4月19日、東京・Shibuya WWW Xで行なったワンマンライブ<ダンスサミット2018 〜Wanna be SHINY LADY〜>公演をもって飯田桜子、神宮沙紀、そこにこれまで活動休止中だった小林晏夕を加えた3人のメンバーがグループを卒業することとなった東京パフォーマンスドール(TPD)。現体制でのラストステージとなった公演では、不在だった小林を含め「9人でひとつだよー!」とリーダーの高嶋菜七が叫び、ライブ冒頭からラストまで、グループ結成からこれまで9人が切磋琢磨して作り上げてきたダンスパフォーマンスを全力で披露。流れ落ちる汗と、こみ上げてくる涙で顔はぐしゃぐしゃ、それでもメンバー全員でお互いを励ましあい、必死に支えあって、最後の最後まで笑顔を届け続けた彼女たち。そのなかで高嶋は「3人は今日で卒業しますが、残りの6人で、これから3人が応援したいと思えるようなグループになりたいと思います」といい、今後も自分たちはさらに輝きを増していくとポジティブな姿を見せた。こうして新しい未来に向かって歩みだした新生TPDが、6月3日にグループ結成5周年のアニバーサリーライブ<The 5th Anniversary ダンスサミット>公演を東京・日本橋三井ホールで開催する。この日のライブは、高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、浜崎香帆、脇あかり、橘二葉の6人体制になった新生TPDの記念すべき初パフォーマンスとなる。6月には「TRICK U」に続く7thシングル「Shapeless」(アニメ『BEATLESS』EDテーマ)をリリースすることも決定している彼女たちのなかから、メンバーを代表して櫻井、浜崎、脇に話を聞いた。
──5周年を迎えるにあたって、6人の新体制になってもグループが変わらず輝いて見えるのは、昨年ぐらいから積極的に各々がソロ、ユニット活動を行ない、そこで“個”としてそれぞれがパワーアップ、スキルアップしたからこそだと思うんですが。みなさんはTPD以外の活動を通して、どんなものが得られたと思いますか?
浜崎香帆
私はミュージカル『リューン〜風と魔法と滅びの剣〜』に出演させていただいたんですけど。現場では他の役者さんと関わらせていただいて、プロ意識、そのポテンシャルの高さにすごく刺激を受けました。役への取り組み方、それを追求していく姿とかを見て、学んで。自分に足りないものを見つけ出すことができましたね。
──脇さんは上西さんとTPDの派生ユニット、赤の流星として活動中。
脇あかり
赤の流星ではTPDでは出せない表現や、2人にしか出せない空気感を大事にしていて。星来ちゃんとの2人のムード、空気感を作り出すためには、毎ステージお互い細かい呼吸まで揃えて重ねていかなきゃいけないんですね。そこは、TPDとは挑み方が全然違います。「to you」では初めて歌詞とダンスの制作を星来ちゃんとやったりもしました。詩を書くのが好きなので、前々からやってみたかったんですけど。すごく難しかったです。
──櫻井さんは、もう活動終了しちゃったけど、ぐーちょきぱーというグループで大活躍。
櫻井紗季
自分たちが好き勝手にするというのがグループのコンセプトで。自分たちが一番楽しもうという気持ちでやっていました。あのはっちゃけた明るさは“素”に見えたかもしれないですけど、実際はTPDよりもオーバー目にキャラを演じてて。自分たちよりもファンの方がどう楽しめるか。そこを一番に考えてやって。いろんなことをセルフプロデュースでやっていったことはすごい楽しかったし、勉強になりましたね。
──TPDしかなかった5年前と比べると、個々の活動範囲がどんどん。
浜崎香帆
広がりましたね。この間は二葉も<gravity>というダンスの舞台に一人でゲスト出演したので、みんなで観に行って。「たくましくなったな」って思いましたけど。
──浜崎さんも、いまや『ZIP!』(日本テレビ系)のZIP!ファミリーですから(微笑)。
浜崎香帆
はい。決まったときは嬉しかったです。
──個々の活動が広がるのと並行して、TPDの見せ方も変わってきましたよね?
