次のブロックでは、『十』収録曲である「叶しみの道」でスタート。「この悲しみを忘れないだろう」で始まるリリックのストレートさ、メロディの力強さに、オーディエンスみんな打たれているように見えた。配信されているのはアコースティック・ギター弾き語りバージョンなので、分厚いバンド・サウンドがとても新鮮に響く。
そこからは「ショートホープ」「1,2,3」「スカイライン」、つまり彼がライブを始めた頃からそのハイライトになってきた2曲と、2016年からそこに加わった1曲の三連打。フロア、今日いちばんの歓喜に包まれる。
そして本編ラストは、もう1曲の『十』収録曲である「愛にしたわ。」。この曲はスタジオライブにてアコースティック編成で披露されていたが、バンドで、しかもオーディエンスの前では初披露。みんな真剣な表情で、メロディのひとつひとつ、歌詞のひとことひとことに、じっと聴き入った。
「みんなもだろうけど、僕もすごいプレッシャーでした!怖い!」アンコールを求めるハンドクラップに応えて出てきた時に最初に言ったの、これだった。本当にホッとした顔をしている。今年唯一のバンドでのライブで、いきなり新曲を2曲やる、というのはそういうことなんだなあ、と改めて思う。
そして「完成のお祝いということで、僕にもお祝いの曲があるので──」と「ジュビリー」へ。フロアの反応も、さっきまでより一段階リラックスしているように思える。この曲と、「あ、あの曲忘れてた!」というオーバーなフリ(本人も言いながら笑っていた)から突入した「ロックンロール」で、本編ラスト以上の歓喜の中、アンコールが締められた。
次の中村一義のアクションは2020年1月12日(日)、場所は彼のホーム、と呼んでもいいような按配に最近になっている、浅草の東洋館。「トーク&アコースティックライブ『どうでい!? Vol.4 十スペシャル 完成記念試聴会』」と銘打った、『十』の曲がいち早く聴けるイベントである。本人のほか、アコースティック・ライブのパートでは岡本洋平、トークのパートでは大阪の人気ラジオDJ・雑誌ライター・インタビュアーの鈴木淳史も出演する。
SET LIST
01. 世界の私から
02. そうさ世界は
03. 犬と猫
04. 威風堂々(Part2)
05. 素晴らしき世界
06. 君ノ声
07. キャノンボール
08. 笑顔
09. 晴れたり、曇ったり
10. ここにいる
11. 叶しみの道
12. ショートホープ
13. 1,2,3
14. スカイライン
15. 愛にしたわ。
ENCORE
16. ジュビリー
17. ロックンロール
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