昨年、結成15周年を迎えたLeadが、2018年7月18日に約2年ぶりのニューアルバム『MILESTONE』をリリースする。彼らのルーツと言えるヒップホップやブレイクビーツをはじめ、フューチャーべースやJ-POP的なバラードなど、ジャンルレスなサウンドを聴かせる本作は、彼らの過去、現在、未来をつなぐ“道しるべ”となる重要な作品だ。今回、本作をひっさげての全国ツアーLead LIVE TOUR<Lead Upturn 2018 〜MILESTONE〜>のリハーサル中の3人をキャッチ。15年間の活動を通じてのグループ/各メンバーの変化や最新作の制作、また今後のライブの展望についてじっくり話を聞いた。
――15周年という大きな節目が過ぎて、本当に早いなと。成長の大きさも本当に計り知れないものがあるよね。まず、声の出し方が昔と全然違う。(古屋)敬多なんて声質まで違うよね。
古屋敬多
そうですね。特に歌い方は結構変えましたね。でも、自分の声嫌いなんですよ。だからすごく意識して変えたんです。まだ完成はしてないと思ってて全然途中なんですけど、15年の中で好きな歌い手の人とか好きなタイプが自分の中でわかるようになって、結構声がハスキーな人が多いんですよね。日本人でいうと桑田さん(サザンオールスターズ桑田佳祐)とか最高っすね!
──でもあれは地声なわけだから、どういう風に変えていくの?ボイトレってこと?
谷内伸也
我流だよね。
古屋敬多
そう。まずイメージでその人っぽく歌ってみるみたいな。今まで普通に歌うと声が鼻にかかるんですよ、だから低い音がなかなか出なかったりとかして、変声機とか持ったりしながら。でもハスキーに寄せると息を多めにしてとか、いろいろ意識するんですけど、その分倍音っていうかシャーっていう音が増える分、芯の地声がちょっとなくなるんでそのバランスのコントロールがちょっと難しくて。でも最近やっと安定してきたかなって思ってて、だからずっとやり続けるともっと安定はしていくんだろうなっていう風に感じてますね。真似してみて少し慣れてきたら“(好きな歌い手さんは)こうやって歌ってるのかな?こういう喉の使い方してるんだろうな”っていうのがなんとなくわかってくるんですよね。
──そうなんだね。感覚の問題なんだね。
古屋敬多
感覚とか意識は大きいと思いますね。
──輝はどう?
鍵本輝
僕は歌い方をそんなに変えてないけど、曲によっての表情の変化は、すごく付けるようになりましたね。自分の中で大きく変化したのは、曲を作るようになったことだと思いますね。それで歌い方が自然に変化したというのはあるのかもなって思いますね。ゼロから自分で考えて曲を作っていくので、その曲に染まらないと歌えないというか。そんな風になったんで、書き下ろしていただいた曲も作ってくれた人の心情がわかるというか。それに乗っかって歌うっていうことがわかったので。
──なるほど!自分が曲を作るようになったからこそ、もう一度見つめ直したってことだね。
鍵本輝
はい!あ、こういう感じで曲を書いたんだろうなっていうのがわかったというか。だからほかの人が作った曲の歌詞を書くときも“きっとこういう世界観なんだろうな”っていうのを掴むっていうのができるようになりましたね。
古屋敬多
仮歌とかも、それで全部輝が自分で録ってきて、それを聴いてみんなが覚える感じなんだけど、その時に言葉が聴きやすくなったような気がしますね。ちょっと上からなんだけど(笑)。
鍵本輝
いやいや、全然大丈夫っす(笑)。自分で録った声を波形で見るようにもなったんで、音の立ち上がりが悪い波形だと子音が聴こえなかったりするんで、“なるほどな、こういうことだったのか”っていうのがわかりましたね。
──なるほどね。母音だけじゃなく、子音までもちゃんと細かい部分がわかってきたんだね。
鍵本輝
そう。綺麗な波形で録りたい!みたいな(笑)。
──すごいね!でも、俯瞰で見ることも必要だもんね。
古屋敬多
そこは昔と比べてだいぶ違うんじゃないかなって思いますね。たぶん子供の頃はバランスめちゃくちゃだったと思うんですよ。歌自体をちょっとよくわかってなかった(笑)。頑張ってはいましたけど(笑)。
鍵本輝
見よう見まねでね(笑)。
──それはすごいね。伸也は?