櫻井紗季
そうですね。これまでのTPDは万人受けする感じではなかったんじゃないかなと思うんですよ。衣装もがっちりあって。
浜崎香帆
その時々のTPDの世界観を強く打ち出してましたからね。いまはそこをシフトチェンジしている期間ですね。
──昨年夏に発表した「Glitter」でまず大胆イメチェンして。
櫻井紗季
急激に(笑)。
脇あかり
あそこから変わったよね?髪の毛とかも染めて。リリイベとかでも足を止めて観てくれる若者が。
櫻井紗季
増えたよね?
脇あかり
近づきやすくなったんだと思う。
──衣装もガーリー系で、みんなバラバラだったり。
櫻井紗季
そう!だから見た目は大切なんですよ。「Glitter」でやっと女の子らしい人間味のあるものを着れたんですよ(笑)。それまでは近未来的なクールな衣装が多かったんで。髪色も変えて、メイクも普段自分たちがしてる感じにして。あれは私たちも嬉しかったんですよ。ウキウキでした。
──だから表情がナチュラルだったんですね。
浜崎香帆
やっぱり、バキッとした衣装を着ると顔もシュッて。キメ顔になっちゃうんですよ。
櫻井紗季
だからMVやライブ映像を観ても「かわいい!」っていう感想はあまり出なかったんですよね。「うわっ、スゴイ!」っていうのはいわれても。
脇あかり
うん、そうだね。
櫻井紗季
でも「Glitter」では「かわいい」といってくれる人が増えたんですよ。
──そして、そのあと出した「TRICK U」で、今度は大人セクシーなTPDへとシフト。
浜崎香帆
年齢的にも半数以上が20代になったので。
櫻井紗季
いままで出さなかった大人の色気ある感じも出していこうと。
脇あかり
この年齢だからこそ歌える曲ですね。
──歌い方も違いますよね?
浜崎香帆
違いますね。歌も大人っぽくしようと思って、ニュアンスのつけ方を意識的に変えて歌いました。レコーディングのときにそれぞれ年齢設定をして。私は26才で豹柄の椅子に座り、22才の男の人を操ってる魔女という設定で歌いました(微笑)。ちょうどそのときミュージカルをやっていたので、ミュージカルで演じてる気分で歌えたのはよかったです。
──面白いアプローチですね。
脇あかり
ダンスも新しい先生に振り付けしていただいたんですけど。厳しい先生で。自分の癖ってやっぱりあるんですよ。それを一人ひとり見て「その角度はもう見飽きた」とかバシッという先生で。
櫻井紗季
厳しかったよね。ひたすらエンドレスで曲の1部を流して、休憩なしで踊るんですけど。私はすごい表情のことを指摘されて。元々クールとかセクシーな表情は、顔立ちが童顔のせいもあってなかなかできなくて。これまでもそこはダンスの先生に何度もいわれてきたんですけど。今回も難しかったんですね。でも、リリイベのときに花粉がすごい飛んでたときがあって。それで目がしょぼしょぼしてて半目状態だったんですよ。そうしたらファンの方たちが「今日大人っぽいけどどうしたの?」といってくださって!
浜崎&脇 (笑)。
櫻井紗季
なるほど!半目かと。だから花粉に感謝ですね(微笑)。
──花粉で半目アプローチを発見。面白いですね〜。あと、この曲のダンスの振り入れをするときに最初はテンポをハーフに落として体に入れて。そこから元のテンポに戻して踊っていくというやり方も面白いなと思いました。
脇あかり
この曲はダンスもキレだけではなくて体のラインを見せるところがポイントなんですけど。メンバーそれぞれ足の長さも腰の位置も違うんだけど、腰を入れるポーズの足の角度は揃えなきゃいけないとか本当に大変で。とにかく踊り込むしかなくて。ハーフで体に憶えさせていくのはとてもいいやり方でした。
櫻井紗季
今回初めてやったんですけど。すごいよかったです。
脇あかり
お陰で、いま一番自信を持ってパフォーマンスできる曲になりました。