8月20日(土)・21日(日)に千葉県市原市のオートキャンプ場、一番星★ヴィレッジで初開催されるキャンプフェス、『PEANUTS CAMP』。野外フェスはすでにたくさんあるし、キャンプのできるフェスもいくつもあるが、それらの中にあっても過去になかったような、ユニークな、そしてとても楽しい空間になりそうなこのフェスのキュレーターを務めるカジヒデキと、その盟友でありこのフェスの出演者でもあり、さらに出演以外のこともやるらしいかせきさいだぁのおふたりに、解説していただきました。
インタビュー/兵庫慎司
photo/横井明彦
なんかね、不思議な力を持った場所なんですよ(カジ)
──カジくんがこの『PEANUTS CAMP』のキュレーターを務められることになったのは、どういう経緯で?
カジ もともと、一番星★ヴィレッジでキャンプのフェスをやるということは決まっていて。テーマ的にロック!って感じのイベントじゃなくて、ゆるーい感じで、アコースティック寄りで、いろんな世代の人が気持ちよく音楽を楽しめるようなものにしたい、っていうことで、そのキュレーターの依頼をいただいたんですね。で、出演アーティストのセレクトをどうするかとか、そのあたりをスタッフのみなさんと話し合うところから始まった感じです。自分的には、いかにもフェスっていう感じのアーティストよりは、あまりそうではないイメージのアーティストに出てほしいと思ったのもあるし、あとは自ずと自分の好きなアーティストに出てほしいというのもあるし。そうすると、やっぱり同じ世代のアーティストが多くなって……かせきくんもそうですけど。あと、今の若い世代で、注目しているバンドもたくさん出てきたし。そういう人たちにも出てほしいと思ったので、セレクトしてみたら、その両極みたいなラインナップになりましたね。20代と40代中心、50代もいる、みたいな(笑)。それで、まず会場の一番星★ヴィレッジに行ってみたんですけど……ああ、確かにこんな素敵な場所で、いい音楽があって、おいしいごはんがあって、キャンプできたら、それは気持ちいいだろうなあ、楽しいだろうなあって思って。なんかね、そういう力を持ってる、不思議な場所なんですよ。千葉県の市原市にあって、都心からクルマで1時間ちょっとぐらいなんですけど、もうほんとに牧場というか。
かせき 牧草地なんですよね。それを夏の間はキャンプ場として開放してて。
カジ うん、ゴールデンウィークから8月いっぱいまで。東京ドーム13個分かな?そこが全部緑で。すごい象徴的な、大きな木が1本生えていたり──。
かせき ツリーハウスがあったりね。
カジ カブトムシが捕まえられる森があったり。
かせき 周りが森に囲まれてるから、余計なものが見えないんですよ。
カジ そう、市原、ベッドタウンだから周囲に家もあるし、そう遠くないとこに工業地帯もあったりするんだけど、それは全然見えなくて。完全に隔絶されてる感じなんですよ。
かせき 日常から切り離された感じがする場所っすよね、妙に。すっごい気持ちいい。
カジ 僕のミュージックビデオの撮影をそこでさせてもらって、かせきくんにも出演してもらったんで、一緒に行ったんです。
──「ヒーローは君と僕」のMV?え、あれ千葉なんですか?北海道だと思ってました。
かせき あそこなんです。だから、それを観てもらえればいいよね。ドローンで空撮してるからよくわかりますよ。
カジ その撮影の前に、ゴールデンウィークに入ったばかりの頃、クルマで会場に行った時に……昔、スウェーデンでレコーディングしてた頃に、トーレ・ヨハンソン(プロデューサー)が一時期すごい田舎に家を買って、“COUNTRY HELL”っていうスタジオを作って。そこに行く途中、ほんとに何もなくなって、森の中を抜けて行くとその家とスタジオが見えてくる。それを思い出しました。
「遊びたい子は寄っといでー」みたいな、ゆるい感じでフリスビーを教えたいな、って(かせきさいだぁ)
──かせきさんは、出演だけじゃなくて、ワークショップもやるそうですが。
かせき そういう場所なんで、フリスビーできませんか?っていう話になって、じゃあやってみようか、って言っているところなんですけど。あの、僕がフリスビーを趣味でやっていたら……あれ、テレビの企画だったのかな?フリスビーのインストラクターの免許を取りませんか?という話になって、取らせてもらったんです。で、それ持ってるんだったら、やったほうがいいなって。だからそのフェスで、お子さんとかに……子供ってすぐ飽きたりするじゃないですか?音楽やってるのに(笑)
カジ そうだよね。
かせき そこでフリスビーやってれば、その間大人は遊んでいられるんで。だからちょっと教えてあげて……まだがっちりとは決まってないんですけど……さっきワークショップって言われたけど、別に受講料を払って教わるとかじゃなくて、「遊びたい子は寄っといでー」みたいな、ゆるい感じでフリスビーを教えたいな、って考えてますね。
カジ フリスビー以外にもいくつかそういうことをやりたくて、進めてるとこですね。トランポリンとか、スラックラインとか。
かせき あ、トランポリンもあるんだ?楽しそう。あとスラックラインって、ロープの上を歩くやつだよね?
