インタビュー/永堀アツオ
バンド結成から18年。周囲の声や時代の流行に惑わされることなく、どんな時でも笑顔に満ちた未来を望み、常にライブハウスを熱狂とイマジネージョンの渦に巻き込んできたパンクロックバンド、SHAKALABBITS。彼らは昨年末に<2017年内をもって、無期限の活動休止に入る>ことを発表した。そして、バンドとしては最後のアルバム『Her』(4月12日発売)は、全曲のソングライティングを手がけてきたMAHが「初めて満足できた」と胸を張って語るほどの最高傑作に仕上がっている。こんなに素晴らしいアルバムを作るバンドがどうして活動を休止するのか?もう新しい世界に連れていってくれることはないのか?バンドの内実はバンドメンバー間でしか分からないことも多いのは承知の上で、結成時からのオリジナルメンバーであるMAHとUKIに率直な質問をぶつけた。
うまく言えないんですけど、すっごくすごく簡単に言うと、バンドや音楽に対する考え方や生きていきたい道が違ってしまったっていうことですね。(UKI)
──昨年末に無期限の活動休止を発表されましたが、メンバーからのコメントは全く出てないですよね。
MAH(Dr.) うーん…………そもそも何て言ったらいいかわからないっていう。だから、言わないというか。
UKI(Vo.) ロマンティックじゃないからね。うまく言えないんですけど、すっごくすごく簡単に言うと、バンドや音楽に対する考え方や生きていきたい道が違ってしまったっていうことですね。
MAH そのまま一緒にやっていたら、多分、俺らも飲み込まれてただろうし、音楽の傍にいられなくなってしまうなと思って。じゃあ、休止しようと。
UKI 最初は休止じゃなく、解散だったんです。でも、私はMAHに声をかけるところから始まったバンドを、なんでこんな気持ちで終わらせなくちゃいけないんだと思って。だから、どうなるかはわからないけど、無期限休止という形にして。
大好きな映画で、『バンドは止まったり進んだりするもんだ。でも自分たちはやり続ければいい』っていうセリフがあって。まさにじゃん!って。もう、その時に答えは出てたっていう。(MAH)
──そこで、メンバーチェンジをしてバンドを続けるという選択肢はなかった?
MAH それで新メンバーを入れるのは違うなって思ったんですよね。これまでも2人辞めているし、これ以上、カッコ悪くなりたくないなっていうのがあって。普通にバンドがやりたいだけなんですけどね。
UKI 誰もがやりたいことをやるのがいいわけで。それが音楽じゃないんだってことであれば、うん、としか言えない。否定することはできないですよね。だから、残りの日々をどうするか、どう休止に向かっていくかっていうことの方にシフトしていって。
MAH その頃、大好きな映画『That Thing You Do!』を全部見返したりしてたんですけど、ちょうどいいタイミングでいいセリフをもらえたりするんですよね。主人公が泥酔してバーで呑んでたら憧れのジャズのドラマーがいて。二人がはなしている中で、『バンドは止まったり進んだりするもんだ。でも自分たちはやり続ければいい』っていうセリフがあって。まさにじゃん!って思ってグッときて。もう、その時に答えは出てたっていう。
最高傑作『Her』にこめたもの