──どんなことを歌ってますか?
見たくもないのに、いろんな人の揚げ足取りばかりが目につくような時代じゃないですか。言うまでもなくうんざりしてて、みんなもそう思ってるんだけど、もう止まらない電車に乗っちゃってるなというか。誰が不倫しただとか、社会的な問題を起こしたとか、槍玉に挙げられては消えていくのが絶え間なさすぎて。
──ここ数年はよりエスカレートしてる気がします。
すぐに飽きちゃう感じですしね、みんな。それをときどき面白がってしまう自分もいる。ひとつひとつに何かしらの文句があるわけじゃなく、そういうふうになってるのがうんざりで、サビの歌い出しが“断ち切る気も起きない絡まるカルマ”になりました。そもそもカルマは行為に必ずついてくるから、断ち切ることなんてできないものだけど、なんだか世の中に触れてたらカルマの連続が頭に浮かんだので、こう書きたくなったんです。
──歌詞の書き方を含め、きっといろんなことが柔軟になってきてますよね。キツネツキ、AC 9mm(菅原、中村和彦[Ba]、かみじょうちひろ[Dr]が自身の楽曲をアコースティック中心にリアレンジして聴かせるプロジェクト)、ソロなど、さまざまな形態で活動されてるのも大きいんでしょうし。
『BABEL』の頃よりも自由ですね。すべてにおいて、9mmにいいフィードバックがありますよ。たとえば、ソロではいしわたり淳治さんが歌詞を書いてくれたんですけど、他人の歌詞を歌うことの気楽さがあらためて実感できて、もう“なんでもドンと来い!”と思えるようになった。キツネツキではシリアスさの欠片もない歌詞を書くのをひとつの目的にしてて、レコーディングの日だけで仕上げちゃうとか。そういう遊びを楽しんでやってます。“このくらいラフでいいんだ”って意識になりたくて。それがうまく作用したのかな。「カルマの花環」みたいなシリアスな内容を書くときも、肩に力を入れなくてよくなってきたんです。
──野音のライヴは振り返ってみてどうですか?
約2年前の野音のとき、滝がライヴ中にギターを演奏できなくなったけれど、MCで言ったとおり、リベンジだけで終わりたくなかったんですよ。というか、リベンジみたいな気持ちが自分にはぜんぜん湧いてこなくて、“同じ場所でやるから何かを取り返すとか、そんな話じゃないんだよ!”くらいに思ってました。“新しく一歩進むんだ!”って意志のほうがずっと強かったので。それが見事に達成されたと感じてます。滝もすごく楽しそうにプレイしてたし、あの日をまたひとつのスタートと呼んでもいいですね。
──その模様も計12曲、音源化されると。
そう。『カオスの百年TOUR 2018』は6公演あるんですが、㊙CDのライヴ音源は全箇所で違うものにしました。AC 9mmのテイクも東京の初日(9月28日@Zepp Tokyo)に収録されてます。で、各会場で6枚とも販売するので、1回しか来られない人もコンプリートできる形です。チケットにまず1枚付いてくるけど、他のライヴ音源も気になる人はチェックしてみてください。ジャケットの色も“こっちのほうがかわいいな”とか思ったらぜひ!ジャケは6枚揃うと“9mm Parabellum Bullet”“カオスの百年TOUR 2018”の文字になるデザインになってて、ぐにゃっとしたフォントでカオス感を表現してもいますね。あとは“1/6”“2/6”とナンバーが入ってたり、コンプリートしてくれた方にはさらに激レア生写真の特典があったり(※会場でスタンプカードの配布あり)。
──めちゃめちゃ太っ腹ですよね、9mmっていつも。
単純に“楽しいでしょ?”って気持ちだけですよ。来てくれる人に喜んでほしいだけ。でも、確かに今回は“チケットに付けちゃっていいの!?”と自分たちもちょっと思う(笑)。“これは喜ぶでしょう!”と言える自信作になってますからね。新曲2曲も当然ライヴでやるので、楽しみにしててもらえれば。配信シングルでのリリースはないし、YouTubeに音源アップとかもしないんで、ツアーに来ないと聴けません。滝もフルで出演する予定だし、観に来てくれたら嬉しいです!
PRESENT
野音限定「混沌の番人ガイコツtee(白Mサイズ)」、「VS tee(黒Lサイズ)」を各1名様に!
受付は終了しました