上げた。大切な思い出を胸に刻むように。歌声に込めて届ける姿に、フロアがくぎ付けになっていた。歌唱後、「一緒に歩いていこう」と思いを込めると、観客から大きな拍手が送られていた。
えみそんが体験した日常を歌詞に詰め込んだミニアルバム「Superb」には、誰もが頷くような時間が描かれている。スタイルや表現を進化させ、さらなる高みへ――。披露された「夜にダンス」「Love,ya!」でも撮影を解禁。SNSには、全身で“楽しい”を体現する、Superbな人たちの姿で溢れている。
ツアーは、8月19日の大阪・Shangri-Laまで全7カ所を回る。