はい。次はROUTE14bandのアルバムが出ます。アメリカでレコーディングするのは去年に続いて2回目なんですけど、スタジオがものすごく良かったので、今年もそこでレコーディングしました。
プール付きの、映画に出てきそうなセレブのお宅という感じで、その敷地内にレコーディングスタジオが建っているんです。2日目の朝に行ったら、昨日録った音が爆音で庭に流れていて、“いい感じになったよー”ってエンジニアさんがニコニコしてる。海外でレコーディングすると、電圧とか空気の乾燥とか、そこがいいよねってみなさんおっしゃるんですけど、私が感じたことは、自分の気持ちが一番違うと思いましたね。
エンジニアさんも、ミュージシャンの気持ちが一番だから“君たちの家だと思って、ここにあるものは何でも使って”と言ってくれて、冷蔵庫を開けるとコーラとチョコレートのパラダイスみたいな(笑)。お酒もあるし、自由にやって!という感じ。お昼の1時から始まって、夕方6時ぐらいには“そろそろ夕食だから終わろうか”という、とても健康的で気持ち良い3日間を過ごしたので、そんな音が録れてます。
ラップのほうはギタリストのMizがやっていて、歌のほうはゲストに入ってもらってます。ビル・カントスという方で、ハーブ・アルパートさんのサポートとか、小野リサさんのツアーで日本も来たりしてます。ピアノと歌をやってもらっています。
歌詞はギターのMizが書いてます。タイトルが「Missed the bus」で、“バスを逃してしまった”ということを嘆いてる歌なんですけど、実話なんですよ。去年ニュージーランド・ツアーに行った時に、一緒に行ったカメラマンの女の子がいて、その子はニュージーランドに友達がいっぱいいるので、“明日は友達と遊びに行くから朝早くバス停まで車で送ってね”ということになっていたんですが、送る予定だったMizが寝坊して、車を飛ばしたけど一瞬の差で間に合わず。帰りの車の中で、“今日は1日遊ぶ予定だったのに!”って怒ってる彼女に向けて、Mizが“ごめんね…”って言いながら歌ったのがこの歌だったんですよ。“We missed the bus~”って。という実話なんです。
そのあとに私たちと合流して、ミュージックビデオの撮影をしたんですが、きれいな海に出会ったり、虹が出たり、“ほらね、一緒にいたらいいものが見れたでしょ?”という話になって。それがビル・カントスの素敵な歌とピアノで、より素敵なものになってすごくうれしかったです。もう1曲のラップのほうは「Ready for the Party」という曲で、タイトル通りの楽しいパーティーチューンですね。こっちもミュージックビデオを作ります。ほかの曲はインストで、もうすでにライブでやっているものもありますし、EVI(= electric valve instrument)という電子楽器を効果音としてちょこっと入れてみたり、面白いこともやってます。あとは本当にROUTE14bandらしい勢いがあって踊れる感じもありつつ、それとは真逆のバラードもしっかりと気持ちを込めて演奏できたかなと思います。
距離はない、ということなんですけど。
マネージャー:実はアメリカ・レコーディングの時にギターのMizが入国できなくて、時間があいたからってイタリアに行ってたんですよ。で、すごくかっこいいパーティーの曲ができたから“イタリアでミュージックビデオを撮ってきて”って、自分のラップの部分だけ撮ってきてもらって。日本でデモを録って、アメリカでレコーディングして、イタリアでミュージックビデオを撮って、世界のどこにいても“距離なんてないよね”という意味で、このタイトルになりました。
全員がそういうキャラクターなんです(笑)。そうじゃないとやっていけないと思いますね。海外ツアーは特にそうで、車に楽器を積んで何千キロも移動するんですけど、途中下車したりするのが楽しいんですよ。去年はキャンピングカーを一台借りたんですけど、2LDKぐらいある大きな車で、キッチンもベッドルームもあって、8人ぐらい住めるのかな。最高でした。RVパークっていう専用の駐車場があって、毎日行き当たりばったりにどこに止めようか?って探したり、星がすごくきれいだからここにしよう!とか。そうするとまたみんなが共通に見てるものが増えるというか、景色と思い出と共感するものがどんどん増えていくので、すごく楽しいです。
すごい食べました(笑)。初めてニューオーリンズに行った時に食べて、ハマってしまって、各地のザリガニを食べ歩いて。日本に帰ってきてからも、調べて、取り寄せて、向こうで買ってきたケイジャンスパイスを使って料理して、みんなでパーティーしたりしたので。そのうち「Crawfish」という曲ができるかもしれない(笑)。
特に私は強く心が動いた時に曲を書きたいと思うので。ツアー中のキャンピングカーの中で曲を書いたり、すごくエモーショナルなライブができた時とか、初めての土地で出会った人の顔とか、また会いたい人がいるとか、そういう時に曲を書くことが多いので。やっぱり旅はいいですね。何回行っても同じことには絶対ならないですから。特に日本の場合はおいしいものも各地で全然違うし、人も全然違いますけど、みんなあったかく迎えてくれるので、また行きたいなと思うところばかりです。
この間ふと気づいたんですけど、私たちのホームページの写真とか、今までのミュージックビデオを思い返すと、ちょっとクールなんですよ。真顔でクールな感じだったり、森の中で演奏してたり、かっこいいイメージがついているかもしれないんですけど、そんなことはなくて(笑)。今日のお話でわかると思うんですけど、みんな楽しくワイワイと、あちこち旅をしてイエーイ!ってやってる人種なので。ライブはそのノリでやっているので、ぜひそっちの姿を見ていただけたらと思います。“こんな人たちだっけ?”と思うかもしれないですけど、その時間を一緒に旅しているようなライブにしたいと思っているので、仲間になってください。
久しぶりのワンマンになるんですかね?今後の活動に向けてギアを入れるライブになると思いますし、私たち自身も本当に楽しみにしています。ライブが大好きな3人で、アドリブでその日のテンションでライブが変わるし、毎日絶対違うものになるので、その日しかないライブを見に来ていただけたらと思います。それぞれが普段別の場所で、三浦拓也はDEPAPEPEで、園田涼はソノダオーケストラで、私はROUTE14bandで旅をしたりして、たまにバッと集まる時のいろんなものを持ち寄った感がすごく面白くて、それがプレイに出るんですよ。お互いがそれに感化されて、相乗効果でどんどん面白いことになっていくんです。
考えたことなかったですけど、確かにそうかもしれない。でもやっぱり、どこにいても私はメロディラインをすごく大切にしていて、スッと心に入ってくるメロディラインを丁寧に吹きたいと思っているので。それはどの場所でもやっていることですね。
PRESENT
サイン入りの5thアルバム『Ain't No Distance』を3名様に!
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