及川光博にとって、デビュー20周年となる2015年が密度の濃い年になったのは間違いないだろう。最新アルバム『男心 DANCIN’』、ベストアルバム『20 -TWENTY-』のリリース、ワンマンショーツアー2015『光博(こうはく)歌合戦』開催、さらにはディナーショー『MITCHY’S DINNER SHOW☆』、16年連続となるカウントダウンライヴ『ゆくミッチーくるミッチー』開催などなど。事務所独立というターニング・ポイントの年でもあった。
ともかくよく働いた1年でした。精一杯エンターテインメントと向き合ったという実感はありますね。『男心 DANCIN’』というEDMを軸としたアルバムは自分にとって冒険でもあったんですが、自分の感性からは生まれてこないサウンドに驚きながら、楽しく作ることが出来ました。ベストアルバムとリンクしたツアー『光博歌合戦』は20年間のまとめであり、事務所から独立して新しい旅に出るメルクマール(指標)になりました。
2015年が区切りの年とすると、2016年はさらなる飛躍を遂げる年になりそうだ。ニューアルバムが3月23日にリリースされることも決定した。現在鋭意制作中とのこと。
おそらくロマンティックなものになるでしょう。2015年に挑戦したEDMとは別のアプローチでダンス・ミュージックを構築している最中です。生のバンドサウンドも打ち込みのポップなビートもあり。オーケストラと融合したドリーミーでファンタジーなダンス・ナンバーが中心の作品になると思います。
彼は音楽活動以外でも多彩な活動を展開している。2015年は映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』で仮面ライダー3号を演じた他、ドラマ『アイムホーム』『掟上今日子の備忘録』に出演。さらには赤シャツ役を演じた新春ドラマスペシャル『坊っちゃん』の放送も控えている。そうした俳優としての経験も創作の源となっていく。
音楽を自分で作り出す意味はそこにありますからね。今までたくさんのアルバムを作り、たくさんのショーをプロデュースしてきたけど、結局、自分のやりたいことが楽曲とステージに凝縮されていくんですよ。前のツアーが終わってから僕が感じたこと、芽生えた表現欲求が形になっていく。今はおもしろい歌詞が書きたい。笑えるという意味ではなくて、独創的なものを作りたいですね。
春のツアーは当然ニューアルバムが軸となっていくだろう。
もちろん春のツアーでは新曲を披露することになるでしょう。楽しいショーになると思う。それ以外はまだわからない。ひょっとしたら、僕が出ないかもしれない。プロデューサーに回っちゃうとか(笑)
もちろんこれはミッチー流のジョーク。それくらい自由で大胆な発想に基づいて、ステージが作られている。が、会場内が一体になって、踊ったり、歌ったり、ときめいたりする濃密な空間が出現することだけは間違いないだろう。
インタビュー/長谷川 誠