JUONの新作は母への想いが詰まった1曲。新曲配信とリンクさせながら展開する注目のワンマンツアーを開催中!

インタビュー | 2017.09.26 12:00

JUON

テキスト/森 朋之

「CHANGE THE GAME 10音」と題した全10公演のワンマンライブ・シリーズを開催中。さらに各公演のタイミングに合わせて配信限定シングルをリリースするなど、ライブと新曲をリンクさせながら精力的な活動を続けているJUONにインタビュー! 8月30日にリリースされた新曲「フレー ~三線 ver.~」(JUONの母に向けられたバラードナンバー)、そして“vol.5音”となる東京・EX THEATER ROPPONNGI公演(11月15日[水])などについて聞いた。

──2017年3月8日の渋谷TSUTAYA 0-WEST公演からスタートした「CHANGE THE GAME 10音」、9月3日の福岡 DRUM SON公演で“4音”まで来ました。

1本1本、新鮮な感覚でやれていますね。ライブのたびに新しい曲を配信しているので、お客さんにも新しい風を感じてもらえてるんじゃないかなって。いまは未来を見据えて活動するというよりも、そのときに感じることをそのまま作品にしているんですよね。背伸びしないで、素直に表現するというか…。そういう活動を続けられていることがありがたいし、ライブにもいい影響を与えていると思うんです。お客さんと一緒に作り上げることで、共にグルーヴを見出している感じもありますからね。

──“RED”をテーマにして制作されたアグレッシブなエレクトロ・ロック「THIS IS THE START!!!」、“YELLOW”をテーマカラ―に掲げたメロウなミディアムチューン「my girl」、そして“PURPLE”をコンセプトに据えたダンストラック「T.N.C」。これまでに配信された楽曲もそれぞれ個性的ですよね。

ありがとうございます。ストック曲から引っ張ってきたものはひとつもなく、どの曲もまったくの新曲で、まさに今の自分を表現した感じなんですけど、洋楽のテイストが強いかもしれないです。もちろん“日本語の歌詞を乗せる”っていうところからは外れてないんですけど。自分にとっても新しいことがやれているな〜、という感じもあって。たとえば「my girl」は今まで作った曲の中でもいちばんセクシーで切ないし、この年齢(32歳)になったから書けた曲だと思います。

──かなり大人っぽいグルーヴですからね。ネオ・ソウル以降の洋楽の流れも汲んでいて。

そのあたりの音楽を自分なりに意識して取入れて作ってます。以前だったら、こういう曲は、切なくてセクシーな雰囲気のまま終わるんじゃなくて、最後に明るくキラキラしたポイントを入れたりしてたと思うんですが、今回「my girl」は“セクシーな世界観のままステイ!”っていう(笑)。いまだから出来る音楽だと思います、ホントに。

 

 

──こういうファンク・テイストの曲、JUONさんにすごく似合いますよね。もともと好きでしょ、こういう感じ。

好きですね!FUZZY CONTROLではあまりやってなかったけど、マイケル・ジャクソンやプリンスも大好きなので。「ロックとファンクの違いって何?一緒でいいでしょ?」って、思ってますからね(笑)。その感じを自分なりに表現したのが「T.N.C」なんです。この曲と「my girl」はハマ・オカモトさん(OKAMOTO’S)にベースを弾いてもらっています。

──ファンク・テイストのベース、めちゃくちゃ上手いですからね。

そうなんですよね。FUZZY CONTROLとOKAMOTO’Sは対バンしたことがあるんですけど、テレビ番組の収録で久しぶりに再会して。ちょうどファンク・テイストの楽曲が出来たから、ぜひ弾いてほしいと思ったんです。こういう曲はベースがグルーヴの中心だし、本当にカッコいいベースを弾いてくれました。

──サウンドのテイストによって、ボーカルの表情も変化していて。

トラックの音数も少ないし、自然に“歌が曲を引っ張る”という感じになるんですよ。ボーカルに重点を置かないと曲全体が大人しくなってしまうし、響いてこないので。そこはかなり意識しました。レコーディングのときもいろんなニュアンスや強弱を試しながら、いちばんいいポイントを探す旅をしていました。

 

 

