2011年の結成以来、キャリア豊かなメンバーたちによる最先端のヘヴィミュージックでシーンを揺らし続けてきた5人組バンド・THE MICRO HEAD 4N’S。令和の初日となった5月1日に新ボーカル・AMENOの加入を発表して、バンド第3期の開幕を告げた彼らが、そのお披露目ライブを6月29日に赤羽ReNY alphaで開催した。5月18日にオープンしたばかりのライブハウスで、新たな布陣により行われた初ライブだけに、フロアーにはオーディエンスが殺到。さらに潤(Bräymen)とMASATO(defspiral)という親交の深いふたりのギタリストもステージに駆け付け、第3期THE MICRO HEAD 4N’Sの始まりを満場の歓声と熱気で祝福した。
舞台裏から気合入れの声が届き、場内から思わず拍手が湧いた途端に客電は消灯。『A BEGINNING FROM THE END. -the 3rd genesis-』とモニターに浮かんだライブタイトルを背負って楽器隊が重厚に演奏を開始すれば、ゆっくりとAMENOが入場して「HELLO MY CLONE」と1曲目のタイトルを囁く。放たれた壮大なサウンドに乗せて、ライブタイトル通りに“終わりからの始まり”を綴るクリアな歌声は、まさしく新生THE MICRO HEAD 4N’Sの誕生を宣言するもの。続いて“声を聴かせて!”と煽り、7月3日にリリースされる最新シングル「REBIRTH-the 3rd form-」から「GLORIOUS BLAZE」をスピード感たっぷりに投下し、お立ち台から“新しい時代の幕開け”と歌い上げてフロアーを早くも拳の海にする。“今日は第3期始まりの日ということで、お手柔らかにお願いします……なんてことは全然思ってません! みんなのハート、ガッチリ掴んでいくから派手にやろうぜ!”という本日最初のMCも、これがお披露目とは思えぬ頼もしさだ。
そんな新たな力をセンターに得て、オリジナルメンバーの4人も活き活きと躍動。kazuya(Gt)、SHUN. (Gt)、ZERO(Ba)の弦楽器陣はダイナミックにステージ前方へとせり出し、「PRISONER」では激しく打ち鳴らされるTSUKASA(Dr)のビートにオーディエンスが上半身を大きく折りたたむ。“たとえ……神を殺したとしても”と物騒な台詞から誘った新曲「BABEL」でも、幻想的な世界観とダンサブルなリズムの軽やかなマッチングに、場内は大喝采。従来の彼らが持つハイブリッドな魅力は、体制が変わろうとも健在だ。さらに、第3期スタートにあたっての決意が、ここでAMENOの口から語られる。
“第2期の終わりが発表された時、きっとみんな不安に感じたと思います、僕たちも同じように不安を抱えて、何かにすがるような気持ちで歩いていました。そんな絶望の中で生まれた曲です――「REBIRTH」”
そして始まった最新シングル表題曲は、猛烈な音の渦とシャウトに加えてメンバーも大きく頭を振る激烈ミクスチャーチューン。ありったけの喜怒哀楽を音と声に乗せて振り絞る5人に、新曲にもかかわらずフロアーからは“We will never end!”の声が飛ぶ。圧倒的なエネルギーの奔流は、まさしく究極の状況に追いつめられた彼らだからこそ生み出せるものであり、いわゆる“窮鼠”の力ほど恐ろしいものはない。
TSUKASAの荘厳なドラムソロを経て、“2カ月ぶりだ、盛り上がっていくぞ!”というSHUN.の号令からスタートした後半戦の熱量は凄まじかった。まずAMENOが“みんなでひとつになろうぜ!”と、「REINCARNATION」でバンドの新ロゴが染め抜かれた巨大フラッグをはためかせれば、声と拳であっという間に会場はひとつに。「EARNEST GAME -2nd STAGE-」「VOLCANATION」と高速チューンを畳みかけ、SHUN.とZEROがステージ左右ギリギリまで展開すればkazuyaもマイクをつかんでシャウトと、フロアーに掴みかからんばかりの勢いで激しくアクションしてゆく。
さらに、ここでゲストギタリストの潤とMASATOを呼び込み、披露したのはバンド随一のパンクチューン「REVERBERATIONS」。SHUN.と潤が、kazuyaとMASATOが向き合ってギターをかき鳴らすクアトロギターに、総勢7人で頭を振るというなんとも贅沢な空間を展開したかと思いきや、なんとオーディエンスに後ろを向かせてヘッドバンギングさせる場面まで! そのまま「MONSTER‘S ROAR -WILD BOOST-」へと雪崩れ込み、いっそう猛烈なヘドバンの海を出現させると、ゲスト陣を拍手で送りだしてからAMENOは緊張気味にこう告げた。
“僕たちは前に進むことだけを考えてやっています。前に進むだけでなく、THE MICRO HEAD 4N’Sとして歩んできた過去も大切にしながら、次の未来へ進んでいこうと思います。“再生”という意味を込めて、今回、僕が初めて作詞した曲があります。聴いてください”
そう伝えて朗々と謳い上げたのは、ニューシングルのカップリング曲「Replicant」。この日のセットリストの中でも類を見ないほどさわやかでキャッチーな曲調に乗るAMENOの声は、ここまでで最高に口跡鮮やかに力強く、ロマンティックな世界観に彼自身の“再生”への想いがしっかりと込められていることを窺わせる。そこから“見せていこうぜ! 俺たちの総力戦を!”と本編を締め括った「Curtain Call」でも、今の彼ら自身のシチュエーションにリンクするワードでオーディエンスの胸を打つことに。“同じステージに立つ仲間となり”“諦めない日々が奇跡を呼び”――まさしく全て彼ら自身の生きざまである。
そんな彼らの姿に、アンコールで再び呼び込まれた潤は“ボーカルが3人目って聞くと、“大丈夫かな?”って思うけど、今日のライブを見て覆されたというか……それが実現可能なんだなと思い知らされました“と正直な心情を吐露。MASATOも“5人が覚悟を決めてやってるのを目の当たりにして、すごく感動しました”と最大級の賛辞を贈る。そして会場全員でのコーラスが印象的な「SCANDALOUS」に、メロウなメロディで拳とヘドバンを巻き起こす「Labyrinth」と、再び7人でパッションを爆発させた末のラストソングは「銀河鉄道の夜~STARDUST EXPRESS~」。旅立ちを告げるきらびやかなナンバーに湧くフロアーからの美しい合唱は、5人の再出発への祝福そのものだった。
“今日は本当にありがとうございました! THE MICRO HEAD 4N’Sでした!”
堂々とそう言い切ったAMENOの顔には、既にTHE MICRO HEAD 4N’Sのボーカルとしての誇りと喜びが。決意に満ちた2時間のステージは、7月13日からスタートする全国ツアーへの期待を、さらに膨らませたに違いない。
SET LIST
01. HELLO MY CLONE
02. GLORIOUS BLAZE
03. Deeper Than Black ~闇色の翼~
04. ICARUS
05. PRISONER
06. BABEL
07. REBIRTH -the 3rd form-
08. イカレタリアル
09. REINCARNATION
10. EARNEST GAME -2nd STAGE-
11. VOLCANATION
12. REVERBERATIONS
13. MONSTER'S ROAR -WILD BOOST-
14. Replicant
15. Curtain Call
EN
01. SCANDALOUS
02. Labyrinth
03. 銀河鉄道の夜~STARDUST EXPRESS~