──なるほど。『LiSA BEST -Way-』の方で、想い出深いライヴとの繋がりのある楽曲は?
やっぱり「Catch the Moment」(『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』主題歌)ですね。「Catch the Moment」は、私を本当にいろんなところに連れて行ってくれた曲でもあるんです。いろんな人にLiSAというアーティストを認めてもらえた曲でもあるんです。『Rising Hope』(TV アニメ『魔法科高校の劣等生』OP/『LiSA BEST -Day-』収録)もそうなんですけど、「Catch the Moment」は、アニメの物語の中の楽曲でもありながら、私自身からのメッセージでもあったというか。アニメの主題歌であることと、自分からのメッセージをちゃんと一緒に伝えられるのが上手くなったというか。どっちからのメッセージも、ちゃんと伝えられるようになった曲でもあったんです。
──「Catch the Moment」を作る前と、作った後では、心情が少し違っていたり?
そうですね。私は、人が居なくなってしまうことが極端に嫌いなので、ずっと"いなくならないで。いなくならないで"っていう気持ちがあって、「Catch the Moment」を作る前までは、「L.Miranic」とか「Empty MERMAiD」に、そういう想いを落とし込んできたんです。「Catch the Moment」は、ライヴで感じたことももちろんなんですけど、どちらかというと、"いなくならないで"っていう想いを素直に書けたというか、そこへの想いの変化を書けた歌詞なんです。
──なるほど。「L.Miranic」とか「Empty MERMAiD」は、"私"が一人称になった曲だよね。"ボク"で書かれていないということは、素直に言えなかったってことでもあるのかな?
そう。本当にそうなんです。"いなくならないで。いなくならないで。ずっと一緒に居て"って、素直に言えなかったんです。だから、「L.Miranic」とか「Empty MERMAiD」みたいな曲にその想いを投影していたというか。女の子の感情に寄せて、わがままに"いなくならないで"を言ってたというか。
──深いな……。そうだったのかぁ。強がっていたということでもあるんだね。
そうなんです。
──ますますLiSAっぽいなぁ。
でもね、いなくなっちゃうことって、理解できるんです。今は永遠じゃないし、みんなにも1人1人事情があるし。でも、やっぱり人が居なくなってしまうことは悲しい。私ね、みんなと近い距離で接するイベントをたくさんやっていたりもするから、みんなのこと覚えているんです。"あ、最近あの子見かけないな"とか。それで、2年後くらいに子供と一緒に来てくれているのを見て、"あ、なるほど!そういうことだったのね!"って思ったりとかっていうことが結構あるんです。手紙もちゃんと読むし、メッセージもちゃんと読むから、顔と名前が一致する人も何人もいるし。"あ〜、あのアイコンの子だ!"とかね(笑)。それは、みんなが、私に覚えてもらおうって一生懸命書いてくれたりするからだと思う。それは本当に嬉しいから。でもね、相手のことをそうやって深く知ってしまうから、その子たちが離れていってしまうのが、とても悲しいんだと思うんですよね。その悲しみをどうやって乗り越えたらいいんだろう?って考えたんです。それでね、別れを前向きに捉えようって思うようになったんです。
──それが「Catch the Moment」なんだね。
そうなんです。「Catch the Moment」には、"今、この瞬間を大事にしていれば、もしかしたら永遠があるかも!"っていう希望が詰め込まれているんです。今回のベストには3曲の新曲が入るんですけど、その中の「ハローグッテイ」にも、「Catch the Moment」と同じメッセージを込めたんです。あとね、「Hi FiVE!」も大好き。
──「Hi FiVE!」が生まれたエピソードを改めて訊いていい?
「Hi FiVE!」は5周年のときに作った曲で、"みんなで迎えた5周年"っていう意味を持つ曲というか。みんなが、この曲を歌うとき、手で5を作って上げてくれるんです。それをみんなが自然にやってくれる景色がすごく好きなんです。よく、私がライヴで"最高に楽しんでいきましょう! ピ〜ス!"って、ピースをするんだけど、その景色と同じ感覚なんです。それにね、昔、ライヴハウスでライヴをやっていた頃、後ろの人達が、どれだけ頑張って煽っても、どうしても手を上に上げてくれなくて、なんとかして手を上に上げて一緒に盛り上がってもらいたいって思ってたことがあったんですよ。そしたら、地元の先輩に、"人は、最初から手を上に上げようとすると、すごく抵抗があるんだけど、一度、心臓よりも少し高い位置に手を上げることが出来たら、そこからは自然に手を高く上げることが出来るんだよ"って教えてもらったんです。ピースって、顔の横とかでするでしょ。ピースなら誰でも抵抗無くできる。そこからだったら、高く手を上げられるんじゃないかなって考えたんです。
──なるほど!"最高に楽しんでいきましょう!ピ〜ス!"って、そんな意味もあったんだね!
そうなんです!ピースだったら大人も子供も出来るでしょ。そこにはそういう想いもあったんです!だいたい私のライヴでは、みんながペンライトを持ってくれているんですけど、「Hi FiVE!」のときは、ペンライトじゃなくて、5本の指を広げた手を大きく掲げてくれるんです。それが嬉しくて嬉しくて。
──LiSAはすごいね。LiSAとして歩んできた時間の中で楽しめる方法をたくさん探してきて、今に辿り着いたって感じだね。
そうですね、本当に。私、ライヴがなかったら曲も歌詞も作れないと思います。だって、今更新たに伝えたいことなんてないんだもん。伝えたいことは、そんなに多くはなくて。一番大切なことは"今日もいい日だっ!"っていうことで、そのテーマの中でずっと歌っていて。ずっと同じことを、どうしても伝えたいことを角度を変えて伝えているだけだから。それを伝える場所であるライヴで、みんなからもらった想いや景色が、私に新しい歌詞を書かせてくれるんです。だからね、ライヴは、とにかくみんなが楽しんでくれることだけを考えているんです。みんなを音楽でどう楽しませようか。どうやって遊ぼうかって。みんなと一緒に作って楽しめるライヴという空間が、私の新たな歌詞になっていくから。
──素敵だね、それ。でも、LiSAの歌詞は本当にとても素直で、すごく情景が見えるから、"あぁ、あのときのライヴのあの瞬間のことを書いてる!"っていうのまでもが見えるからね。そういう想いを共有できる場所(ライヴ)に、是非是非来て、それを体感してもらいたいなって思う。そうしたら、今以上にもっとLiSAのこと好きになると思うからね。
そう言ってもらえると嬉しいです!
──でも、こうして振り返ってみると、LiSAはいろいろな形のライヴをしてきたよね。いままででやってきたことないライヴの形で、やってみたいコンセプトライヴはある?
年齢別ライヴは、いつかやってみたいなって思ってますね。18禁ライヴとか。『バーレスク東京』みたいなSHOWをやってくれる人達が居てくれる中で歌うライヴとか、子供限定の着ぐるみとかがいっぱい出てくるワチャワチャしたライヴとかもやってみたいなって。
──見たい!
見たいですよね(笑)!
──行きたい!
ですよね(笑)。楽しそうですよね!そういうの、いつかやってみたいなって思います!いつか出来る様に、ネリネリしてみます(笑)!
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