──そして8月30日には4曲目となる配信デジタルシングル「フレー ~三線 ver.~」をリリースされました。ユリの白色をモチーフにしたこの曲は、昨年亡くなったJUONさんの母親・りりィさんに捧げられた楽曲ですね。

はい。母親は僕に対して「こうしたほうがいい」みたいに、押し付けたことはあまり言わなかったんです。中学の時に「もう学校に行きたくない」と言った時には「義務教育だから中学はちゃんと卒業して」と言われただけだったので、僕は高校には行かずに大好きな音楽の道に進んだ。
音楽のことも「こうすれば上手く歌える」とか「腹式呼吸をやりなさい」みたいはことは一切なくて。母親がしっかり人の目を見て歌っている姿を見て「なるほど、これが歌を伝えるということか」と自分で学んだんですよね。「こうしろ、ああしろ」という言葉を取っ払って、音楽を感じさせてくれた、そういう母親だったからこそ、僕も音楽の世界に入っていこうと思ったし、ギターを弾き始めたんですよね。小学校、中学校のときに髪を長くしていた事で、イジメを受けたことがあって、結構辛くてキツイこともあったけど、打ち込めることがあったから頑張れたんですよね。どんな状況であっても、ギターを弾き、歌を歌うことが自分を救ってくれる──そのことを教えてくれたんですよね、母親は。だから「フレー」でも「あなたを安心させたいから 前を向いて 今日も歌ってるよ」と歌っています。それと“あなたに逢えて良かった。ありがとう”と言えたらいいなって。母親に向けた楽曲ではあるんですが、聴いてくれるみなさんの背中を押せる応援歌になったら嬉しいですね。

──沖縄の伝統楽器、三線の響きも素晴らしいですね。三線も身近にあったんですか?

ありましたね。誰かに習ったわけではないし、すごく練習したわけでもないんですど、何となく弾いてると「すごいね。なんで弾けるの?」って言われたりして…。レコーディングで弾いたのは今回が初めてなんですけど、いやー難しかった!海辺とかで気分よく弾いてるときはいいんですけど(笑)、ピアノと合わせてしっかり演奏するのはすごく大変でしたね。フレーズを決めるのもそうだし、チューニングもなかなか合わなくて大変でした。

──でも、JUONさん自身が演奏することに意味があるわけですからね。

そうなんですよね。僕が小さい頃、おじさんがピアノを弾いているのを見ていて、自分も弾いてみたいな〜と思ってました。今回は、ピアノが中心のサウンドだったので自分で弾いてます。ギターのアドリブは父から教わったし、さっきも言いましたけど、歌を伝えるということは母親に教わりました。

──「フレー」にはJUONさんのDNAが込められているんですね。この曲をライブで聴けるのも楽しみです。

既に色々な所で歌わせてもらっているんですが、アコースティックギター1本でやることもあって。しっかり伝わってるなという実感もありますね。

 

 

──そして11月15日(水)には東京EX THEATER ROPPONNGIで“JUON 10音の”vol.5音が開催されます。スペシャルゲストとして、ギタリストのDURANさんが参加することが発表されてますね。

DURANとは稲葉浩志(B’z)さんのツアーのときに初めて一緒になったんです。ふたりでギターソロを弾き合ったり、ツインギターを弾くとすごく心地よかったんです。それを自分のライブでも実現したかったんですよね。まったく妥協しないで、「いいね!」って感じられるギタリストは、いまのところDURANしかいなくて。11月15日のライブではギターソロが炸裂する新曲を披露したいと思ってます。

──1stアルバム「CHANGE THE GAME」はエレクトロのテイストが強い作品でしたが、ファンク色を押し出した楽曲だったり、もちろんロックもあって。音楽の幅がどんどん広がっているんじゃないですか?

うん、本当にそうですね。エレクトロ、ロック、ファンク、あとはアコースティックギターやピアノ1本で歌うことの良さもだんだんわかってきて。歌を通して剥き出しの気持ちを伝えることが原点だと思っているので、今まで以上に続けて行きたいと思います。やっぱり「フレー」を作ったことが大きいんですよね。自分は歌っていくしかないんだなって、改めて思えたので。

 

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「CHANGE THE GAME 10音 ~vol. 5音~」

2017年11月15日(水) EX THEATER ROPPONGI
18:00 開場 / 19:00 開演
★SPECIAL GUEST:DURAN
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