──EYEちゃんは、実体験が多いの?
EYEいや、全然ですね。私オタクなので(笑)。そもそも3次元でのノンフィクションで共感が得られるものをまったく持っていないので、2次元から持ってきます(笑)。平面の中から恋人連れてくるみたいな感じです。だからほぼほぼフィクションなんです。
──妄想ってことでいいですか?
EYEそういうことになりますね(笑)
寺田面白いね(笑)
EYE自分の体験で書きたいなって気持ちもありつつ書いてはいるんですけど、いいことなのか悪いことなのかわかりませんが、実体験じゃないから余計にいろんな人格でいられるんですよね。だから、歌詞によって、言葉遣いとか背景とかが固定されてないのはそういうことなんですよ。
女の子が主人公なのが8〜9割なんですけどね。自分の思いを一つ置いておいて、その周りを二次元の中から肉付けして妄想で組み立てるっていうのが多いですね。
女の子が主人公なのが8〜9割なんですけどね。自分の思いを一つ置いておいて、その周りを二次元の中から肉付けして妄想で組み立てるっていうのが多いですね。
──そっちの方が逆になりきれるのかな?
EYEそれもあるのかもしれないですけどね、そもそも実体験っていうのはほら……。セクシーってどうやってやるんだろうってすんごい考えてます。
寺田あははは(爆笑)
──先輩笑いすぎですよ(笑)
寺田あははは。ごめんごめん(笑)
EYEセクシーな音楽ってなんだろ〜みたいな(笑)
寺田いいねいいねぇ、だんだん赤裸々トークになってるね(笑)
EYEちょっと、これから飲みに行きますかね(笑)!
寺田お酒なくちゃ語れなくなってきた(笑)?
EYEはい(笑)。実際がダメダメだから、トキメキは2次元方向なんですよね……。
寺田面白い!今、EYEの話聞いて、そういう書き方もあるんだって思った。でも、私も昔はそれに近いものがあったかもしれないな。私は女の主人公がダメだったんで、“僕”とかだったんだよね。
──おぉ、そうなんですね!それはなんでですか?あえて“僕”にしたのはどうしてなんですか?
寺田“私”を知られたくなかったから(笑)。本性を。
──なるほど。それは弱い部分を見られるのが嫌だということなんですかね?実は繊細だから、もうちょっと悪魔を被らなきゃとかだったんですかね?
寺田ん〜、そうなのかな?よくわからないんだけど、私の本質っていうのを誰にも知られたくないっていうのがあったかな(笑)
EYE私が言える立場じゃないですけど、ここまで有名になられた方だと、側から見たイメージとかを気にされるだろうし、大変だなって思います。
寺田いやいや、あんまりイメージを気にしたことはないかな〜。
EYEあ、そうなんですか!?でも、素の姿を見せるときに不安になったりとかはありませんでした?
寺田26のときに素の自分で行こうって思ってから、素の自分なのでって感じかな。26のときまでは、歌は好きだし、音楽の仕事したいって思ってたけど、本当の私は誰にも見せないって思ってやってたの。だけど、なかなか売れないってなって、洋服とか髪型をたくさん変えてもダメだったので、下着の衣装に変えて。裸一貫でやってみようって思って、本当に下着で自分の心の嫌な部分とかも全部さらけ出したらヒットしてくれたの。それから自分の心には忠実にって思うようになって。そこからはいいことも悪いことも全部わりとオープンマインドでってするようにはしてる。
EYE切り替えたんですね。
寺田そう。26のときにね。「限界LOVERS」のレコーディングの前だよね。「限界LOVERS」を作ったとき、みんなに売れないって言われてて、この曲が売れなかったらやめるしかないのかなって思ったの。で、お風呂に入るときに洋服脱いで、洗面所の鏡の前で下着姿になったのを見た瞬間、あ〜これだって、なんか感覚的にそう思った。
EYEそこで!?お風呂に入るときに?
寺田そう。それで、事務所に電話して“下着に鋲打ってくんない?”って言って、下着に鋲打ってもらって「限界LOVERS」やったら売れちゃったってやつ(笑)
EYE「限界LOVERS」売れねぇって言ってた奴、しばいたろうかと思いましたよ、今!
寺田いやいや、誰も売れるとは思ってなかったんだよ。
EYEえー嘘だー。マジですか!?
寺田うん。まず、ツーバスがある曲は売れないって言われてたしね。
──え!?当時ですか?そんなこと言われてたんですか!?むしろ大好物ですけど。
EYE分かる!大好物!大好物!必須ですよ!
寺田レコード会社はわかりやすい曲をやりたがるの。売れてほしいから、みんながわかる曲を出したいのよ。でも、自分たちの中では初めはプログレッシブハードロックバンドだったけど、ハードロックっていうジャンルでずっとやって来てて、それが若干ポップスに寄ってもダメで、手を替え品を替えいろんなことをしたけど、結果いいところまではいかなくて、じゃあ、原点のヘヴィメタルにもどってやるか!って感じでやったけど、これ売れるのかな?ってみんなに言われてて、でも私たちは手を尽くしてしまったから、もうそれしかないかなっていう中でやった曲が「限界LOVERS」だったからね。そしたらありがたいことに売れちゃったんですよ(笑)
EYEへぇ、そうだったんですね!今じゃ信じられないですね。絶対売れるとしか思えないのに、「限界LOVERS」。
寺田何が売れるかどうかわからないし、どこでどう閃くかもわからないよ。
EYEたしかに。お風呂で偶然ですもんね……。分からないもんだなぁ、本当に。
寺田だから、常にアンテナとかもはってなきゃだし、いろんなものを見たり聴いたりしなきゃだしね。あと、自分の中に取り入れられるものは音楽以外にもたくさんあるじゃん?二次元?とかでも、本でもゲームでもなんでも取り入れるものはたくさんあるから、そこに自分がどうやって反応していくか、それを自分が発信するときに共感してくれる人たちにどれだけ巡り会えるかとか、興味ない人たちに興味持ってもらえるかってことだと思うよ。
EYEそれ、すごく分かります!まさに最近、そういう出逢いがあったんです。マイナビBLITZ赤坂でライヴをしたときに、ゲストでベリーダンスのダンサーさんを呼んだんですよ。その方に、この間体験レッスンを受けさせてもらえないかって行ってみたんですよ(笑)
寺田うんうん、そうなの(笑)!?
EYE結局身にならず筋肉痛になって終わるみたいな感じだったんですけど(笑)。でも、その時にいろんな人が出るベリーダンスの発表会があるから観に来てよって言ってもらって、行って来たんです。ちょうど作曲期間中だからって意味でもあるんですけど、観てるだけでいっぱいヒントがあって。ステージングはもちろん活かせたらいいなって思うものがあったんです。それ以外にも、まさかの曲が降りてくるみたいなのがあって。“あ、こういうこと!”みたいなことが本当にタイムリーにありましたからね。それを今、自分の中で噛み砕いて、自分のカラーリングをして世に出すっていうことをしてる最中だったりしてるので、今、話を聞いていてすごい共感でした!
寺田そういうのいっぱいあるよね〜。
EYEありますけど、けっこう骨折れますよね(笑)
寺田うん。大変。
EYE何が当たるかわからないとはいえですよね。