──ニューアルバム『MILESTONE』についても聞いていい?w-inds.はトレンドを追いかけながらも自分達を貫いた楽曲制作をしていたりするけど、Leadってそういうのはあるの?
古屋敬多
あんまりないですね。トレンドはみんな好きで聴いてたりするんで、その時の流行を歌ってみたいなっていうのはあるんですけど、Leadの軸はあんまり崩れないですね。元々がそれなんで、その中でもラップの要素があったり、ヒップホップがみんな好きだったりだとかするんで、そういうのは自然と入ってくるかな。
──今回、泥臭くてダーティな感じのラップっていうよりも、ファンキーでグルーヴィでって感じがすごくしたかな。
鍵本輝
そうですね。今そういうモードに入ってましたね。
──やっぱりその都度傾向はあるんだ。
鍵本輝
そうですね。傾向はあるっちゃありますね。あと、15年間やってきたっていう節目のタイミングでもあったんで、一旦振り返った時に“自分たちのルーツって何だろうな?”みたいな。それを引き返した時にブレイクビーツだったりとか、当時踊りたかったあの曲、踊ってたあの曲みたいな感じの要素が結構入ってる。だから自ずとファンク要素なんかが強くなってる気がします。
──メロに懐かしさがある曲がちょいちょいあったから、そこは意識してだったのかなってちょっと思ったかな。
鍵本輝
自然と意識しちゃってたのかもしれないですね。自分たちの“マイルストーン”を表現するにあたって。
──そうなんだね。今回これは挑戦だったなとかやりたかったことだったって部分は1人ひとりあるの?
鍵本輝
曲ですか?僕は「Tell Me Why」って曲ですね。この曲は、歌ももちろんなんですけど、歌詞をちょっと攻めて書いてみようかなって思ったんですよね。
──結構難易度高い曲だと思った。
鍵本輝
はい。ほんと洋楽っぽい感じのアレンジで仕上がってきてたので、じゃあこの洋楽っぽさを生かそうと思って、和訳っぽい歌詞を書こうと思いましたね。
──なるほど。逆発想だね。それでちょっと雰囲気が変わるもんね。
鍵本輝
そう。よく洋楽も聴くんで、訳詞も見るんですよね。それで洋楽ってすごいどストレートなことをちゃんと言ってて、日本人としてわかるように訳してるんでしょうけど。この曲もどストレートに感情が入ってるんで、“なるほど!じゃあ訳詞を書こう”と思って。洋楽にありがちなテーマを自分の中に落とし込んで、訳詞をイメージしながら作詞して。逆に「Backpack」の歌詞は、今までのLeadを意識して割と爽やかに書いてるんですけど。
──ちょっとトロピカルな感じだよね。
鍵本輝
そうですね。だから「Tell Me Why」でガッツリ攻めてみようかなと。
谷内伸也
トラックもね、フューチャーベースで今までにない感じでやりたいなっていうのを提案して。フューチャーベースって、結構サビがドロップだけで持っていく感じなんですけど、そこも歌っちゃうっていうのでも攻めてるなってのはありますね。この曲を作ったのは、ケニスっていう陽気な日系アメリカ人です(笑)。
古屋敬多
僕はさっき言ってた歌い方になるのかなと思うんですけど。1番意識したところでいうと、佐伯ユウスケさんっていう方に書いてもらったバラードの曲。今回のアルバムは12、13曲ぐらいになるかなって思って、みんなで選曲した楽曲を聴いていた時に、結構満場一致でいいってなる曲が多かったんです。でも、バラードだけは、いいってなる曲が見つからなくて。それで、輝くんから日本的なバラードが欲しいって意見があって。それで「これまで、これから」を入れたんです。
──なるほど、この曲はちょっと異質だもんね。
古屋敬多
そうですよね。アルバムの後半に入る一番落ちるいい感じのところに入れてますね(笑)。8曲目に。ほかの曲とは結構変えなきゃって意識がすごく強かったんですよ。日本的なバラードって歌詞もちゃんと伝わらないといけないって思って、あとこの曲は歌が上手いって伝わる方がいいんだろうなっていうのもあって。ユウスケさんの仮歌がめちゃくちゃいい歌い方されてて、さすがシンガーだなみたいな。言葉もめちゃくちゃ入ってくるし、素朴な歌い方がこの曲にすごくあってるし。聴いてくれる人も、自分が感じたような気持ちになってほしいなって。より歌詞が染み渡って。ちょっと泣けるし、最後に前向きにもなれる歌い方をしたいって思って、この曲は歌うっていうより喋る感覚に近かったですね。
──確かに音数も少ないしね。ピアノやアコギで構成されているからね。
古屋敬多
歌って意識をあまり持たずに歌ったのは初めてでしたね。力まず自然に出る感じがいいなって。
──ここまでバラード寄りな曲は、最近なかったの?
