僕が勝負できるのはメロディしかない
──『Bulbous Bow』のリードトラック「FATEMOTION」は、TVドラマ『こんなところに運命の人』の主題歌の書き下ろし曲。いままでのBentham全部乗せ、みたいな楽曲でもあり、ドラマのコメディ感も反映された曲だと思いました。
小関竜矢
「Benthamにこのドラマの主題歌を」というお話があって、楽曲に関する指定が特になかったんですよ。ドラマが“運命”をテーマにしていたので、とにかくその意味合いに寄せて、ドラマのどこに流れてもなにかしら絶対に刺さるワードがあるような曲にしました。脚本をしっかり読んだらどんどん気合いが入って、普段歌詞を書くファミレスに行き、家の近くの汚い喫茶店でも書き(笑)、家の台所でも書き……不思議とスルスルッと書けた曲なんです。いい曲は出来上がるのがスムーズなんですよね。
辻怜次
オゼ(小関)いつもそう言ってるよね。
小関竜矢
これは僕の持論ですね。でも去年からずっと、望んでいる結果がでないのは自分のせいじゃないか……と思っていたんです。そんなタイミングで野間さんと制作することになって、「メロがびっくりするくらいすごくいいから、好きなようにやったらいいよ」と言ってもらって。そのとき一気にもやもやが晴れたんです。その一言で「僕が勝負できるのはメロディしかない。僕のメロディがずれたらBenthamの軸がずれる」と思えた。
須田原生
そうだね。再度認めてもらえたことももちろんだけど、どの曲でもいいところを伸ばそうとしてくれて、すごく自信になりましたね。敬が作詞作曲した「SAYONARA」もメンバー全員大好きな曲で、良きタイミングで世に出したいなという想いがあったので、今回出せてよかったです。
──須田さんが作曲した「memento」はピアノもアクセントになっていて。ギターもピアノもしっかり鳴った、CDならではの音作りだなと。ラストのサビでテンポがゆっくりになるギミックもインパクトがあります。
須田原生
メジャーで活動を始めてから鍵盤を入れた曲を作っているので、今回もその流れで1曲作りました。4月にリリースすることが決まっていたので、「春っぽい曲を鍵盤テイストで作ったらどうなるかな」と思いながら作った曲です。いままでの鍵盤曲の流れではなく、ギターをがっつり弾いたうえで鍵盤をアクセントや支え役として入れるアレンジはどうか?という話になって、こうなりました。
小関竜矢
ラスサビのテンポが落ちるところはめっちゃこだわったんですよ!(笑)オーケストラっぽい音像にしてみました。それは先々オーケストラを入れた音作りもやってみたいな、という希望も込めていますね。
須田原生
僕的には「自分の曲でこんなに盛り上がるようなことやっちゃっていいのかな!?」って感じもあったんですけど(笑)、野間さんの力もあって、いちばん気持ちのいいテンポの落ち方、いちばん気持ちのいい復帰の仕方を突き詰められたなと思います。
音楽的な説得力は確実に増しているし、僕らが影響を受けた90年代のあの感じの熱量をいま僕らが表現したい
──昨年の『Re: Wonder TOUR 2017』が大きな会場を見据えた展開のライブだったので、あのツアーの経験が4月12日の京都MUSEから始まる『Bentham Bulbous Bow Tour』にどう影響していくのか注目しています。
須田原生
『Re: Wonder TOUR 2017』でライブプロデューサーさんについてもらったおかげで、いままで気付けなかった“もっと主張してもいいBenthamの良さ”を試してかたちにできたんです。ソロのパートを長く取ったり、間奏を長くしたり、ちょっとふざけたコールアンドレスポンスだったり、しっとり聴かせる部分だったり……いろいろ見せ場を作ったなかで、どのカラーを強く出していこうかな?というのが今回のツアーの課題かなと思っています。
小関竜矢
Benthamは柔軟なぶん、いっぱい武器を持っちゃってたんですよね。だから侍がピストルを持って戦っていたような部分もあったと思うんです。でも前回のツアーで自分たちの武器を見つけることができた。音楽的な説得力は確実に増しているし、僕らが影響を受けた90年代のあの感じの熱量をいま僕らが表現をしたいから、あの感じを知らない世代には衝撃的なライブになると思います。ふざけるときはふざけるし、コールアンドレスポンスもするけれど、うちの須田のコーレスは普通じゃないんでね。スベりまくるんで!(笑)
──ははは。前回のツアーはコーラスワークが印象的でした。今回のE.P.もコーラスが強化されているので、今回もそのパフォーマンスに期待が高まります。
須田原生
俺、コーラス大好きで。レコーディング中も「須田くんはコーラス録ってるとき楽しそうだね!」と言われて(笑)。でも最近はコーラスをやりすぎてギターとの両立が難しくて……。
辻怜次
それはちゃんとバランス取ってよ!(笑)
須田原生
これまでも難しいフレーズを弾きながらコーラスをやって「まあなんとかなるだろう!」と思いながら乗り越えてきたけれど、今回のギターフレーズはいよいよ相当なレベルに達してきたので(笑)。これから鍛えていきたいですね!
──リズム隊のおふたりはいかがでしょう?
鈴木敬
昔は勢いで行くところが多かったけど、去年の秋ツアーで「曲がいいから落ち着いてオイシイところをオイシく演奏していけば勝てるな。自信を持ってやることをやれば伝わるな」というのが身になったし、アルバムの曲もツアーでライブ映えするものになったので、今回もそういうライブができればと思います。
辻怜次
『Re: Wonder TOUR 2017』がメンバー個々にスポットの当たるライブになったんですよね。今回のE.P.の楽曲も、今年出した配信シングルのc/wに入っている「初恋ディストーション」も、各々のカラーを出しながらBenthamを作っている感覚がすごくあって。それをライブで生で表現してお客さんに届けられるのは気合いが入りますね。
小関竜矢
僕ららしいライブの方向性を今回のツアーでちゃんと見せられると思います。ほかのバンド云々というよりは、いままでのBenthamから頭ひとつ抜けたい。遠回りしたぶん自分たちの力になっているし、自分たちと向き合うことで本当に成長できる時期だと思っています。ファイナルの渋谷CLUB QUATTROはメジャーデビューのタイミングでワンマンをやった場所でもあるので、あのときからも成長した姿を見せられたらと思いますね。
PRESENT
直筆サイン入りタオルを1名様に!
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