カジ そうそう。あと小田島くん(小田島等。サニーデイ・サービスの作品などを手掛けるアートディレクター)の似顔絵教室とか。大きなテントの中でアニメ映画が観られるとか、そういうのも進んでますね。楽しいと思いますよ。もちろん野外イベントはほかにもたくさんあるけど、あの場所はほんと、特別な感じがあるので。
かせき シンコ(スチャダラパー)にシャボン玉やらせない?『なんでシンコがやってんだ?』っていう(笑)
カジ そういうふうに、参加アーティストも巻き込めたら楽しいなあと思って。ステージの上と下に分かれてて、アーティストは演奏が終わったらさようなら、っていうだけじゃなくて。僕も何かやろうかなと考えてます。
──何をやるんですか?
カジ いま考えてるのは、ボンビングっていう。スウェーデンにエッグストーンというバンドがいるんですけど、彼らが考えだしたスポーツがあって。靴を投げて、それをバケツで受け止めるっていうスポーツなんですけど。
かせき へえ、それをボンビングっていうの?おもしろい。
カジ 僕のファーストアルバムの『たまごの中の欲望』って曲のMVを観てもらうと、そのボンビングをやっているシーンがあるんですけど。スウェーデンではボンビングのチャンピオンシップもあったりして、仲間たちを巻き込んでやってるんですね。
かせき ああ、ちゃんとやってるんだ?
カジ そう、細かいルールもあったりして。しかも……あれ2003年ぐらいだったかな、ロンドンを旅行した時にガーディアン(新聞)を買ったら、ボンビングが一面で取り上げられていて(笑)。それ、日本ではきっと誰も知らないから、やってみるとおもしろいかなって。
かせき おもしろい。それ気になる、全然知らなかったし。
カジ エッグストーンに許可をもらって、もう一回ちゃんと教わってからやろうかなと。「スウェーデン好き、集まれ!」みたいな。
かせき そうか。家族連れ多そうだし、子供相手にやるイメージだったけど、もしかしたら30代40代ばっかり集まるかも(笑)
カジ それも、もちろん歓迎だし。あの、普段からキャンプ場として運営されているから、過ごしやすい環境なんですね。僕が最初にゴールデンウィークに行った時も、たくさんの人がキャンプしていて。子供たちも、知らない子同士も一緒になって遊んでいて、しかも裸足でOKな場所なので。
かせき MVで僕が乗ってるストライダー(ペダルがなくて足で地面を蹴って進む自転車みたいな乗り物)とかでも遊べるし。
呼びたい人がたくさんいすぎて、大変でした(カジ)
カジ 夜もいいんですよ。星がすごくて。
かせき ああ、周りに明かりがないからね。
カジ 夜は、ヴィクセンという望遠鏡のメーカーが、火星を見るワークショップをやってくれる予定もあります。
かせき あ、それいいねえ。泊まらなきゃ。
カジ そういう感じで、今どんどんアイディアが出てるところなんです。そうだ、野宮真貴さんも出演してくれるんですけど、僕、4月から野宮さんと、渋谷のラジオ(コミュニティFM)で番組をやっていて、その中で『ウクレレ部』っていうコーナーがあるんですよ。単純に、野宮さんの家にウクレレがあるけど、弾いたことがないので弾いてみたい、っていうところから始まったコーナーなんですけど、この『PEANUTS CAMP』でも、みんなでウクレレ弾くのもいいなあっていう話もしていて。ミュージシャンもお客さんもウクレレ持って、キャンプファイヤーを囲んで。
かせき え、キャンプファイヤーあんの?
カジ うん。
かせき ああ、それ絶対いいねえ。それだけで何もいらなくなるもんね、火を見ちゃうと。
カジ あと、食べるものも、地元のおいしいものとかの店を、いろいろ揃える予定です。
──ブッキングは大変でした?
カジ いや、呼びたい人がたくさんいすぎて。呼べなかった人に『出たかったのに!このメンツなのに俺はなし?』って言われたり(笑)
かせき まあどうしてもそうなるよね。
カジ ステージはふたつなんですけど、あんまり規模を大きくしすぎない、というのも大事だなと思っていて。とにかく楽しさ、居心地のよさを第一に考えてますね。あの、フェスのテーマが最初から決まっていて、“Let’s Chill”なんですよ。自然の中で、音楽も大事だけど、ほかにいろんなものがあって、アーティストも参加者もみんなでゆるーい時間をすごしたい、というね。
かせき この間行った時、昼寝したらすっごい気持ちよかったんですよ。ここで音楽が流れてたら最高だなあ、と思いましたね。
ピーキャンで、最高の夏休みをお過ごしください!
[取材協力]
BAR天竺:03-6805-0315
■カジヒデキ「ヒーローは君と僕/Heroes」Music Video
※「PEANUTS CAMP」開催の一番星★ヴィレッジで撮影!
PRESENT
カジヒデキ×かせきさいだぁの直筆サイン入り「PEANUTS CAMPポスター」を3名様に!
※プレゼントの応募は締め切りました。