古屋敬多
割とあったっちゃあったんですけど、外国の方からの提供曲がメインだったので、Jポップの良さってのは少なかったですね。
──なるほど。単なるバラードじゃなくて“邦楽のバラード”っていうのがポイントだったんだね。琴線に触れる感じあるよね。
古屋敬多
いいっすよね〜。好きなんですよ。そういう曲になってくれればいいなって思ってます。
──なってるよ。初めて聴いた時、変な意味ではなく異質だなって引っかかったね。
古屋敬多
流れが洋楽的なものだったからね。
──なるほどね。伸也は?
谷内伸也
僕は「R.O.O.T.S」ですかね。ここまでのブレイクビーツをこの中に入れていいのかってのはあったんですけど、元々これのデモ曲が10年前ぐらいにあって、メンバーで相談した時にこれを入れてみないってなって。
──これは自分たちで作った曲?
谷内伸也
これは違いますね。当時はいろんな方々がコライトしてって感じのデモだったんですけど、現在は流石にそのデモがないってなって、打ち込みだったり演奏し直して作った感じでしたね。あとは、ブレイクビーツなんですけどドロップが入るっていう部分は攻めたかなって思います。
──この曲結構ドロッとしてるよね。「Beautiful Day」もちょっと強めな印象かな? でもこれは素直なメロがあるからまた違うか。でもあれだね、「これまで、これから」の後から後半戦が始まるんだよね。
谷内伸也
「これまで、これから」「メダリスト」もそうですけど、そこからの「R.O.O.T.S」とか、ジャンルがトントントンと変わる感じがありますね。
──そうだね。でも、「R.O.O.T.S」からの流れは、結構自然な流れで変わっていくから気持ちいい感じだよね。
谷内伸也
そうですね。ちょっとオールドスクールでここは引きますみたいになってる感じです。
鍵本輝
ちょっとジャンルレスだからこそマスタリングでこだわったというか。
──マスタリングまで!?そこまでやってるんだね。
鍵本輝
このアルバムは、曲間の指定も頑張りましたからね!
──曲間まで!?素晴らしいね。しかし、これだけジャンルレスのアルバムを、ライブではどうやって魅せていこうと思ってるの?
鍵本輝
自分たちはそこにパフォーマンスっていうのが絶対入ってくるので、その軸を元に曲を選んでる部分もあるので、曲にあったダンスを楽しんでもらえるんじゃないかなって思いますね。
──パフォーマンスで魅せていきたいってところ?
古屋敬多
もちろん、ありますねそういうのは。ファンクが多いっていうのもみんながファンクを聴いて踊りたくなるっていう気持ち良さはすごく大事かなって思ってて、そういうのが軸になってると思いますね。ブレイクビーツもやっぱり。なので、音で気持ちよくなれて、そこに歌詞があって、共感ができて、一緒に歌えて、踊れるみたいな気持ちいい瞬間が詰め込めたらいいなって思いますし、聴く人もこの曲はこういう勢いの踊りでくるかなみたいな、なんとなくイメージって沸くと思うんですよね。それをいい感じに裏切りたい気持ちもあるし、そのまま来たかみたいな、そういう予想をしながら楽しんでもらえるのもいいかなって思いますね。
──すごく楽しめそうだね。ところで、アルバムタイトルはなんでこれにしたの?
鍵本輝
最後までなかなか決まらなかった。
谷内伸也
タイトルが決まる前に、絵が先行でしたね。ジャケ写をこう撮ろうとか。
古屋敬多
なんか線路とかいいな〜。みたいな。
──そこまでセルフでやってるんだね。すごいね。
谷内伸也
そうですね。衣装もですしね。なんかあまり気張らない、素に近い感じにしたいなって。
──アルバムの音だけを聴いてると、こういうナチュラルなイメージではなかったんだけど、3人にとっては、ここに収録されている曲たちは、こういうイメージだったんだね。
一同そうですね。本当に自然体。
──そうなんだね。素に近い感じなんだろうね。この写真の感じだと、「これまで、これから」なイメージだもんね。
一同たしかに(笑)!
