──小島さんは、「ホトハシル」では初めてタイアップ作品のストーリーを知らないまま楽曲制作をなさったんですよね?
小島ぽんちゃんはしっかり原作を読み込んだうえで、ORESAMAの言葉として歌詞を書いてくれるので、僕はキービジュアルから受けたイメージと事前の打ち合わせで出た“テンポが速くてロックでクールなもの”等のキーワードから楽曲制作をしていきました。新しいジャンルを取り入れるのはひと筋縄でいかないんですけど、今回は新しい要素とORESAMAの音楽を同居させることに集中できたし、制限をかけて自分なりの解答を出すという環境での曲作りは面白かったです。
ぽんでも小島くんが原作を読まずに制作するのは初めてだし、不安はなかったのかな?と思ったりはしていて。
小島僕は情報が多いと追い込まれちゃうから、制限を掛けることは自分自身への手助けでもあるんです。たとえばスマホが手元にあると自分で考えることなくすぐ検索して調べちゃったりするけど、それがないと1個1個自分の頭でよく考えるから想像が膨らむし、その結果“過去にこういうことをやってきたから、このジャンルはこう解釈してみたらどうだろう”と自分と向き合うことにもつながって。
ぽん小島くんにとっては情報が多くないほうがクリエイティブなものになるんだね。
──おふたりとも作品ごとにさまざまなチャレンジをしてらっしゃるので、毎回感心しています。
小島チャレンジすることが全然怖くないわけではないけれど…チャレンジに対してちょっと恐怖心があるからこそ慎重に、でも大胆に作れていると思います。「ホトハシル」も速いテンポを16ビートで刻んだことでファンクの要素が出せたし、僕はクリーンギターとスラップベースが好きなので、そのふたつがないと曲が完成とは言えない。自分の手癖をちゃんと入れることが個性になると思っているので、入れたいものは入れるようにしていますね。
ぽん制作での挑戦は活動を続けていく上での一種の覚悟かもしれません。ライヴではみんなを現実世界からワンダーランドへと連れ出したい気持ちが強いので、そういう心構えでみんなを迎えられたらと思っています。ORESAMAはライヴの会場の規模をどんどん広げているところなんですけど、それでも身近に感じられる存在でありたいなと思います。
小島ライヴは僕らと、サポートメンバーのベースとDJの4人体制で演奏しているんですけど、テンションが上がってくるとアドリブを入れたくなるし、いつものフレーズが熱を持ったり、演奏方法がその場その場で変わったりして。それはお客さんが盛り上がってくれることや、手を叩いてくれる、歌ってくれることも影響しています。その場のテンションや空気、気分、雰囲気で生みだされてくる音で、その場でしか生まれない曲が生まれてくる場所になってますね。
ぽん小島くんはライヴでも作曲して、根っからの作曲家なんだね。今回のシングル「ホトハシル」は、エモーショナルでクールな「ホトハシル」と楽しくてハッピーな「ようこそパーティータウン」という振れ幅のある2曲が揃って、とても面白い一枚になったなと思っています。いろんな気持ちを表現することや、いろんなチャレンジを続けていくことでORESAMAのワンダーランドが広がっていけばいいなと思いますね。みんながみんなそれぞれの楽しみ方をしているフロアを観ているのが、すごく好きなんです。
──おふたりの理想や、ORESAMAの音楽で示していることが目に見えるかたちで表れるのがライヴという場所なのかもしれませんね。ワンマンライヴ『ワンダーランドへようこそ~in AKASAKA BLITZ~』への期待も高まります。
小島マイナビBLITZ赤坂では一番新しいORESAMAのグルーブを表現したいと思っているので、まだ音源しか聴いたことがない方もライヴで実際に体感していただきたいですね。今は4人のパワーアップを図っているところです。演出も音も楽しめるライヴにしたいと思っています。
ぽん“ワンダーランドへようこそ”というコンセプトはこれまでと変わらないんですけど、演出面でもバージョンアップをするので、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。ライヴメンバーの4人でリハスタに入る回数も増えて、グルーブもどんどん高まっているんです。今回は平日開催なので、現実から非現実にに向かう感覚がいつも以上に強いなと思っていて(笑)。とってもわくわくしています。