TEXT/森 朋之
ゲスの極み乙女。のベーシスト休日課長が女性ボーカリストのREIS、えつことともに結成したDADARAY(ダダレイ)が、3月から4月にかけて全国ツアー「01鬼03」(読み:イチニサン)を開催。このツアーで3人は、高度な演奏テクニックを駆使したサウンド、ポップかつエッジーな楽曲をダイレクトに体感できるステージを見せてくれるはず。メジャー1stフルアルバム「DADASTATION」を引っ提げた初のワンマンツアーについてメンバー3人に語ってもらった。
──DADARAYの初ライブは2017年2月。この1年の間に数多くのフェス、イベントに出演しましたが、DADARAYとしてのライブのスタイルは見えてきましたか?
休日課長 見えてる人います?
えつこ え、挙手制?
休日課長 (笑)。まず、REISの歌がライブだとかなり違うんですよ。音源もすごくいいんだけど、ライブだと…。
えつこ バケるよね。音源はきれいに歌っている印象で、それも素晴らしいんだけど、ライブはもっとエモい感じになって。
休日課長 そうそう。REISの歌がガーンと飛び抜けていく感じを楽しめる場なんですよ、DADARAYのライブは。
REIS 最初は手探りだったんですけどね。音源に近い表現を求められているのか、それとも爆発していいのか、その加減がわからなくて。ライブを重ねていくなかで、だんだん感情が抑えられなくなってきたというか、“このグルーヴを爆発させたい!”という感じになってきて。
休日課長 すごい(笑)。しかも、それが良い方向に出てるからね。REISのエネルギーがえつこにも伝わって。ライブのときに後ろから見てると、ふたりのテンションがどんどん上がっていくのがわかるんだよね。
──そのエネルギーは演奏にも影響する?
休日課長 うん、僕は影響されてますね。
えつこ バンド全体のテンションが上がるからね。ライブ中に課長を見ると、すごく気持ち良さそうにベースを弾いてて(笑)。
休日課長 天を仰ぎますね、あまりにも気持ち良くて。
えつこ ハハハハハ(笑)。ライブを始めた頃はもう少しクールだったというか、大人のポップスみたいな雰囲気もあったんです。そこからだんだん解き放たれて、エモくなってきて。
REIS 確かにそんな感じだった。歌は難しいですけどね。(DADARAYの楽曲を手がけている)川谷(絵音)くんの曲をはじめて歌ったときは、あの独特の譜割りがなかなか身体に入っていかなかったんです。曲作りのときは、その場で聴いてすぐに歌わなくちゃいけないこともあったから、真っ青になっちゃって。
休日課長 血の気が引いて?
REIS はい(笑)。そういうときは、えつこちゃんに教えてもらってました。
えつこ 自分が作った曲じゃないから、難しいよね。
REIS メロディの上下も激しいし、いきなりオクターブ飛んだりしますからね。
──川谷さんはDADARAY用に曲を書いているんですよね?
えつこ そんなに線引きしてないんじゃないかな。私はindigo la Endのサポートもしていて、曲作りにも参加しているんですけど、“この曲は俺が歌わないほうがいいな”と思うことがあるみたいで。indigoのレコーディング中にいきなりDADARAYのスイッチが入って、課長に連絡したこともありましたから。“これからDADARAYの曲を録るから、来てくれない?”って。
休日課長 あったね、そんなことが。『WOMAN WOMAN』だよね。
えつこ そうそう。
REIS 『WOMAN WOMAN』を最初に歌ったとき、窒息しそうになりました(笑)。上手くコントロールしないと、息が保たないパートがあるので。あと“ここでフェイク入れて”ということもあるんですよ。フェイクはあまりやったことがなかったんですけど、いままで使ってなかった能力を求められてる感じがして楽しいですね。
休日課長 REISのフェイクも、DADARAYのライブ感につながってるんですよ。
──実際に制作とライブを重ねながら、少しずつ方向性が見えてきたところもありそうですね。
休日課長 そうですね。当初は“大人のポップス”というキーワードはありましたけど、自分としては“やってみないとわからないな”と思っていたので。“やってみないとわからないな”というのはゲスの極み乙女。もそういう感じでしたから。
えつこ 短期間で制作を進めたんですけど、そのなかでジャンルレスになっていったんですよね。最初は“『イキツクシ』みたいなタイプの曲が多くなるのかな”と思っていたんだけど、ロックテイストの曲、歌謡曲っぽい曲なども出来て。
REIS 川谷くんが客席からライブを観られることも大きいかも。お客さんと同じ目線で見ることで、気付くことあるのかなって。
休日課長 ライブのディレクションもあったからね。REISの動き方だったり。
REIS お客さんの煽り方とかもわからなかったので(笑)。“ここで手を動かせば、お客さんがオープンになって盛り上がりやすくなるよ”とか。