──でしょ(笑)。いきなりこの写真で「R.O.O.T.S」は想像できないというか。
谷内伸也
そうですね(笑)。そこも僕らからしたら自然体なんで(笑)。写真は、あんまり気張らず、その場にいたら撮られちゃったみたいな(笑)、そんな感じにしたかったんです。ま、さすがに普段はこんないい服持ってないし、こんないい感じに髪の毛もセットできないですけど(笑)。
一同たしかに、こんなに普段はキメてないけどね(笑)。
谷内伸也
こんな上手いことセットできないですけど、それぐらいでいいのかなっていう。
鍵本輝
アルバムを表現するにあたって、自分たちのこれまでの集大成もそうですし、これからのLeadもさらに期待して欲しいよねっていう共通認識でデモ作りとかレコーディングもしてて、こういうテーマをみんなで共有してたんで、じゃあ、それを表現するならこの絵だよねってなって、じゃあそうなるとタイトルってなんだろうねって感じでしたね。
──どこからこれが出てきたの?
鍵本輝
いろいろあったんですよ。道を表現するものだったりとか、曲のタイトルになってるのでやめましたけど、“Backpack”もありましたし、旅をしていくみたいな。その中で何が一番しっくりくるのかなってなってて、そこで伸也が“MILESTONEじゃね?”っていう、谷内伸也カットインが入りました(笑)。
谷内伸也
たまたまあって、あ、ハマるなって。
──今回のような感じでタイトルが決まることって、今までにも何回かあったの?
古屋敬多
あんまりないですね。先にタイトルが決まる方が多かったですね。
鍵本輝
2年前のアルバムの『THE SHOWCASE』なんかは、タイトルがバンッ!って浮かんだ感じだったし。
──なんか、『THE SHOWCASE』って聞くとイメージが結構沸くもんね。
古屋敬多
そうっすね。今回はいつもの逆ですね。
──それだけ自分たちがナチュラルだったんだろうなって感じるね。
鍵本輝
曲選びもみんな満場一致で“この曲がいい”って、自分たちのやりたいようにやらせてもらった1枚でもありますね。
──すごいね。ルーツが一緒だからかな?そういう意味ではすごい一体感だよね。
古屋敬多
制作も超短期間でしたしね。
鍵本輝
3週間ぐらい?
古屋敬多
1ヵ月なかったよね。それで全部録るみたいな(笑)。
鍵本輝
わがままに作っていった感じでしたもん(笑)。
谷内伸也
最後の方ヤバかったですもん。3日連続レコーディングで2、3日間連続でTD入ってくるみたいな。すごかったよね。
古屋敬多
すごかった。詰め込んでた。
谷内伸也
TDも1日で一気にやっちゃうみたいな。
古屋敬多
もう耳がおかしくなっちゃって(笑)。なんの曲なんだろうこれは……みたいな。
──逆にイントロとなる1曲目「Untitled」はどう作ったの?
鍵本輝
もう最後の方に作りましたね。ジャケットの絵もあったし、ライブでこういう照明をしたいっていうのもあったし、線路があったんで、それを象徴するなら列車がないと嫌だなって思って、最初のSEは列車の音から始まって、音でもジャケットがイメージできるような。
──私のイメージだと鳥みたいな外のイメージがあって。私だけかな?鳥に聴こえたの(笑)。
鍵本輝
ギターのフレットノイズというか、弦のノイズがいい感じに聴こえてるんですよ(笑)。
──鳥に見立てたの?
鍵本輝
見立ててないですね(笑)。
──(笑)。私が見立てちゃったのかな。
鍵本輝
ギタリストから見ると、僕はあり得ないことをやってるんですけどね。ノイズだけのトラックを用意して、それを使うっていう。
──すごいね。いやいや、いいと思うよ。私、ギター好きだけど、究極のフィンガーノイズフェチだからね。すごい生っぽい感じがいいなって思ったね。
鍵本輝
じゃあ良かった(笑)。大きく3部構成ではないんですけど、なんかLeadの歩いてきた道の、キラキラした時代、険しかった時代、それでこれから上がって行こうよっていう強い気持ちっていう3つを表現しているので、ぜひそんなところも楽しんでください!
古屋敬多
きっとライブで、ダンスと一緒に生で聴いてもらえたら、すごく楽しいと思うので、ぜひ遊びに来てください!
谷内伸也
ぜひ!一緒に体感してみてください!
PRESENT
サイン入りポスターを3名様に!
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