写真L→R
早川知輝(Gt.) 伊原卓哉(Ba.) 杉本亘(Vo.) 大井一彌(Dr.)
取材 / 田中 サユカ
撮影 / 堀 清香
東京を生きる若者の音楽カルチャーにフォーカスを当てたInterFM897の番組「Tokyo Scene」主催のイベント「InterFM897 Tokyo Scene LIVE」が10月4日(水)に開催される。注目の出演者は、日本ヒップホップシーンをリードする巨大クルーKANDYTOWN、クラブジャズシーンにおいて巨大な風穴を開けたWONK、そして、現代のロックやエレクトロシーンにおいて最も平和的かつクールなやり方で更新してみせたDATS だ。2017年の今、このラインナップがどれほどHOTかは言うまでもない。 さて、そんな一大イベントのバイブスをさらに高めるべく、番組「Tokyo Scene」の8月マンスリーアーティストを務めたDATSの収録現場に直撃、このライブに挑む熱量を確認した。
──ついさっきまでラジオ(「Tokyo Scene」)の収録をされていたんですよね?番組「Tokyo Scene」では8月のマンスリーアーティストとしてトークを展開されていますが、ラジオの収録は慣れましたか?
(編集部注:本取材は2017年8月上旬に行いました)
伊原 だいぶ慣れたよね。
杉本 うん、っていうか慣れたっていうよりも…
伊原 いつもどおり!
一同笑
杉本 雑談しているだけだね(笑)。
伊原 俺らがあるトピックについて喋っているところをたまたまレコーディングされているっていう感じ。
──ほぼ楽屋トークに近いと思っていいんですか?
4人 そうそう!
──最初の一声だけ、妙にかしこまった…
杉本 そう、改まった感じ(笑)。
一同笑
──DATSの皆さんは「SNS世代のリアルな日常」というコンセプトで制作されたアルバム『Application』を今年の6月にリリースされたばかりですが、ラジオはSNSよりずっと以前からあるものですよね。SNS世代である皆さんは、どのようにラジオと関わって成長されてきたのでしょう?
伊原 親父がすごい車が好きだったら、ドライブによく連れて行ってくれて、その時にひたすらラジオがかかっていて、それを聴きながら「この時間になるとこういう音楽が流れてくるんだ〜」とか「こういう音楽があるんだ〜」と思いながらラジオに触れていましたね。
杉本 俺も車だけ。
早川 俺も!
大井 ラジオってテレビより「文化」が強いなって思っていましたね。昔、ある国では国営のラジオで禁止されているロックとかの音楽を海賊船から発信していて、その電波をイケてる若者達がこっそり聴いて、音楽的にイケてる引き出しを開けるっていう映画を観て、そこに出てくるラジオの存在が文化としていいなって思っていましたね。
杉本 それ、どこで知ったの?
大井 「パイレーツ・ロック」っていう映画。
(編集部注:2009年公開 監督リチャード・カーティス)
杉本 あれ、好きだったー!
伊原 それ、Netflixである?
杉本 え?あるんじゃん?
──リリースされたばかりのDATSのアルバムにもありますけど、本当に皆さんの身近にあるんですね、Netflix。
大井 あり過ぎて歌詞にしちゃったくらいですからね。
杉本 思わず、ね!
一同笑
──大人になり、実際にラジオに出演するようになってから、ラジオに対する付き合い方や印象に変化はありましたか?
伊原 そうですね。出させてもらうようになってからは、仲良くしていただいているパーソナリティーさんの番組とか、俺らが前に出たことのある番組を聴いたりして、昔よりラジオを聴くようになりましたね。
杉本 今の僕らにとってのラジオって“情報”ではないんですよね。一つの“コミュニケーション”。バンド内では有名な話なんですけど、俺とか普通に“クソ寂しがりや”で…
伊原 彼は恐ろしいっすよ!メンヘラもビビるレベルの…
一同笑
杉本 例えば、建物の中で1人で居るのとかが嫌なんですよ。でもそういう状況に遭遇しちゃった時に、自分を救ってくれるのが音楽。中でもラジオは貴重な存在で「この時間だったらRYUさん(の番組)がやってるわ。」と分かれば、すぐラジオをつける。それだけで、知ってる人がそこに居る感覚になれる。
伊原 確かにね!俺らはラジオの向こうで喋っている人を知ってるから余計にそうなるよね。
大井 ラジオの方がよりリアルなんですよ、多分。テレビは完成された世界があって、それを眺めるっていう感じなんですけど、ラジオは“そこにいて喋ってる”っていう感覚になりやすい。
早川 同じ内容でもテレビとラジオだったら全然違うと思う。
伊原 全然違うと思うよ。
早川 どっちがいいっていうのはわからないけど、多分、違うベクトルで伝わると思う。
──それにしても仲が良いですよね。ラジオでも、今も!
伊原 それで帰りとか無言だったら怖いよね!
一同爆笑
──例えば、収録直後の1(早川)対3の面白いやりとり(コント?)は 頻繁にあるんですか?
伊原 っていうか、ココ(伊原と杉本)対、ココ(早川)とココ(大井)が入れ替わる感じじゃね?
大井 っつーか、因縁の付け方がクソしょぼいんだよ(笑)!
一同笑
ファーストアルバム「Application」について