谷内伸也
ちょっと客観的には見れてないところはあるんですけど、その曲その曲で感情移入したりとかっていう部分で自分が染まっていけたらなって意識してやってますかね。あとは、歌詞を自分たちでそれぞれ書いたりしてるんで、言いたいことを言いつつ、聴いてくれる人の生活に寄り添えるみたいな、生活の一部になってもらえるようなワードだったりとかをどれだけ入れられるかっていうのを意識しながら歌詞を書いてますかね。それに自分が染まるように、気持ちを乗せて届けられたらなっていう感じで全体的にやってましたね。
──やっぱりお互いの変化って、3人ともそれぞれにいい刺激になってたりするの?
谷内伸也
そうですね。やっぱりそれぞれが準備してくることも違いますし。輝だったらコーラスを家で録ってきたり、ガヤものを録ってきたり、それぞれが持ち寄ってやるっていうのは次にもつながるというか、次はもっと用意してこないとって思ったり、みんなが用意してきたからこそ生まれるものがあったりとか、毎回刺激的で勉強になりますね。
──すごいね。そういう変化っていうのはいつ頃あったと思う?
谷内伸也
曲に関しては、デビューして4、5年経ったぐらいからみんなで作るようになってましたね。あと、ステージを作ることはやってきていたことではあったので、その辺の変化はどちらかというと進化に近いのかなって気がしますね。やっぱり大きな変化と言うと、宏宜の卒業っていうのが心情的にも一番デカいですかね。リーダーが抜けたので。リーダーに甘えられないんだな、自分たちがしっかりしなきゃなっていう心情でしたね。甘えてた部分を“ダメだ。もっとちゃんとやろう”ってなったり。
古屋敬多
僕はまだまだ2人に甘えてる部分はありますけどね(笑)。
鍵本輝
でも役割がはっきりしたっていうのはありますかね。みんなで作っていくは作っていくんですけど、“この人はプレイヤーなんだな”っていうのは抜群に敬多ですし。それは役割分担だと俺は思ってるからね。
古屋敬多
まあね、できる人がね、そこはやればいい。だから逆に2人は先生みたいな感じですよ。よくそんなアイディアを思いつくなとか、裏のことがわかっているなって思います。
鍵本輝
敬多は“俺はこっちの方がいいな”っていうプレイヤーとしての面でちゃんと意見が出せるから、じゃあそうしていこうかって意見をすり合わせていくこともありますしね。
──輝はどういう役割になるの?
鍵本輝
最近は、トラックをたまに作ったり、ちょっとしたリアレンジだったりとかラップを出したりしています。あとは、振り付けや作詞もやりますし、その時その時に決めたものを全力でやろうみたいな、何というかちょいちょい勉強しながらやってますね。トラックも作りたいと思いますし、歌詞もメロも書きたいって思いますし。常に勉強だなっていうか、わからないこともいっぱいあるなって思いながら試したりしてます。
──そうだよね。これだけってなると自分たちの引き出しも少なくなっちゃうしね。
谷内伸也
そうですね。やっぱりライブとかやると思うんですけど、めちゃくちゃ決めることがあるんですよね。照明とかセット、ダンスの振り付け、衣装、構成、コーラス枠など。僕は、ちょっと全部は無理っすね。
古屋敬多
まだ全部は無理かな〜って。
──そうだね。徐々にね。
谷内伸也
最近は完全に演出で入るっていう感じのスタッフはいないんですけど、ダンサーズでありながら俯瞰で見てくれるみたいな人がいて。去年ぐらいからそういうスタイルでやってますね。